追悼記念!組織を描く達人、巨匠「原田眞人」映画の世界! 『突入せよ! あさま山荘事件』『クライマーズ・ハイ』『関ケ原』『燃えよ剣』
今、
「進撃の巨人」の樋口真嗣、「キングダム」佐藤信介、「雪風 YUKIKAZE」山田敏久、「るろうに剣心」の大友啓史、「
いやいや、日本には原田眞人がいます。
現代の大作映画というと、
原田監督は違います。
この本格感・スケール感、、彼はリドリー・
というわけで原田眞人ウォッチャーの私がこの不世出の監督をトリ
原田作品に息づく、遺伝子【暴走する組織】
原田さん、ありがとうございました。
原田眞人監督、警察組織を描く
「突入せよ!あさま山荘事件」
未だに何度も何度も見直したくなる傑作映画それが「突入せよ!あさま山荘事件」です。
言わずと知れた1972年に起こった連合赤軍が山荘に人質をとって立て籠った事件で、日本の左翼テロリストと警察機動隊との何年にもわたる対決のクライマックスといえる戦いの模様は各局でテレビ中継され、合計視聴率はなんとびっくりの89.7%、まさに老若男女日本中が固唾をのんで見守りました。
映画の主人公はこの【戦い】の陣頭指揮を警察トップから直々に任された佐々淳行(さっさあつゆき・役所広司)。ただ、指揮を任されたといっても名目の司令官は別にいて、表向きは補佐して、実質はお前がやれという、実にややこしいオーダーなところが、警視庁と地方警察の力関係への配慮や、先輩を立てなければならない日本の警察らしいところです。
この話最初は意外にのんびりしたムードで話が進みます。ハリウッド映画を観てる人にとっては日本の警察ってのんきだなぁと思ったりするのですが、途中で民間人が射殺され、さらに機動隊の同僚が撃たれる。これで完全にギアが入って戦闘モードになる。
この警察組織全体に突然みなぎる緊張感、雰囲気の変化がこの映画最大の見どころです。
ついに装甲車が出てきたり、催涙弾や放水銃やら巨大なクレーンにつるされた鉄球やらが登場しますが、この大仕掛けの裏には日本の警察が背負った重い十字架があります。警官たちはテロリスト達が銃を乱射しているのに、銃で反撃してはいけなかったのです。『SWAT』なら射殺して終わりという場面でも、日本の警察はそうはいかない。
(テロリストが殺されたらヒーロー化して残りの人間がさらに過激化するから撃つなと言われていた)
結局、発砲許可が下りたのは第二機動隊の内田隊長が頭を撃たれて殉職してからでした。
3人の犠牲者が出るまで銃使用のOKがでないなんで、日本の警察がいかに厳しい状況に置かれていたかわかります(そこは今もそんな感じかもですね)。
その悲哀がたまらない。
ちなみにあさま山荘事件は、カップヌードルが実戦初投入されたことでも知られる事件だったわけですが、そこはしっかり描かれております。あつあつのカップヌードルうまそうです。
【キャスト】
役所広司、宇崎竜童、天海祐希、伊武雅刀、藤田まこと、遠藤憲一、椎名桔平、豊原功輔、松尾スズキ ほか
【スタッフ】
監督・脚本:原田眞人
原作:佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘」事件』
音楽:村松崇継
撮影:阪本善尚
編集:上野聡一
配給:東映
(C)あさま山荘事件製作委員会
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原田眞人監督、新聞組織を描く
「クライマーズ・ハイ」
未だに何度も何度も見直したくなる映画それが「クライマーズ・ハイ」です。
1985年実際に起こった群馬県・御巣鷹山への日航機の墜落事故、それを取材し記事にする地方新聞の編集スタッフの悲喜こもごもが、なぜか谷川岳を友人と上る話と同時並行的に描かれるのですが、このいわば災害ジャーナリズム映画と登山映画のハイブリッド感がたまらない傑作となっています。
御巣鷹山の墜落現場の惨状みて気が変になる記者や、事故原因を探るためスパイまがいの動きをする記者、締め切りを遅らせてとくダネを仕込んだり、社内を欺いたり、編集部と販売部が社内で争ったりなど、もうとんでもない熱量で、たかだか「取材ネタ」に命を懸ける人間たちが描かれます。
ジャーナリズムとは何なのか?というより、仕事って何なのか?っていう方が正しい映画でしょうか。原田監督は、新聞社にいたことがないのに、このディテールの生々しさは息をのまずにはいられません。
通信社から墜落事件の音声ニュースが次々に入り、事件の概要がわかる中、社内のホワイトボードに「全権・悠木」と書かれて主人公・堤真一がプロジェクトリーダーとなるところのアドレナリン噴出度は半端ないです。
【キャスト】
堤真一、堺雅人、山崎努、尾野真千子、高嶋政宏、遠藤憲一、田口トモロヲ、堀部圭亮、マギー ほか
【スタッフ】
監督:原田眞人
脚本:加藤正人、成島出、原田眞人
撮影:小林元
音楽:村松崇継
製作:若杉正明
配給:東映、ギャガ
(C)2008 『クライマーズ・ハイ』フィルム・パートナーズ
原田眞人監督、武将組織を描く
「関ケ原」
武将組織を描くといわれても、武将同士は組織なのか何なのか、という疑問があると思います。
会津の上杉と、肥後の加藤と、関東の徳川と、佐和山の石田と、全然別の国のリーダーじゃないのか?
