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TBSレトロスペクティブ映画祭 第3回「石井ふく子特集」開催決定!生誕100年を記念し名作ドラマがスクリーンで蘇る

TBSが所蔵する貴重な映像作品をデジタル修復し、劇場公開する「TBSレトロスペクティブ映画祭」。その第3回として、「石井ふく子特集」の開催が決定した。2026年5月22日(金)より、Morc阿佐ヶ谷を皮切りに全国順次ロードショーとなる。

本企画は、テレビ放送という枠にとどまってきた名作群を“映画館で観るべき映像体験”として再提示する試みでもある。今回焦点が当てられるのは、日本における「ホームドラマ」というジャンルを確立し、お茶の間に“家族の物語”を根づかせた立役者・石井ふく子。その作品群は単なる懐古ではなく、女性の生き方や家族のあり方、社会の歪みといったテーマを真正面から描き、いま見ても鋭く、そして生々しい。

橋田壽賀子との黄金コンビによる脚本世界をはじめ、森光子、南田洋子、池内淳子、大空眞弓、長山藍子ら昭和を象徴する俳優たちが体現した人物像は、当時の時代性を超えて、現代にも通じるリアリティを持つ。今回上映される『東芝日曜劇場』の名作8作品は、そうした“テレビドラマの原点”とも言える表現を、約60年の時を経てスクリーンで体感できる貴重な機会となる。

さらに本映画祭では、石井ふく子の創作の軌跡を追うドキュメンタリー『石井ふく子 100歳~心のドラマの軌跡~』も上映。世界最高齢の現役プロデューサーとして今なお作品を生み出し続ける彼女が、どのようにして数々の名作を築き上げてきたのか。その原点から現在、そして未来への視線までを、最新のインタビューと貴重なアーカイブ映像を交えて描き出す。

テレビというメディアの価値そのものが揺らぎつつある今だからこそ、その黎明期にあった“ものづくりの熱”と、石井ふく子が切り拓いたドラマ表現を見つめ直す意味は大きい。本映画祭は、単なる回顧ではなく、日本の映像文化の礎を再発見する場となりそうだ。

【TBSレトロスペクティブ映画祭 プロデュース 佐井大紀コメント】
「テレビ」の在り方が様々な角度から問われている今こそ、その黎明期に息づいていた“ものづくりへの熱量”を振り返ることに、大きな意味があるはずだ。TBSでは開局当初から、メディア論を問うような名作が数多く制作されてきた。しかしそれらの多くは、放送後そのまま破棄されるか、よくても倉庫に塩漬けにされるか。そこで私は、独断と偏見で作品を掘り出しデジタル修復して再発表する「TBSレトロスペクティブ映画祭」を企画した。第3回目は、石井ふく子特集。まもなく100歳、世界最高齢の現役プロデューサーである彼女にも、熱き新人時代があった。「電気紙芝居」と揶揄され映画に比べはるかに地位の低かったテレビいう場で、「ホームドラマ」というジャンルをお茶の間に定着させたホームドラマの母の“原点”ともいえる作品群を、令和のいま改めてスクリーンで堪能して欲しい。

作品ラインナップ(作品解説・佐井大紀)

★『日曜劇場』
1956年以降、毎週日曜よる9時からTBS系列で放送されている、日本で最も長い歴史を持つドラマ番組枠。1958年、石井は日本電建の社員でありながら、この枠の2代目プロデューサーを引き受ける。

■「時間ですよ」(デジタル修復版) (1965年7月4日放送)
後に久世光彦×向田邦子コンビでシリーズ化された名作の元祖単発ドラマ
銭湯「泉湯」の女主人(森光子)は大の働き者だが、その夫(中村勘三郎)は女癖が悪くいつも遊んでいた。ある日近所の未亡人が妊娠、しかもその相手が女主人の夫だという噂が立ち…。「ただの水で稼ごうなんて、水商売もいいとこだわ」など橋田セリフの切れ味は素晴らしく、女性の働き方や生活保護問題など、すでに令和の社会問題を扱っている。森光子は石井の母と交流があった。

脚本:橋田壽賀子
出演:中村勘三郎、森光子

■「愛と死をみつめて(前篇)」(デジタル修復版) (1964年4月12日放送)
脚本、橋田壽賀子。石井×橋田コンビの原点とも呼べる伝説的作品
十代で難病を患ったみち子(大空眞弓)と、遠距離でもひたむきに彼女を愛する大学生・実(山本学)の悲恋。「手術で顔の半分を切除するくらいなら死にたい」と言うみち子に、実は無償の愛を捧げて手術を決意させる。橋田が書いた台本は電話帳くらい分厚かったが、「カットしたくない」と言う橋田の想いを受け、石井は「東芝日曜劇場」において初の前後編を決意した。

原作:大島みち子
脚本:橋田壽賀子
出演:大空眞弓、山本学

■「愛と死をみつめて(後篇)」(デジタル修復版) (1964年4月19日放送)
脚本、橋田壽賀子。石井×橋田コンビの原点とも呼べる伝説的作品
手術を経て一命を取り留めたみち子(大空眞弓)。しかし、さらなる苦難が若い二人を待ち受けていた…。ほぼ病室だけで展開される密室劇だが、セリフは力強く、カメラワークも流麗で圧巻。手紙を読み上げるラストシーン、本来は台本に沿って暗転するところを、監督は現場の直感で大空眞弓の表情を撮り続けた。親の愛、恋人の愛、本人の望み…全てが切ない普遍的な愛の物語。

