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【レコメン広場】映画『バレリーナ』公開記念!「俺たちのジョン・ウィック」 特別編:共感シアター準軍事顧問の映画メモ『ジョン・ウィック パラベラム』

「俺たちのジョン・ウィック」ではこれまで、ファンの熱い声をお届けしてきましたが、今回は特別編。シリーズ第3作『ジョン・ウィック:パラベラム』の銃火器を徹底的に掘り下げる、共感シアター準軍事顧問によるマニアックな映画メモをご紹介します。本作はスピンオフ映画『バレリーナ』とも密接に関わる重要作。ジョンの手にした銃やアクションのディテールに目を凝らせば、作品世界への没入感もひと味違うはずです!

 

@movie_touchさんの投稿
共感シアター準軍事顧問の映画メモ「ジョン・ウィック パラベラム」

世界中のガンアクションの歴史を変えたジョン・ウィックシリーズ最新作「バレリーナ THE WORLD OF JOHN WICK」が遂に日本でも公開される。シリーズ3作目にあたる「ジョン・ウィック パラベラム」と関係が深いので、今回は共感シアター準軍事顧問(※といっても共感シアタースタッフではなくただのガンマニアな視聴者である)による「ジョン・ウィック パラベラム」の銃火器関連の小ネタをご紹介。是非鑑賞時のお供にして欲しい。

アンティーク武器博物館にはヴィッカース機関銃やフリントロック式ピストル、M3A1グリースガンなどクラシックな銃が並ぶ。ジョンが使おうとしたリボルバーはレミントンM1875。西部開拓時代に誕生したリボルバーのひとつで、見た目はコルトM1851に似ているが、コルトS.A.A.(シングルアクションアーミー)のように蓋を開けて弾を1発ずつ装填または排莢を行う。レミントンM1875は3タイプあり、45コルト、44レミントン、.44-40WCF(ウィンチェスターセンターファイア)をそれぞれ使用する。ジョンがすかさず棚から手に取ったのは.44-40。棚にあった他の弾は.38スペシャルや.45ACP(オートコルトピストル)でありM1875に対応していない。M1875をガラスケースから取り、すぐ.44-40を棚から選ぶあたり、ジョンの銃火器知識の高さがわかる。

棚にあった.44-40弾を手に取り、M1875のシリンダーに入れようとするが、シリンダーが.44-40に対応していないのか弾が入らない。また、博物館などで展示する銃は撃てないように加工されているため、他の銃から発砲可能なパーツを取って組み合わせ、無理矢理撃てるように改造したのだ。続・夕陽のガンマンのイーライ・ウォラック演じるテュコが銃砲店でリボルバーを組み立てるシーンのオマージュである。

使ったパーツは別のレミントンM1875の.44-40に対応したシリンダー、コルトM1851ネイビーの塞がれていないバレル、コルト1860アーミーのファイアリングピンが付いたハンマー。構造が似ている銃同士だからこそ出来た技である。

因みに劇中の1860アーミーはデニックスというメーカーの鑑賞用レプリカを改造した物らしい。フレームのダイヤモンド型のマークが証拠。

■レミントンM1875レプリカ銃のレビュー
https://youtu.be/eP9knGpzMw4?si=YEBNglt7D9elVyEu

ソフィアを演じたハル・ベリーは銃を撃つのは初めてだったため、3ガンマッチチャンピオンでTTIのトレーナーでもあるジェイド・ストラックから6ヶ月間徹底的に射撃のトレーニングを受けた。

ジョンがハル・ベリー演じるソフィアと一緒に次から次へと襲いかかる敵を倒しながら鋳造所から脱出するシーンで、ジョンが拳銃を何発か撃っている最中、突然拳銃から弾が出なくなり、ジョンは瞬時に拳銃のスライドを引いて新しい弾を装填し、何事も無かったかのように発砲を再開。

映像を何度も見返した結果、弾薬の撃発不良ではないかと思われるが、実はこのトラブル、演出ではなく本当に撮影中に銃が撃てなくなったそう。しかしキアヌは一瞬でトラブルに気づいて流れるように対処。本来であればNGだが、チャド・スタエルスキ監督曰く「リアルな描写なので敢えて残した」とのこと。銃を撃っている最中に起きたトラブルに反射的に対処する能力は簡単に身につくものではなく、この対処が出来たのもシリーズが続いてキアヌが長年トレーニングを積み上げ続けたからこそ。 

ソフィアがマガジンの裏面の穴(残弾カウンター)を見て残弾を確認したり、壁からの顔や銃の出し方など、プロの兵士や警官が銃撃戦で行う動きをしっかり取り入れているのがポイント。

ジョンと敵が同時にリロードを行うシーンは敵が空のマガジンを落としてから予備のマガジンを取り出すのに対して、ジョンは空のマガジンを落とすのと同時に予備のマガジンを取り出している。3ガンマッチのトレーニングの成果がしっかり現れている。

コンチネンタルに保管されている銃の中からジョンは真っ先に前作で使用したグロック34 コンバットマスターを手に取るが、通常の9mm×19mm弾よりも強力な9mmメジャー弾に相応しい2011(トゥエンティイレブン)コンバットマスターを使用することになったと考えられる。

2011コンバットマスターはTTIとSTI(現スタッカート社)が共同開発した射撃競技向けカスタムガン。全長23cmと92FやM1911より長く、DLCコーティング済みのバレルとカスタムタイプの角型ヘヴィスライドなどを備えており、9mmメジャー弾を撃ち続けるには最適。確実なグリッピングを可能にしたホットスタンプ加工済みグリップや素早く確実にマガジンを装填する大型のフレアマグウェルも備える。

