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竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、田中麗奈ら豪華キャストが登壇!映画『雪風 YUKIKAZE』完成報告&完成披露上映会イベント開催!

8月15日に全国公開される映画『雪風 YUKIKAZE』の完成を記念して、7月9日、都内にて2つのイベントが連続開催された。午前には完成報告イベントが、夜には完成披露上映会舞台挨拶が行われ、主演の竹野内豊をはじめとする主要キャストが登壇。戦争を描くことの意味、演じた人物への思い、そして“幸運艦”と呼ばれた「雪風」の物語について、熱い想いを語った。

■完成報告イベント(銀座 esports studio)
竹野内はまず、脚本を読んだときの印象として「艦長として、艦そのものだけでなく、多くの乗員や彼らの家族を背負っている。その重責を想像することは容易ではなかった」と明かす。だが実際に現場に入ってみると、「キャストの皆さんが真摯に役と向き合っていた。その姿に自然と艦長としての責任感を引き出していただいた」と語り、現場の結束が自分の演技を支えてくれたと振り返った。

玉木はこれまでにも戦争映画に出演してきたが、「先任伍長は、現場をまとめる立場として、艦全体の構造や士気を知り尽くしている存在。これまで演じてきた軍人とはまた違ったリアリティがあった」と語った。演技にあたっては、艦内の空気感や実際の艦員たちの振る舞いに近づくよう、細部に意識を集中したという。

一方、本作が初の戦争映画出演となった奥平は、「学生時代に学んだ戦争の知識とは比べ物にならないほどの情報や感情に触れ、知らないことだらけだったと痛感しました」と率直に語った。特に、自身の演じる井上が、観客の目線に最も近い“若い乗員”であることを踏まえ、「当時の人々の思いや暮らしを、今の若い世代にどう届けられるかを考えながら演じた」と話す。さらに奥平は、本作でナレーションも務めている。最初は「僕でいいのかな」と戸惑いもあったそうだが、「井上として読むことで、過去と未来をつなぐ視点を持つことができた」と語り、俳優としてだけでなく“語り部”としての役割にも真摯に向き合ったことをうかがわせた。

現場では、俳優同士の距離感が自然と縮まり、役柄以上の関係性が築かれていたという。特に印象的なシーンとして奥平が挙げたのは、艦の点検をしながら早瀬と初めて本音で語り合う場面。「言葉にするのが難しいような不思議な絆があった」と振り返ると、玉木も「井上の変化がはっきりと見える場面。奥平くんの真っ直ぐな姿勢がそのまま乗員としての説得力につながった」と称えた。

また、水雷員の仲間たちとの撮影では、芸人のサディスファクション・渋谷による“百連発一発芸”が炸裂したことも明かされ、船員たちの和やかな空気がリアルにスクリーンにも反映されていることを感じさせた。

撮影前に横須賀基地で護衛艦「やまぎり」を見学したという竹野内は、模擬戦闘で耳にした号令のイントネーションを参考にしたと話し、「艦長としての指揮や発声には、戦中からの伝統や文脈が残っていて、それを少しでも演技に活かしたかった」と語った。

完成した映画を観た奥平は、「水雷員が羊羹を食べるシーンがとても印象に残った。彼らの人間らしさが垣間見えて、観ている人の心に残る場面だと思う」と語った。玉木は「寺澤艦長との会話で『普通がいいな』というセリフがあるが、“普通の幸せ”の尊さを改めて感じさせてくれる映画だと思った」と話す。竹野内もまた、「当時の人々の精神性の高さに深く心を打たれた。“誰かのために生きた証”は、どれほど時が経っても人の心を動かすことができると実感した」と語った。

さらに「“幸運艦”と呼ばれた雪風がなぜ生き残ったのか。その理由を考えたとき、船員一人ひとりの強い精神力こそがその答えなのではないかと感じた。“助け舟”という言葉を今まで何気なく使っていたけれど、その意味の重みを考えさせられた」と語りかけ、イベントの最後には3人がそれぞれの言葉で観客に向けてメッセージを送った。

奥平は「僕自身、この映画を通して知ることができたことがたくさんある。同世代の若い人たちにも、そういう“知る機会”になってほしい」と呼びかけ、玉木は「たった80年前の出来事。想像の中で終わらせず、今をどう生きるかという視点につながってほしい」と語った。竹野内は「本当に戦争の恐ろしさを知ることはできない。でも、映画を通じてその心情を体感できたら、きっと未来にも残ると思う」と静かに語り、完成報告イベントは締めくくられた。

■完成披露上映会(TOHOシネマズ日比谷)
TOHOシネマズ日比谷で行われた完成披露上映会には、主演の竹野内豊、玉木宏、奥平大兼をはじめ、田中麗奈、藤本隆宏、三浦誠己、山内圭哉、川口貴弘、中林大樹、田中美央といった豪華キャストが勢揃い。さらに、脚本の長谷川康夫、監督の山田敏久も登壇し、戦争の記憶を今に伝える本作に込めた思いを語った。

