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映画『愚か者の身分』公開記念舞台挨拶レポート!北村匠海、林裕太、綾野剛、山下美月、永田監督が映画の舞台・歌舞伎町に凱旋!北村「この映画でここに立つ意味がある」

10月25日、東京・TOHOシネマズ 新宿で映画『愚か者の身分』の公開記念舞台挨拶が行われ、北村匠海、林裕太、綾野剛、山下美月、永田琴監督が登壇した。

北村は、映画を見終わったばかりの観客を前に「どうでしょうか、ズ~ンっとしてらっしゃいますか?」と気遣いながら、「この映画で僕らが見てきた景色っていうのは、今までの自分の俳優人生の中でも初めての経験もあったりとか、すごく感謝の多い旅だったなという気がしています。これからはこの映画は見てくれたみなさんのものなので、皆さんの人生が少しでもこの映画を観て変わると良いななんて思います。」と挨拶した。

舞台挨拶が行われた東京・TOHOシネマズ新宿のある歌舞伎町で撮影を行った本作。北村は「この映画でここに立つ意味があると思います。まさに僕は歌舞伎町でこの映画をオールアップしたんですが、街行く人が飲みに行ったりとか、ベロベロでお店から出てくるみたいな中で、スタッフに囲まれながら『お疲れ様です!』って言われたんですけど、こんな場所でそんな大声を出すのは本当にやめてほしかった(笑)」と振り返り会場を笑わせた。

林は歌舞伎町での撮影を振り返り、「一緒に缶蹴りしたのを思い出して。あんな本気で歌舞伎町で缶蹴りするとは思ってもいなかったので、そんな日々が映像となって皆さんにようやく届けられる。寂しいような気もするし、嬉しい感じもする」と感慨深げに話す。北村は「リアルに歌舞伎町に来ている方々は、僕らが缶蹴りしていても気にも留めないんですよ!あるのかな?こういう風景って思いました。すごく楽しかったです。」と振り返った。

さらに林は、「匠海くん、缶蹴りが強いんです。サッカーみたいな。全然抜けなくて全部取られる」と明かすと、「僕、サッカーでディフェンダーだったので。小学生の時、右サイドバックだったので」と真顔で話し笑いを誘った。さらに「申し訳ないんですけど、缶蹴りってどういうルールだっけ?」と綾野の問いにに、北村は「無秩序です。本来は隠れて・・・」とさらに笑いを誘った。

山下は、歌舞伎町での撮影を振り返り、「歌舞伎町の巨大モニター前で撮ってて、エキストラさんと一緒に大久保公園でリハやったんですよ。あそこはあそこで独特の空気があって。で、早朝の歌舞伎町での撮影もあって、ちょっとピリッとする感じというか……。私、東京出身なんですけど、あの時間帯の歌舞伎町ってなかなか行かないから、“あ、これがリアルなんだ”って実感しました。」と感想を述べた。

この⽇は、上映後ということで、キャスト陣がイチオシのシーンや推しのキャラクターを発表した。綾野は、梶谷とタクヤがサービスエリアに立ち寄る場面を挙げ、「このシーンが唯⼀の“プラマイゼロ”の時間というか、ある意味で⼀番平易な時間だった気がしています」「歌舞伎町でいま⾃分たちに起きていることのギャップと近いシーンだと思います。タクヤというキャラクターが⼀番浮き彫りになるシーンでもあり、⼀番ヤバい状態にあるにもかかわらず、誰よりも気を遣って⽣きていて、彼みたいな⼈が抱きしめられないといけないと思ったし、キャストたちの“⼤⼈代表”として、丁寧に紡がなきゃいけないという思いがありました」」と説明。北村も「ロードムービーの温度が立ち上がる大事な時間」とうなずいた。

北村の“イチオシ”は、冒頭でタクヤがシャツを川に投げ込む場面。「この時間は、マモルとの“凪”だった。シャツを探すため川に入っていくマモルが可愛くて、橋からそれを見ているのも好きでした」と述べた。

山下は、タクヤとマモルが手作りのアジの煮付けを食べる場面を挙げた。「全編のヒリつきの中でふっと温度が変わる。『幸せって何だろう?』と考え直した」とコメント。北村は役作りで魚の下処理を練習し、今もアジやキンメダイを自分でさばいているという。永田監督は「すごく器⽤ですぐにできるんですよ。おにぎりも上手に握るんです。」と褒め称えた。さらに山下は「これ見てアジの煮付けを食べたくなったので、大戸屋とか行こうかなと思いました(笑)」と話し会場の笑いを誘った。