ジョンが使用するTTI シグザウエル社製MPXカービンは、見た目や操作システムはM4やAR-15とそっくりだが、9mm×19mm弾などの拳銃弾を使用するピストルキャリバーカービン(PCC)。拳銃弾を使用する銃は法律上、ライフル並みの全長でも拳銃として扱われるため、近年アメリカでも人気が出ている銃のひとつである。TTIのカスタムモデルは民間用のセミオートオンリーのMPXにブロンズボルトキャリアグループやTTIグランドマスターグリップテクスチャーが施されたランサー16インチカーボンファイバーハンドガードなど射撃競技向けのカスタムを施した本体にトリジコンMROサイト(ドットサイト)、ストリームライトTLR-8ウェポンライト/レーザーモジュール(フラッシュライト/レーザーサイト)などのオプションパーツを搭載。装弾数30発のマガジンにはTTI製のベースパッドを装着してあり、通常より11発多い装弾数41発を誇る。これにダブルマガジンクリップを装着したマガジンを最初に装着して更に所持弾数をアップし、素早いリロードを実現している。

また、シグザウエルのトレーニング部門からエアガンも発売されている。

MPXはスリングベルトを取り付けてあり、途中で右肩から左肩に付けられるようにスリングベルトのロックを外すシーンがある。ロックを外すことで利き腕と反対側の腕に切り替えることが出来るからだ。銃のグリップを握る腕を左右で切り替えることをスイッチ、スイッチングといい、CQBテクニックの基本のひとつである。こういったスリングベルトの使い分けもポイントのひとつ。

9mmメジャーは9ミリ口径の弾頭の中に樹脂を詰めて重くしており、一般的な9ミリ口径の弾丸の重さ約110グレインに比べて重さは124~125グレイン。中の樹脂が弾頭が潰れる際に加わるエネルギーで四方に散らばり、より高いストッピングパワーと人体へのダメージを与えることが出来る。ダムダム弾やミニエー弾に近い効果が得られる。シューティングマッチでは歴戦のチャンピオン達が競技に使っている。

個人的イチオシなベネリM2 TTIカスタムは射撃競技向けのカスタムショットガン。各パーツがカスタム仕様で更に調整が施され、グリップとフォアエンドにスティップリング加工、予備のシェルを保持しエジェクションポートから直接次弾を装填出来るマッチセーバーなど射撃競技に特化したカスタムになっている。

クアッドロードを確実に行えるようシェルキャリア周りが独自の形状に大幅にカットされている。前作で使用したベネリM4はこの加工がされていないためクアッドロードは難しい。

ショットガンは多種多様な弾を使用可能だが、マガジンチューブに弾を込める方式の都合上、装弾数の少なさと1発ずつ弾を装填しなければならない点は大きな弱点である(チャプター2でも苦戦するポイントだった)。ウィークハンド・クアッドロードは利き手と反対の手で4発のシェルを一度に持ち素早く装填するテクニックで、これにより多くの弾を素早く撃つことが出来る。またグリップを握っているので、万が一リロード中に敵に襲われても射撃を行い対応出来るのがウィークハンド・クアッドロードの利点でもある。

■タラン・バトラーらによるウィークハンド・クアッドロードのティーチング動画はこちら。
https://youtu.be/265o1AdkYjk?si=QFx5g2hLwSkBANLU

本来ベネリM2 TTIカスタムはマガジンチューブを銃身より長く延長しているが、今回は対人戦闘を意識してかマガジンチューブは銃身と同じ長さになっている。ベネリM2自体、銃身が長いためCQBウェポンとしては使いづらいが、それを見据えてピストルに素早くスイッチするジョンの動きにも注目。

ベネリM2 TTIカスタムはチャプター2の撮影前のトレーニングでも使用されており本編でも使用予定だったが、ベネリM2が採用している反動利用式(イナーシャシステム)の動作方式が撮影用のブランク(空砲)だと相性が悪く上手く動作しなかったために加工が撮影に間に合わず、チャプター2本編では代わりにガス動作式(ガスオペレーテッド) を採用しているTTIカスタムのベネリM4が使われた。チャプター3では時間があった分ベネリM2をブランク仕様にすることができ、念願の登場となった。

因みに現在TTIではベネリM4のカスタムはあまり承っていない。

■空砲についての参考動画
https://youtu.be/iP8XNAkv0jE?si=SB-VXJCehFlv43Wg

ジョンが使用した2011コンバットマスター、MPX、ベネリM2は民間人も所有することが可能(ただしカリフォルニア州など一部例外あり)。これもジョン・ウィックシリーズの人気を加速させた理由のひとつだろう。

最新作の「バレリーナ~」ではグロック43Xなどの新しい銃も登場するとのことで、どんな銃が活躍するか、今から待ち遠しい。

■アナ・デ・アルマスの銃火器トレーニングのショート動画
https://youtu.be/p3dqg5DPcCQ?si=p91CWqtt1JZx7S52

 

『バレリーナ:The World of John Wick』
8月22日(金) 復讐は伝播する

【ストーリー】
孤児を集めて暗殺者とバレリーナを養成するロシア系犯罪組織:ルスカ・ロマ。裏社会に轟く伝説の殺し屋:ジョン・ウィックを生み出した組織で殺しのテクニックを磨いたイヴは、幼い頃に殺された父親の復讐に立ち上がる。しかし、裏社会の掟を破った彼女の前に、あの伝説の殺し屋が現れる…

監督:レン・ワイズマン『ダイ・ハード4.0』 製作:チャド・スタエルスキ『ジョン・ウィック』シリーズ
出演:アナ・デ・アルマス、ノーマン・リーダス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、キアヌ・リーブス ほか
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
2025/アメリカ/原題:From the World of John Wick: Ballerina
®, TM & © 2025 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

公式HP:Ballerina-jwmovie.jp
X:@ballerina_jw
instagram:ballerina_jw