舞台挨拶では、戦時下における人々の想いや日常を描いた本作のテーマに触れながら、撮影の舞台裏や役作り、共演者との交流が次々に語られた。

竹野内は、駆逐艦「雪風」の艦長・寺澤一利という役の重みに言及。「自国を守るため、最前線に出ていく艦長としての責任感は計り知れず、どんなに考えても最後まで答えが出なかった」と語りながらも、「現場では皆さんが一致団結していて、その姿に自然と艦長としての気持ちを引き出していただいた」と振り返った。玉木もまた、「現場をまとめる側の人間として、艦のすべてを知る男・早瀬を演じるにあたっては、熱量をもって撮影に臨んだ」と役への向き合い方を語り、撮影前から現場に“雪風”の空気ができていたことを感じさせた。

水雷員・井上役の奥平は、「観る人の目線に一番近い存在として、素直に心が動くことを大事にした」と話し、特に玉木との艦内シーンでは「人間として対話している心地よさがあった」と印象深く語った。玉木もこれに応じ、「井上の心の変化が見えるシーン。奥平くんのまっすぐな人柄と重なって、とても魅力的な存在感になっていた」と語り、両者の信頼関係もうかがえた。

印象的だったのは、現場の“空気”についての証言。水雷員のキャストに芸人のサディスファクション・渋谷が参加していたことで、休憩時間には一発芸大会のような賑やかさがあったという。奥平は「その雰囲気がそのまま作品の中の人間関係にも出ていた」と語り、当時の若者たちの“普通の時間”が自然に表現できたと語った。

また、戦火を遠くから見つめる家族側の立場から本作に参加した田中麗奈は、艦長の妻・志津を演じるうえで「久しぶりに帰ってきた夫に対して、いつもと変わらぬ穏やかな時間を過ごしてほしいと願う気持ちを込めた」と語る。撮影では竹野内の穏やかな佇まいに支えられ、「自然と緊張がほぐれた」と語った。

そのほかのキャスト陣からも、撮影現場での緊張感や細部へのこだわりが次々と語られた。砲術長を演じた藤本隆宏は、「声を張りすぎて枯れてしまったが、“テーッ”という号令を竹野内さんに褒めてもらえて嬉しかった」と話し、現場での本気度が垣間見えた。

また、航海長役の三浦誠己は、「現場の緊張感を絶やさないよう意識していた」と語りつつも、竹野内との信頼関係に支えられていたことを明かす。水雷長役の山内圭哉は、実際に海上自衛隊員から「艦長によって艦の空気が変わる」と聞いたことを参考に、撮影現場での変化を肌で感じ取っていたという。

中林大樹は「手紙を読む時間や食事の時間など、極限状態の中での“人間らしい”時間が大切だと思った」と語り、役柄に込めた実感を言葉にした。中井貴一と共演した田中美央は、「圧倒されたが、テイクを重ねるなかで、温かさや清々しさが生まれていった。空気を引き出してくださったのは中井さん」と振り返り、現場の深みを感じさせた。

舞台挨拶の最後には、監督の山田敏久が「初監督として、ワンカットずつ心を込めて撮った。スタッフ・キャストの皆さんに助けられながらこの日を迎えられて感無量です」と語り、脚本家の長谷川康夫も「これは脚本だけではなく、全スタッフで作り上げた作品。皆さんの感想をドキドキしながら待っています」と、想いのこもった言葉で締めくくった。

そして竹野内は改めて「この映画を観たときに、決して歴史の一ページとして終わらせてはいけないと強く感じました。どんなに資料や証言に触れても、本当の戦争の恐ろしさを知ることはできない。ただ、映画を通して当時の人々の心情を一緒に体感してもらえたら、それが未来につながると信じています」と語り、深く静かな拍手に包まれながらイベントの幕が下りた。

『雪風 YUKIKAZE』
2025年8月15日(金)全国公開

【ストーリー】
真珠湾奇襲攻撃による日米開戦以降、ミッドウェイ、ガダルカナル、ソロモン、マリアナと、すべての苛烈な戦いを生き抜き、どの戦場でも海に投げだされた多くの仲間たちを救い、必ず共に日本に還って来た一隻の駆逐艦があった。その名を「雪風」。いつしか海軍ではこの艦を”幸運艦”と呼ぶようになる。それは沈着冷静な艦長の卓越した操艦技術と、下士官・兵を束ね、彼らから信頼される先任伍長の迅速な判断によるものだった。時にぶつかりながらも、互いに信頼し合っていく二人。そして「雪風」は、ついに日米海軍が雌雄を決するレイテ沖海戦へと向かうことになる⋯。

出演:竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一 ほか
監督:山田敏久
脚本:長谷川康夫
音楽:岩代太郎
主題歌:「手紙」Uru(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/バンダイナムコフィルムワークス
© 2025 Yukikaze Partners.

公式サイト:yukikaze-movie.jp
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