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太田光「映画は一番のオールドメディアだからこそ、一番力強い」小川彩佳「タイパの時代に倍速では描けない余白がある」 「TBSドキュメンタリー映画祭2026」開幕宣言イベントレポート

「TBSドキュメンタリー映画祭2026」の開幕を翌日に控えた3月12日(木)、渋谷・東京カルチャーカルチャーにて開幕宣言イベントが行われた。チェアマンを務める太田光(爆笑問題)と、スペシャルサポーターのフリーアナウンサー・小川彩佳が揃って登壇。16作品の見どころから互いへの密着構想まで、30分にわたって本音のトークを繰り広げた。

TBSテレビおよびJNN系列局の記者・ディレクターたちが現場で向き合ってきたドキュメンタリーの熱量を届けてきた本映画祭も、今年で第6回。「カルチャー・セレクション」「ライフ・セレクション」「ソーシャル・セレクション」という3つの軸のもと16作品がラインナップされ、3月13日(金)の東京・ヒューマントラストシネマ渋谷を皮切りに、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌の全国6都市で順次開催される。

冒頭のあいさつで太田は「第1回目からチェアマンをやらせてもらっているんですが、毎回秀作ぞろいで。特に今年はユニークな作品がいっぱいあったので、自信を持って皆さんに届けられると思っています。毎年やらせていただいて本当に光栄です。LILICOと申しますけれども」とボケをかまして笑いを誘い、「映画は一番のオールドメディアですけど、だからこそ一番力強い。ぜひ多くの人に見ていただきたい」と呼びかけた。

続くトークでは「今の世界情勢はかなり複雑で、どこでブレーキが踏まれるんだろうと毎日考えている。このタイミングでこの映画祭が開かれることに意味がある。今見る価値がある作品が揃ったと思います」と、社会の現在地と16作品を重ねるように言葉に力を込めた。
昨年に続きスペシャルサポーターを務める小川は、この映画祭に関わる意味をこう話した。「参加している監督の多くは、私が報道の現場で日々一緒に仕事をさせていただいている方たちなんです。お見せしたい映像があるのに時間が足りなくて出しきれない、伝えたい思いがあるのに乗せきれない――そういう悩みを抱えながら放送に向き合う姿を間近で見てきました。その分、この場でたっぷりと時間を使って届けられることが、私にはとても嬉しい」。そして「タイパが重視される今の時代、短い動画を次々消化したり倍速で眺めたりすることも多いけれど、そのスピードの中では描けない余白、余韻、息づかい、眼差し——そういったものから感じ取ることの大切さを、毎回ここで思い知らされます」と続けた。

16作品の中からそれぞれ気になる1本を選ぶコーナーで、小川が手に取ったのは『強制沈黙 ~殺される記者たち~』。メキシコで権力の腐敗と闘い続け、次々と命を奪われていくジャーナリストたちを追ったドキュメンタリーだ。「実際にこうしたことが起きているという事実にまず戦慄する。それでもペンを置かずに立ち向かっていく記者たちの姿は、同じく報道に携わる者として、胸に刺さりました」と語った。当日の朝も宮城・気仙沼から生中継の取材を終えて会場入りしたという小川の言葉には、現場に立ち続ける者としての切実さがにじんでいた。「見終わった後、ニュースの受け取り方が変わると思う。そういう作品です」。

太田が選んだのは『矛盾に抱かれて 音楽 建築 哲学 悲哀 循環』。半身麻痺を抱えながら音楽・建築・哲学の三つの領域で活動するアーティストに密着した一作だ。「世界的な音楽家であり建築家でもあり、哲学者でもある。持っているフルートが右手でしか使えないよう特別に作られたもので、それで素晴らしい演奏をする。京都大学の『哲学の道』の元祖とも言われる哲学者・西田幾多郎に深く感銘を受けて、そこから自分のハンディキャップをマイナスではなく芸術家としてのプラスと捉え、音楽・哲学・建築すべてを前に推し進めて独自の世界観をつくり上げてきた。その姿にちょっと感動しました」と、作品への思いを丁寧に言葉にした。

