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【第37回東京国際映画祭】『ゴジラ 4Kデジタルリマスター版』山崎貴監督「僕らが作るゴジラは反核、反戦というテーマを大事にしなきゃいけない」トークショーでゴジラ映画への想いを語る

第37回東京国際映画祭にて、日本が世界に誇る1954年公開の特撮映画『ゴジラ』の4Kデジタルリマスター版が公開され、それを記念してのトークショーがTOHOシネマズ日比谷で開催された。トークショーには初代ゴジラの造形助手としてスーツ制作に参加していた鈴木儀雄氏と、アカデミー賞視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が参加した。

トークショーが開催されたのは2024年11月3日で、ゴジラ生誕70周年という節目の日。今日は日比谷ではゴジラ・フェス2024が開催されており、日比谷はまさにゴジラ一色。さらに、先日には山崎貴監督が再び監督を務めるゴジラ映画の新作製作が発表された。生誕70年を迎えてなお、ゴジラ熱は盛り上がり続けている。

1954年に公開された『ゴジラ』は、まさに日本特撮作品の始まりとも言える記念碑的な作品。山崎監督は初めて『ゴジラ』を見た時のことを聞かれると「怖かったですねぇ。作品はモノクロだったのもそうだし、ウルトラマンも助けに来てくれないじゃないですか。怪獣がひたすら街を壊して、人間は成す術がない。怖かったですね」と振り返った。

鈴木氏は『ゴジラ』の制作時には造型助手として参加していた。当時は怪獣映画のための着ぐるみなど誰も作ったことが無い様な時代だったが、その時のことを聞かれると「最初はスーツが重くて、スーツアクターさんに怒られた。中島春雄さんが入るんだけど、『こんな物を作っても芝居できない』って。でも偉い人には言えないから、下っ端の俺を捕まえて殴られた」と当時の思い出を暴露して会場の笑いを誘うと、思わずMCの笠井も「昔の話ですからね!」と思わずフォローする事態も。

その後改良されたスーツで撮影が進められたとのことだが、鈴木氏は「たくさんのライトを浴びるから、スーツの足元に汗の水が溜まる程だった。それを見せられて『こういうスーツを君たちは作った』って」と語り、再びゴジラのスーツアクターに怒られた思い出を語り、再び会場の笑いを誘った。

『ゴジラ』の中でも有名な和光ビルを破壊するシーンについて、実は一回で撮れずにやり直しになったという逸話について聞かれると鈴木氏は「そういうシーンは実はたくさんある。セットを作る人も大変だった。壊れるように作る。ゴジラが足で踏むと壊れるようにしたり、火薬を入れたり、色んな仕掛けを入れる。だから失敗すると大変。失敗するとやり直すけど、フィルムも高いからお金が掛かった」と当時の苦労を振り返った。そうした苦労の末に完成した作品を観た時は「感動した」と語った。

ちなみに『ゴジラ』の撮影当時、同じ東宝のスタジオでは黒澤明監督が『七人の侍』を撮影していたとのことで「黒澤明さんは撮影所の大通りを、スタッフを10人ぐらい引き連れて歩いていた。円谷さんは裏通りを歩いていた。当時は有名ではない、ただの技術者でしたから」と、当時の撮影所にいた人ならではの思い出も語った。

山崎監督は昨年公開された『ゴジラ-1.0』が世界的に大ヒットを記録し、日本映画としては初めてアメリカのアカデミー賞で視覚効果賞を受賞している。『ゴジラ-1.0』を作るにあたっての1954年『ゴジラ』の影響について山崎監督は「かなりインスパイアされた。電車とか中継している人が死んじゃうとか。包帯姿の典子の片目が見えない感じとか」と、その影響の大きさを語り、さらに「あとで気付いたんですけど、ワダツミ作戦でゴジラが海の中で泡が出るところはオキシジェンデストロイアですねって指摘されて、『そういう風にしていいですか』って。初代ゴジラの好きなところはいっぱい使わせて頂いています」と振り返った。

先述の通り、山崎監督は再び新作ゴジラ映画で監督を務めることが決まっている。ゴジラを作るにあたって守らなければいけないことについて聞かれると「僕らが作るものは初代作品が伝えている反核、反戦というテーマを大事にしなきゃいけない。色んなタイプのゴジラ映画があっていいけど、自分の中では初代作品が持っているものを大事にしたい」とその想いを語った。

イベントの終わりには当時『ゴジラ』の製作に携わったスタッフたちが登壇。さらには樋口真嗣氏も登壇して、全員で記念撮影をしてイベントは幕を閉じた。

 

<第37回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net

<TIFFCOM2024 開催概要>
■開催期間:2024年 10 月30日(水)~11月1日(金)
■公式サイト:www.tiffcom.jp