オリジナル公開から45年、映画史を震撼させた“超問題作”が究極の「本当の姿」で蘇る──『カリギュラ 究極版』本ポスター解禁
映画史における“超問題作”として語り継がれてきた『カリギュラ』が、本来の姿を取り戻した『カリギュラ 究極版』として、2026年1月23日（金）より全国公開される。このたび、本ポスタービジュアルと新規場面写真4点が解禁され、45年の時を経て蘇った本作の全貌が、あらためて強烈な存在感を放っている。
『カリギュラ』は1976年、ペントハウス誌の創設者ボブ・グッチョーネが、当時の映画史上最高額とも言われる製作費を投じて企画した自主製作映画として誕生した。セックスとアートを融合させ、ローマ帝国史上最も退廃的な皇帝とされるカリギュラを描く歴史スペクタクルとして、脚本に作家ゴア・ヴィダル、主要撮影にティント・ブラスを迎え、主演には『時計じかけのオレンジ』で知られるマルコム・マクダウェル、さらにヘレン・ミレン、ピーター・オトゥールといった英国演劇界・映画界を代表する俳優陣が名を連ねた。
しかし製作過程は順風満帆とは程遠く、撮影中から数々のトラブルが噴出。完成時には製作費が当初の倍にまで膨れ上がり、脚本家やスタッフによる訴訟、監督の解雇、編集・音楽担当のクレジット拒否など、異例の事態が相次いだ。1980年に公開された際には、グッチョーネが監督や脚本家の意図とは異なるポルノグラフィ的なシーンを無断で追加していたことが明らかとなり、作品は批評家から激しい非難を浴びることになる。フィルムの押収やわいせつ罪での起訴といった騒動も巻き起こした一方で、興行的には異例の成功を収め、カルト的な支持を集め続けてきた。それから45年。長らく失われたと考えられていた未使用フィルムが奇跡的に発見され、90時間以上に及ぶ素材をもとに再構築された“本来の『カリギュラ』”が、『カリギュラ 究極版』として完成した。過激さのみが強調されてきた従来の評価とは異なり、美と狂気、権力と腐敗が交錯する壮大な歴史劇としての側面が、初めて全面的に提示されることになる。
今回解禁された本ポスタービジュアルでは、マルコム・マクダウェル演じる若き皇帝カリギュラが、鋭くこちらを射抜くような眼差しを向けており、その背後を覆う深紅の背景が、血塗られた権力と狂気を象徴するかのような強烈な印象を残す。絶対的な権力を手にした青年の内側に渦巻く欲望と破壊衝動を一枚に凝縮したビジュアルは、“究極版”の名にふさわしい仕上がりだ。
あわせて公開された新規場面写真4点には、ローマ帝国の豪奢さと退廃、そして破滅へと向かう空気が濃密に切り取られている。ヘレン・ミレンが妖艶に演じる皇妃カエソニアの存在感、ピーター・オトゥールが体現する老帝ティベリウスの病と狂気、カリギュラとカエソニアが密やかに言葉を交わす親密な場面、そして狂乱の宴の只中に立つカリギュラの姿など、いずれも作品世界の核心を捉えたカットとなっている。
物語は紀元一世紀前半のローマ帝国を舞台に、暴君ティベリウスのもとで堕落した宮廷と、その王座を狙う若きカリギュラの台頭を描く。皇帝の座を奪い、第三代ローマ皇帝となったカリギュラは、当初は民衆の支持を集めるものの、やがて内なる欲望を抑えきれず、暴政へと突き進んでいく。その姿は、権力が人間をいかに変貌させるのかを容赦なく映し出す。美と狂気、芸術と倫理の境界を揺るがし続けてきた『カリギュラ』。45年という歳月を経て甦った『カリギュラ 究極版』は、単なる“問題作”という枠を超え、映画史そのものを問い直す一本として、あらためて観る者に強烈な体験をもたらすことになりそうだ。
『カリギュラ 究極版』（原題：Caligula: The Ultimate Cut）
2026年1月23日(金)より新宿武蔵野館、TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
出演：マルコム・マクダウェル、ヘレン・ミレン、ピーター・オトゥール、ジョン・ギールグッド、テレサ・アン・サヴォイ
脚本：ゴア・ヴィダル
主要撮影：ティント・ブラス
製作：フランコ・ロッセリーニ、ボブ・グッチョーネ
究極版プロデューサー：トーマス・ネゴヴァン
製作総指揮：ジャック・シルバーマン
上映時間：178分／R18＋
製作国：アメリカ・イタリア
配給：シンカ
提供：ハピネットファントム・スタジオ／シンカ
宣伝：ガイエ with 叶井俊太郎
コピーライト：© 1979, 2023 PENTHOUSE FILMS INTERNATIONAL
公式HP：https://synca.jp/caligula_kyukyoku_movie/