さらに「次世代に観てほしい作品」「リーダーに観てほしい作品」という切り口でもう1本ずつを選ぶ場面も。小川は『劇場版 盗るな撮れ ~罪と少年とケーブルTV~』を推した。「少年犯罪をテーマにしながら、人はどう立ち直れるのか、何度でもやり直せるのかを問いかけてくる。自分と近い年齢の人物を入り口にどんどん引き込まれていく構成で、ドキュメンタリーの持つ力をまっすぐ体感できる作品だと思います」。

太田がリーダーへ向けて強く推したのは『特攻の海 ~3Dが語る80年目の真実~』と『ブルーインパルスの空へ』の2本。「海底に眠る特攻機を最新技術で3D解析し、今も生存する90代の元隊員たちへのインタビューと照らし合わせながら、当時どんな意図で若者たちを送り出したのかを問い直す。今、世界のどこかで戦争が続いているからこそ、どこでブレーキを踏むのかをリーダーに考えてほしい」と語り、現役パイロットたちを追った『ブルーインパルスの空へ』と重ねて「時代を超えて見比べると、そこから見えてくるものが深くなる」と連続鑑賞を提案した。

後半の恒例コーナー「密着するなら誰に?」は今年、「お互いに密着するとしたら?」という形に。小川が「太田さんの私生活って、謎じゃないですか。どんな朝を過ごしているのか、純粋に気になります」と切り出すと、太田は「朝は風呂に入って、その後に階段の上り下りを40分。漫才の最中に息切れしたことがあって、そこから持久力をつけようと思って始めた。もう20年以上になる」とあっけらかんと明かし、会場に笑いが広がった。逆に太田が「テレビ朝日からTBSへ来て、ニュース番組のメインキャスターとして毎晩カメラの前に立つとき、何を考えているのか見てみたい」と返すと、小川は「全然かっこいいものじゃないですよ」と苦笑い。さらに太田が「幼少期から紐解くと、ちょっと触れられない部分もあるんですけどね(笑)。小川さんの人生を描きます」と自身のドキュメンタリー構想をのぞかせると、小川が「恐ろしいですね…」とポツリ。会場は大いに沸いた。

最後は二人そろっての開幕宣言。「TBSドキュメンタリー映画祭2026、開幕!」と声を揃えながら大きなくす玉を一緒に引っ張ると、盛大にくす玉が割れ、会場から大きな拍手が起きた。

小川は「今回も太田さんのお話を伺って、自分もぜひ観たいと思える作品がいくつもありました。何度も劇場に足を運んで、皆さんと一緒に楽しみたいと思っています」と笑顔で語りかけた。太田は「毎年思うんですけれど、僕はチェアマンという立場で幸いにして全部を観させてもらえる。でも普通は全部観るのは難しいと思うけど、1本だけじゃなくて、同じテーマを別の角度から見た作品をいくつか見比べてほしい。特にさっき挙げた『ブルーインパルスの空へ』『特攻の海』に加えて、戦争補償の問題を追い続けた『受忍の国』も合わせた3本を見比べると、今の日本にとって本当に重要なものが見えてくる。今、戦争が起きているからこそ、絶対に観てほしい」と、最後まで真剣な眼差しで呼びかけた。

 

<開催概要>

「第6回 TBSドキュメンタリー映画祭2026」
2026年3月13日(金)より東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌の全国6都市にて順次開催される。
※一部の作品は上映されない会場があります。

東京:ヒューマントラストシネマ渋谷|3月13日(金)〜4月2日(木)
大阪:テアトル梅田|3月27日(金)〜4月9日(木)
名古屋:センチュリーシネマ|3月27日(金)〜4月9日(木)
京都:アップリンク京都|3月27日(金)〜4月9日(木)
福岡:キノシネマ天神|4月3日(金)〜4月16日(木)
札幌:シアターキノ|4月4日(土)〜4月10日(金)

主催:TBSテレビ
公式サイト:https://tbs-docs.com/2026
公式X:@TBSDOCS_eigasai