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映画『8番出口』公開記念!“異変”が日常を侵食する──あなたを不条理に迷い込む4作品!

地下通路を歩くだけのゲームが、なぜ世界を熱狂させたのか。

インディー作品『8番出口』は、プレイヤーを閉じ込めるのではなく、「日常の中に潜む異変」を見せつけることで心を震わせた。歩いているのは何の変哲もない地下通路。だがポスターの向きが違う、電灯の点滅が変わった、階段の段数が増えている──。ごくわずかな違和感の積み重ねが恐怖を呼び、出口に辿り着いたと思えばまた同じ景色に戻される。実況文化と相性の良い仕組みから一気に拡散し、世界的ヒットとなったのも頷ける話だ。

そして今、その体験はついに映画へと拡張された。監督・脚本に川村元気、主演に二宮和也、小松菜奈らを迎え、カンヌ国際映画祭でプレミア上映も果たした映画版『8番出口』は、単なるゲームの実写化にとどまらない。スクリーンの前に座る観客自身が、異変の渦に巻き込まれるような感覚を味わうことになる。

今回はその公開を記念し、“異変”“不条理”“悪夢”をキーワードに4本の映画を紹介する。いずれも『8番出口』と同じく「世界が少しずつ狂っていく」恐怖を描いた作品だ。

 

終わりなき空間が理性を削る
『CUBE』(1997/日本リメイク2021)

無数に連なる立方体の部屋に突如閉じ込められた人々。誰が、なぜ、どのような目的でこの構造物を作ったのか一切不明のまま、彼らは出口を探し続ける。しかし進んでも進んでも現れるのは同じような部屋ばかりで、その一部には容赦なく命を奪う罠が仕掛けられている。やがて生存者たちは体力や理性を摩耗し、外敵よりも内側の疑心暗鬼に呑み込まれていく。

『CUBE』の恐怖は、怪物や幽霊ではなく、“出口のない空間”という設定自体にある。合理的な説明が剥がれ落ち、ただ不条理そのものが支配する状況は、まさに『8番出口』の地下通路と同質だ。歩き続けること自体が絶望を生む──そんな体験を映画として初めて形にした一作であり、今日まで語り継がれる所以だろう。

監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
出演:モーリス・ディーン・ウィント、ニコール・デ・ボア、デヴィッド・ヒューレット
配信:U-NEXT、Amazonプライムなどでレンタル可

夢と現実の境界が崩れる
『インセプション』(2010)

他人の夢に潜入し、アイデアを盗む“インセプション”の技術。ドム・コブ率いるチームは、多重の夢の中へと潜り込み、現実と夢の境界を自在に操ろうとする。だが階層を重ねるごとに境界は溶け、観客ですら「自分がいま見ているのは現実なのか?」と疑わされる。

ノーラン監督の緻密な構成と圧倒的映像表現は、観客に悪夢的な浮遊感を与える。夢の中で死ねばさらに下層に落ち、抜け道を探すほど迷宮は複雑化していく。この“出口を求めるほど出口が遠のく”感覚は、『8番出口』の地下道で味わう恐怖そのものだ。最後に回り続けるコマのカットは、観客に永遠の“不確実”を突きつけ、スクリーンの外まで悪夢を引きずる。

監督:クリストファー・ノーラン
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エリオット・ペイジ、渡辺謙
配信:Netflix、Amazonプライム、Apple TVなどでレンタル可

虚構が現実を侵食する
『マウス・オブ・マッドネス』(1994)

行方不明となった人気ホラー作家サター・ケインを追う調査員が辿り着いた小さな町。その場所で起こる出来事は、すべて作家の小説に書かれていた通りだった。現実が虚構に浸食され、調査員は理性を保てなくなっていく。

ジョン・カーペンター監督が描くのは、異変が累積し世界全体が狂気へと塗りつぶされる恐怖だ。観客もまた物語の囚人にされ、現実の安全圏にいながら映画の中の悪夢に取り込まれていく。
『8番出口』もまた、小さな異変が連鎖し、気づけば日常全体が壊れている体験を与える作品だ。虚構が現実を食い荒らす恐怖を味わうなら、このカルト的名作は欠かせない。

監督:ジョン・カーペンター
出演:サム・ニール、ジュリー・カーメン、ユルゲン・プロホノフ
配信:U-NEXT、Amazonプライムなどでレンタル可

世界の“異変”に気づいたモブ
『フリー・ガイ』(2021)

ガイはオンラインゲームの世界に生きる、ただのモブキャラクター。銀行員として毎日を繰り返し、強盗に襲われても“そういう役割”として振る舞ってきた。だがある日、彼は偶然にもプログラム外のアイテムを手にし、世界の異変に気づいてしまう。自分が自由に動ける存在だと理解したガイは、決められた筋書きを超えて行動を始める。そこから描かれるのは、ゲームの枠を超えて“生きる意味”を探す物語だ。

『フリー・ガイ』は明るくユーモラスに描かれているが、構造自体は『8番出口』と似ている。“当たり前に繰り返される日常”が、実は作られた世界であり、そこに気づいた瞬間に現実が不穏に見えてくる。その感覚はポップに処理されつつも、異変がもたらす根源的な動揺を鮮やかに映し出している。

監督:ショーン・レヴィ
出演:ライアン・レイノルズ、ジョディ・カマー、タイカ・ワイティティ
配信:Disney+(定額)、Amazonプライムなどでレンタル可

 

そして映画『8番出口』へ

小さな違和感が積み重なることで、日常が異常に変貌する。その恐怖を体験として確立したゲーム『8番出口』は、国境を越えて人々の心をとらえた。実況で笑いながら恐怖を味わい、SNSで議論が広がり、インディー作品から一気に世界的現象となった。そして2025年夏、映画としてスクリーンに現れる。監督・脚本は川村元気、主演は二宮和也。小松菜奈、河内大和らも共演し、カンヌ国際映画祭でワールドプレミアを飾った。配給は東宝。IMAX上映も決定している。この映画はただのゲームの実写化ではない。観客自身の知覚を揺さぶり、“何かがおかしい”という感覚に身を置かせる体験型の映像作品だ。今回紹介した4本を観てから劇場に向かえば、『8番出口』の恐怖はさらに鮮烈に迫ってくるはずだ。

映画『8番出口』
2025年8月29日(金)全国ロードショー

【ストーリー】
異変を見逃さないこと。
異変を見つけたら、すぐに引き返すこと。
異変が見つからなかったら、引き返さないこと。
8番出口から、外に出ること。

監督: 川村元気
脚本: 平瀬謙太朗、川村元気
原作:KOTAKE CREATE「8番出口」
キャスト:二宮和也、河内大和、浅沼成、花瀬琴音、小松菜奈
配給: 東宝
音楽: Yasutaka Nakata (CAPSULE)、網守将平
© 2025 映画 「8番出口」製作委員会
公式サイト: https://exit8-movie.toho.co.jp/