原作:大島みち子
脚本:橋田壽賀子
出演:大空眞弓、山本学

■「みれん」(デジタル修復版) (1963年6月30日放送)
原作、瀬戸内寂聴。仲代達矢出演で映画化もされた名作
ともこ(渡辺美佐子)は小杉(下元勉)と8年間も不倫していたが、かつてともこを当時の夫から奪った年下の男・涼太(小池朝雄)ともいまだに関係していた。嫉妬深い二人の男の狭間で揺れる女心を描く、瀬戸内寂聴の初期作。激しい情念の世界で「女の生き様」というテーマが息づいている。

原作:瀬戸内晴美
脚本:田井洋子
出演:渡辺美佐子、下元勉、小池朝雄

■「廃市」(デジタル修復版) (1965年6月27日放送)
大林宣彦も映画化した名作のドラマ版
舞台は九州の柳川、人々は死んだような町で死んだように生きていた。郁代(南田洋子)は夫・直之(仲谷昇)が妹の安子(大空眞弓)に想いを寄せているという噂に傷つき、家を出て寺にこもってしまう。閉塞感の中で渦巻く男女の激情とは裏腹に、川辺のロケシーンはまるでルノワールの絵画のようにどこまでも美しい。

原作:福永武彦
脚本:田井洋子
出演:大空眞弓、南田洋子、仲谷昇

■「秋津温泉」(デジタル修復版) (1967年7月2日放送)
吉田喜重も映画化した名作のドラマ版
ある日、数年ぶりに秋津温泉を訪ねた貧しい作家の周作(児玉清)。若女将の新子(大空眞弓)は待ち焦がれた再会に胸を躍らせるが、周作はすでに妻子ある身だった。そこに周作がかつて憧れた未亡人の女や、新子の縁談の相手まで絡み、複雑な大人の恋模様が展開される。演出は、後に「岸辺のアルバム」や「ふぞろいの林檎たち」を手掛ける鴨下信一。

原作:藤原審爾
脚本:八住利雄
演出:鴨下信一
出演:大空眞弓、児玉清

■「女と味噌汁」(デジタル修復版) (1965年6月20日放送)
脚本、平岩弓枝。食を通してシスターフッドを描く傑作、第1弾
新宿の芸者・てまり(池内淳子)の夢は、得意の味噌汁を売りにした店を出すこと。お座敷の客・桐谷(佐藤英夫)との不貞がばれて、その妻が家に乗り込んでくるが、口論の末2人は打ちとけてしまう。石井のアイデアでバナナを食べながら化粧をした長山藍子や、芸者どうしの殴り合いシーンなど、強い女性たちの活躍は時をこえて痛快で美しい。

脚本:平岩弓枝
出演:池内淳子、山岡久乃、長山藍子

■「続・女と味噌汁」(デジタル修復版) (1965年9月12日放送)
脚本、平岩弓枝。食を通してシスターフッドを描く傑作、第2弾
キッチンカーを出店するために教習所へ通うてまり(池内淳子)は、妻と別居中の弁護士・久保田(川崎敬三)と親しくなる。久保田の家を訪ねたてまりは、漬物が生き甲斐の久保田の母に気に入られてしまい、それを知った久保田の妻・やすこが乗り込んでくる…。

脚本:平岩弓枝
出演:池内淳子、長山藍子、山岡久乃

★本映画祭の企画・プロデュース佐井大紀監督最新作も上映

「石井ふく子 100歳~心のドラマの軌跡~」
御年100歳…世界最高齢の現役プロデューサー・演出家の原点と未来
世界最高齢の現役プロデューサーとして、今なお新作を生み出し続けている石井ふく子。その創作の原点や名作の秘話、そして現役として走り続けている「いま」について、2026年の言葉で語ったロングインタビューに、過去の貴重な映像も交え、石井ふく子の神髄に迫る。

監督:佐井大紀
撮影・編集:松岡佑一郎

「TBSレトロスペクティブ映画祭 石井ふく子特集」
5月22日(金)よりMorc阿佐ヶ谷ほか全国順次ロードショー

<上映館>
【東京】 Morc阿佐ヶ谷 5/22〜6/11        
【大阪】 シネ・ヌーヴォ 6/27〜7/10 
【京都】 アップリンク京都 7/17〜7/30
【名古屋】シネマスコーレ 7月後半予定
【福岡】KBCシネマ 7月後半予定

<スタッフ>
企画・プロデュース:佐井大紀
エグゼクティブ・プロデューサー:津村有紀
総合プロデューサー:須永麻由、小池博
法務:日向央
テクニカル・マネージャー:宮崎慶太
アーカイブ・マネージャー:崎山敏也、古山徹
スーパーバイザー:山﨑恒成
企画:大久保竜
製作著作:TBS

公式X:@tbs_retro
公式サイト:https://note.com/tbs_retro

(C)TBS