【今夜何観る】アカデミー賞直前!候補者の過去作から厳選 今こそ観たい名作10本(前編)
日本時間3月16日に行われる第98回アカデミー賞授賞式。いよいよその日が近づいています。そこで今回は監督賞&演技4部門に候補入りした名匠&名優たちの過去作から、とにかくこの映画は絶対観て!という作品を、アカデミー賞大好きな大西Dが独断と偏見でおススメします!
今回は監督賞と演技4部門のそれぞれから2人ずつピックアップして、是非観てほしい作品を1本ずつ。つまり10人10本をご紹介します!
今回は前編です!
【監督賞】
ポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
“遅すぎた”初ノミネート
ポール・トーマス・アンダーソン(通称:PTA)は『ハードエイト』で長編デビューして以来、常に注目されていた映画監督ですが、そんな彼が初めてアカデミー賞監督賞に候補入りしたのが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』です。そもそも、その前に撮った『ブギーナイツ』、『マグノリア』、『パンチドランク・ラブ』はいずれも映画史に名を遺す名作。むしろ『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』まで初ノミネートを待たなければいけなかったのは、遅すぎるぐらいです。
非道な石油王を描いた同作はクセが強い作品ではあったが、同時に大絶賛も集めました。特にダニエル・デイ=ルイス演じる主人公の存在感は凄まじく、この映画で2回目の主演男優賞を受賞しています。ちなみにそのダニエル・デイ=ルイスとは、後に『ファントム・スレッド』でもタッグを組んでいます。
『ワン・バトル・アフター・アナザー』で4回目の監督賞候補入りを果たしたPTA。カンヌ、ヴェネツィア、ベルリンという世界三大映画祭で、監督賞を受賞してきた彼がまだ手にしていない賞はいよいよオスカーだけ!
【主演男優賞】
ティモシー・シャラメ『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
40曲の生歌・生演奏を披露した傑作!
『マーティ・シュプリーム』で主演男優賞に候補入りしたティモシー・シャラメ。まだ30歳ですが、既に3回目の候補入りです。『君の名前で僕を呼んで』でブレイクして以来、SF超大作『DUNE』でも主演を務めるなど、今ハリウッドで最も旬な俳優と言って良いでしょう。
シャラメは前回の第97回でも主演男優賞に候補入りしました。伝説のシンガーソングライター、ボブ・ディランの若き日を描いた『名もなき者』で、シャラメはボブ・ディランを演じました。素晴らしい演技はもちろんのこと、彼は劇中で出てきた40もの曲の生歌・生演奏を披露したことでも大きな話題になりました。この作品を観たボブ・ディラン本人もシャラメの演技を賞賛したそうです。
今回候補入りをした『マーティ・シュプリーム』で3回目の候補入りとなりましたが、30歳と26日という若さでの主演男優賞3回目の候補入りはマーロン・ブランドに次いで史上二番目の若さです。そして彼は同作のプロデューサーも兼任していますが、作品賞と演技部門に同時にノミネートされた若さについては、ウォーレン・ベイティを抜いて、史上最年少の記録になったとか。30歳にしてこの活躍、本当に凄いです。
【主演女優賞】
ジェシー・バックリー『ワイルド・ローズ』
ブレイクのきっかけは“歌姫”
ジェシー・バックリーという女優は、まだまだ日本の映画ファンにはあまり馴染みがないかもしれません。2010年代はどちらかというとドラマ作品への出演が多く、あの『チェルノブイリ』にも出演していました。そんな彼女が本作的に映画女優としてブレイクしたきっかけが『ワイルド・ローズ』です。
この作品で彼女は、カントリー歌手になることを夢見ていた前科持ちのシングルマザーを演じ、歌も披露しました。彼女の熱演は高く評価され、多くの映画賞を受賞しています。作品でローズがどん底から這い上がったように、バックリーもこの作品を機に一気に注目俳優の仲間入り。『ジュディ 虹の彼方に』、『もう終わりにしよう。』、『ウーマン・トーキング』などの話題作に出演し、マギー・ギレンホール監督の『ロスト・ドーター』ではアカデミー賞助演女優賞に候補入りしました。
『ハムネット』ではシェイクスピアの妻を演じて候補入り。この部門の堂々たるフロントランナーです。ちなみに次回作は再びマギー・ギレンホール監督作品に登場。フランケンシュタインの花嫁を演じます。わお。
【助演男優賞】
ベニチオ・デル・トロ『ボーダーライン』
どの作品でも“クセ”が強すぎる
一度見たら忘れられない悪役顔俳優の中でも三本の指に入ること間違いなし(と勝手に私が思っている)ベニチオ・デル・トロ。味方と言ってきても、絶対に裏切りそうと思ってしまうほどの不気味な存在感が唯一無二の俳優だが、そんな彼が特に強烈なインパクトを遺したのが『ボーダーライン』だろう。
麻薬カルテルの親玉を追う女性FBIを描いた骨太な作品で、デル・トロは所属不明の傭兵アレハンドロを演じました。敵なのか味方なのか分からないアレハンドロの存在は作品に常に緊張感を与え、本作をより一層盛り上げてくれます。何が面白いってエミリー・ブラント演じる主人公の上司を演じるのはジョシュ・ブローリンで、この人も中々の悪役顔。デル・トロとブローリンが並ぶと、それだけで“圧”が半端ないです。
今回候補入りを果たした『ワン・バトル・アフター・アナザー』でもかなりクセが強いキャラクターを演じています。一体彼が“クセが無い”キャラを演じる日は来るのでしょうか。
【助演女優賞】
ウンミ・モサク 『ロキ』シリーズ
名前は覚えてないけど、一度見たら忘れない!
ウンミ・モサクという女優を知っている人は映画ファンであってもほとんどいなかったでしょう。どちらかといえばテレビドラマを中心に活躍してきたこともありますが、それでもやはり彼女のことを知る機会はほとんどありませんでした。
そんな彼女が注目を浴びるようになったのは『ロキ』のドラマで演じたハンターB-15のお陰でしょう。ロキの変異体を追う中で、今まで疑問に抱くことのなかった、自らの記憶に疑念を持つようになり、それが物語にも大きく影響してきます。その後は『デッドプール&ウルヴァリン』にも登場するなど、徐々に日本の映画ファンにも馴染みが出てくるようになりました。
今回候補入りを果たした『罪人たち』は2025年を象徴する作品。彼女自身も英国アカデミー賞を受賞しています。もしかしたら、もしかするかも・・・!?
いかがだったでしょうか。
第98回アカデミー賞授賞式は、日本時間3月16日に行われます。今回も多くの鬼才、名優が候補入りを果たしました。昨年の記事でも同じことを記載しましたが、今回候補入りした作品だけが凄かった、という人はほとんどいません。アカデミー賞というのは、過去にその人がどんな映画を撮っていたのか、どんな演技を見せてくれたのかを、改めて確認する機会を映画ファンに与えてくれます。もしかしたら、その時に初めて観る作品もあるかもしれません。
そんな映画との出会いと再会を、アカデミー賞は映画ファンに与えてくれます。
だからアカデミー賞は面白い!