最後、林のイチオシシーンを尋ねると、「剛さんの汗です!」と回答。会場がざわつく中、林は「実は剛さんは、お芝居で⾃⼒で汗をかけるんです。しかも(シーンによって)汗の質も変えられるという…。ある状態のタクヤを⾒て梶⾕が汗をかくシーンでは、ヌメッとした緊張感のある汗で、⾞で逃げるシーンでは、⼈間を取り戻した爽やかな汗をかいていると聞いて、そこまで操れる役者がこの世にいるんだ︕ と思いました。改めて梶谷の汗を見返したいです。」と感嘆していた。

そんな綾野は、舞台挨拶中に汗だくになり、上着を脱ぐ場面も。それを見た北村は「筋肉量がすごいから、すっごい汗をかくんですよ!」とコメントし、綾野は「増量期間でどうしても汗をかいてしまう。体調が悪いわけではないので安心してください(笑)」と恥ずかしそうに苦笑していた。

また、それぞれの推しキャラに関しては、綾野と⼭下は、⽊南晴夏が演じた梶⾕の恋⼈・由⾐夏を挙げる。綾野は「⽊南さんの役者⼒もありますが、この作品の中で(由⾐夏だけが)全然⽑⾊の違う空気をまとっていても、作品に馴染んでるというキャラクターの掴み⽅も含め本当に素敵だし、ちょっと抜けているところもある。(電話の)声だけで映っている⼈の⼈間⼒を後押ししてくれました」と絶賛した。 ⼭下も「私が演じた希沙良と似ているようで真逆のキャラクター。希沙良はまだ闇を⾒始めた途中で、頑張って⽣きている⼥の⼦だけど、由⾐夏はいろんなことを経験して、酸いも⽢いも⾒てきたからこその器の⼤きさがあって、⼥性として憧れます」と語る。

北村は推しキャラについて「僕はマモルです」と即答。「マモルが良くて良くて…。裕太だからこそ描けたマモル像だなと思います。この映画の最後のマモルの表情に僕は救われました」とマモルへの深い愛を吐露した。

そして、最後に林が推しキャラを発表する場面になり、会場にいる全員が、北村演じるタクヤだと思う中、林が挙げたのはなんと犯罪集団の幹部・ジョージ︕ まさかの回答に会場は笑いに包まれるが、林は「悪役が好きで・・・。ここまで悪に徹したキャラってなかなかいないですし、こんなに⾦⻭が似合う⼈います(笑)︖」と熱弁。北村は「ご本人はめちゃくちゃ優しいんですけどね(笑)」とフォローしていた。

舞台挨拶の最後に、登壇陣を代表してマイクを握った北村は「僕と剛さんの中で、この映画はやはりマモルのものであり、林裕太のものであるということは、ずっと話してきました。映画の中で『⽣きる』ことを(マモルに)授けていったように、僕らも役者として⾔語化できないことを授けながら、最後は全てを裕太に任せました。本当に彼がマモルで良かったし、このキャストでこの映画を作れたことをとても嬉しく思います。そんな、出会いに感謝する映画でした。そして、永⽥監督のセンスや監督としての素晴らしさが⾒つかる映画でもあるんじゃないかなと思います。釜⼭映画祭の俳優賞をもらったときに、僕ら 3 ⼈が表彰されるということは『これは監督が表彰されてるのと同じです』というお話をさせていただきました。いろんな景⾊をこの映画で僕も⾒させていただきましたが、さらにこの映画をたくさんの⽅に⾒てほしいです。特に現代を⽣きる若い⼈たちに、映画に込められたメッセージを⾒てほしいと思います。ずっとみなさんの⼼にある映画になるといいなと思います。」とメッセージを送り、会場は割れんばかりの拍⼿に包まれながらイベントは終了した。

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『愚か者の身分』
2025年10月24日(金) 全国公開

【ストーリー】
SNSで女性を装い、言葉巧みに身寄りのない男性たち相手に個人情報を引き出し、戸籍売買を日々行うタクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)。彼らは劣悪な環境で育ち、気が付けば闇バイトを行う組織の手先になっていた。闇ビジネスに手を染めているとはいえ、時にはバカ騒ぎもする二人は、ごく普通の若者であり、いつも一緒だった。タクヤは、闇ビジネスの世界に入るきっかけとなった兄貴的存在の梶谷(綾野剛)の手を借り、マモルと共にこの世界から抜け出そうとするが──。

【キャスト】
北村匠海、林裕太、山下美月、矢本悠馬、木南晴夏、綾野 剛

【スタッフ】
プロデューサー:森井輝
監督:永田琴
脚本:向井康介
原作:西尾 潤「愚か者の身分」(徳間文庫)
製作:映画「愚か者の身分」製作委員会
製作幹事:THE SEVEN
配給:THE SEVEN、ショウゲート
(C)2025映画「愚か者の身分」製作委員会 
公式サイト:orokamono-movie.jp
オフィシャルX:@orokamono_1024 #映画愚か者の身分