MOVIE MARBIE

11月21日（金）から11月30日（日）まで開催される第26回東京フィルメックス（TOKYO FILMeX 2025）のオープニングおよびクロージング作品が発表された。オープニングを飾るのはツァイ・シャンジュン監督の『太陽は我らの上に』（The Sun Rises on Us All）、クロージングはフオ・モン監督の『大地に生きる』（Living the Land）。いずれも国際映画祭で高い評価を受けた注目作だ。

『太陽は我らの上に』は、ツァイ監督にとって2011年の『人山人海』、2017年の『氷の下』に続く長編第4作。かつて恋人だった男女が病院で偶然再会し、再び複雑に絡み合う運命をたどる。メイユン役のシン・ジーレイが本作で第81回ヴェネツィア国際映画祭最優秀女優賞を受賞しており、愛と贖罪をテーマにした濃密な人間ドラマとして話題を集めている。

◎オープニング作品『太陽は我らの上に』

一方、クロージングを飾る『大地に生きる』は、1990年代初頭の中国農村を舞台に、急速な社会変化の中で成長する10歳の少年を描く。フオ・モン監督がベルリン国際映画祭で銀熊賞（監督賞）を受賞した作品で、静謐な映像美と観察的な視点で、世代を超えた継承と変化を見つめている。

◎クロージング作品『大地に生きる』

また、今年も本祭に先駆けてプレイベントが開催される。11月14日（金）から18日（火）にかけて、ヒューマントラストシネマ有楽町で行われる「香港ニューウェーブの先駆者たち：M+ Restored セレクション」では、香港の美術館M+が修復した3本の作品を特集。トン・シューシュン監督『董夫人』（1968）、ピーター・ユン監督『ザ・システム』（1979）、パトリック・タム監督『愛殺』（1981）といった、香港ニューウェーブの原点となる重要作が4Kレストア版で上映される。

そのほか、若手映画人の国際育成プログラム「Talents Tokyo 2025」も同時期に開催予定。東京都、アーツカウンシル東京、ベルリナーレ・タレンツなどとの提携により、アジア各国の新進クリエイターが交流と研修を重ねる。

映画祭のチケットは11月6日（木）12:00よりLivePocketおよびヒューマントラストシネマ有楽町で発売開始。新たに29歳以下を対象とした「U-30割」が導入されるなど、次世代の観客層への開かれた取り組みも行われる。

「第26回東京フィルメックス」

開催期間：2025年11月21日（金）〜11月30日（日）

会場：有楽町朝日ホール、ヒューマントラストシネマ有楽町

主催：特定非営利活動法人東京フィルメックス

公式サイト：https://filmex.jp