ところがこれが太閤・豊臣秀吉の凄いところで、彼ら武将たちは、この時代大阪や京都にいて、各々太閤のための役について連携して働いてたんですね。元々は織田信長が考えたことだと思いますが、彼ら武将たちは、もはや中央政府のサラリーマンに変質しつつあったと思います。
そんな中起こったのが加藤清正・黒田長政らと石田三成・小西行長らの豊臣恩顧の大名同士の内輪もめ、ホントにつまらない派閥争いが元なんですが、加藤・黒田グループに徳川がついて東軍、石田・上杉グループに毛利がついて西軍となって、いつの間にか日本を真っ二つに割る大合戦となってしまいました。
中央では優秀で実直な官僚としてふるまっていた上杉景勝も、会津に帰れば謙信のDNAを受け継ぐ猛将です。当初西軍の石田三成は豊臣秀頼を擁して(いるつもりで)いたので圧倒的有利だったのですが、状況を変えようと徳川家康は、大谷、真田、細川、島津など自らの進退に悩む有力大名に、自身のこれまでの律儀さを思い起こさせ、巨利をちらつかせ、裏に表に中間層を必死に誘います。
ここにおける家康の言葉
「私が、三成を作ったのだ。」
はとても衝撃的ですね。
どうやったら豊臣家から権力を奪取できるのか?という深慮遠謀。単なる豊臣家中の内輪もめを一大決戦に育ててきたのだという影の努力。
司馬遼太郎の原作で触れられていない原田監督の思いが現れている言葉だと思います。
【キャスト】
岡田准一、有村架純、平岳大、東出昌大、役所広司 ほか
【スタッフ】
監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎「関ヶ原」
製作:市川南、佐野真之
音楽:富貴晴美
撮影:柴主高秀
編集:原田遊人
配給:東宝、アスミック・エース
(C)2017 「関ヶ原」製作委員会
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原田眞人監督、新選組を描く
『燃えよ剣』(2021)
新選組は武士ではないですよね。
武士でないがゆえに、武士道を重んじて、武士以上に武士であろうとした。
農民が徳川将軍を守る最後の砦、幕末の奇景といっていい。
その中心人物が近藤勇であり、土方歳三であり、沖田総司も入れた試衛館のメンバーでした。新選組のメンバーはそのほとんどが農民や元武士出身の浪人組織でしたが、実力は同時代最強。明治維新を10年遅らせたといわれるほど京の街で薩長土肥の革命勢力を切って切って斬りまくりました。
この組織を作ったのが岡田准一演じる土方歳三でした。
彼は数々の謀略を用いて、自分の親友・近藤勇を局長へと担ぎ上げ、自身は副長に収まり、組を実効支配します。さらに隊制度を確立し、戦うときは鎖帷子・鉢がねを常備させ3人1チームで戦うようにしました。(この辺りは格好含め忠臣蔵にならったとされています)
さらに組のスパイ部隊(監察)は土方が牛耳っていました。局長・近藤に歯向かうものがいれば調査し貶め、切腹を強要する。隊を割って分離するものがあれば、スパイを潜入させ機をみて討つ。
彼の手は誰よりも血に染まっていましたが、
その心に曇りはなかった。
ひたすら血なまぐさい映画ですが、「青春」のせつなさが胸に迫るのはそのためでしょう。
【キャスト】
岡田准一、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、伊藤英明 ほか
【スタッフ】
監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎『燃えよ剣』
撮影:柴主高秀
音楽:土屋玲子
編集:原田遊人
製作:市川南、佐野真之
配給:東宝、アスミック・エース
(C)2021「燃えよ剣」製作委員会
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※本記事は、2022年9月にアップされた記事を編集して再掲載しております
『ヘルドッグス』公開記念!組織を描く達人、名匠「原田眞人」映画の世界!
https://moviemarbie.com/konya_nanimiru/konyananimiru-395/























