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第37回東京国際映画祭のガラ・セレクションに出品されている映画『サンセット・サンライズ』のワールドプレミアが東京・TOHOシネマズ日比谷で開催され、主演の菅田将暉、監督の岸善幸が上映後のQ&Aに登壇した。

本作は楡周平の同名小説を、宮藤官九郎が脚本を担当し、『正欲』『あゝ、荒野』の岸善幸監督と菅田将暉がタッグを組み映画化。都会から移住した釣り好きサラリーマン西尾晋作と、宮城県・南三陸で生きる住民との交流や、人々の力強さや温かさをユーモラス描き、その背景にあるコロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながら豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディ。

須田は3作目となる岸作品への出演に関して「岸組は過去2本お世話になっているのですが、2本ともR-指定が付いていて過激な描写や濡れ場もあったんですけど…。こんなハッピーで明るい映画を岸さんが撮るんだというサプライズがありました」とコメント。「前回の『あゝ、荒野』が終わったあとに『次は笑える作品を是非やりたいです』というお話はさせていただいて。岸監督の人間・生活力がそのままエンタテイメントになっているのは残してほしいし、そういう映画にも出たいけど、どうなるのかなと思っていたら、宮藤官九郎さんのエッセンスによって、僕が見たことがない映画になりそうだなとワクワクしました」と振り返った。

劇中で多くの食事シーンが登場する本作、観客からの質問で「メシ映画要素」について聞かれると、岸監督は「自分の映画は食事のシーンが多いんですが、今回はロケハンに行って、菅田さんが晋作として食べる料理は全部食べました。せっかく食べるのなら地元ならではのものがいいなと思い、自分が食べて本当に美味しかった料理を、工藤さんに相談して脚本を変えてもらいました」と登場する料理について裏話を披露。菅田も「本当に美味しくて、撮影中7キロ太ったんですよ。本当に食べ過ぎるくらいで。」と告白。中でも美味しかったものについて、「印象に残っているのは『ハーモニカ』というメカジキのお肉を焼いて煮た料理で、僕いまだにネットで注文して食べてます。通販できるので調べて欲しいです（笑）あと『もうかの星』という、サメの心臓を刺身でごま油で食べるやつ。これは鮮度が命なので町内でしか食べられない。現場で誰かが食べて、あまりにもおいしくて1週間後には脚本に反映されてました」と明かした。

「原作小説から変わったところ」について聞かれると、岸監督は「原作に忠実でない所もけっこうあります。楡さんもご了解のもとで、工藤さんが色々と面白く映画のために脚色した部分がありますが、歌や音楽のシーンは映画のために作った設定です」と映画ならではの要素を解説。さらに劇中に登場する絵はすべて菅田が描いていることを明かした。

また本作は、東日本大震災やコロナ禍など大きな社会問題を扱いながらもユーモラスに描かれている。その点について聞かれると菅田は、「コロナというベースがあって、震災があって、でも悲しさだけじゃなくて笑えるシーンもあって。やはり覚悟がいる映画ではありますね」と語る。「バカにするのではなく、ちゃんとリスペクトを持って、みんなが体験したことと、体験していないけど知っていることの2つをテーマに、映画を通してどうコミュニケーションしていくかをずっと気にしてました。1番気をつけていたのは、地方に移住して、三陸で人生を謳歌する晋作を演じたんですが、東京ヘイトにはならないようにしました。東京がただつまらなくて、地方で自由にすることが正義だという映画にはならないよう、ずっと気を付けていました。」と答えていた。

『サンセット・サンライズ』
2025年1月17日（金）全国公開

【ストーリー】
新型コロナウイルスのパンデミックで世界中がロックダウンに追い込まれた2020年。リモートワークを機に、東京の大企業に勤める釣り好きの晋作（菅田将暉）は、4LDK・家賃6万円の神物件に一目惚れ。何より海が近く、大好きな釣りが楽しめる三陸の町で、気楽な“お試し移住”をスタート。仕事の合間には海へ通って釣り三昧の日々を過ごすが、東京から来た「よそ者」の晋作に、町の人たちは気が気でない。一癖も二癖もある地元民の距離感ゼロの交流に戸惑いながらも、持ち前のポジティブな性格と行動力で、いつしか溶け込んでいく晋作。しかし、その先にはまさかの人生が待っていた——!?

主演: 菅田将暉
脚本: 宮藤官九郎
監督: 岸善幸（『あゝ、荒野』）
原作: 楡周平「サンセット・サンライズ」（講談社）＊文庫版は10月16日刊行予定

製作: 石井紹良、神山健一郎、山田邦雄、竹澤浩、角田真敏、渡邊万由美、小林敏之、渡辺章仁
企画・プロデュース: 佐藤順子
エグゼクティブプロデューサー: 中村優子、杉田浩光
プロデューサー: 富田朋子
共同プロデューサー: 谷戸豊

撮影: 今村圭佑
照明: 平山達弥
録音: 原川慎平
音響効果: 大塚智子
キャスティング: 田端利江、山下葉子
美術: 露木恵美子
装飾: 松尾文子、福岡淳太郎
スタイリスト: 伊賀大介
衣装: 田口慧
ヘアメイク: 新井はるか
助監督: 山田卓司
制作担当: 宮森隆介、田中智明
編集: 岡下慶仁
ラインプロデューサー: 塚村悦郎

製作幹事: murmur
制作プロダクション: テレビマンユニオン
配給: ワーナー・ブラザース映画
©楡周平／講談社 ©2024「サンセット・サンライズ」製作委員会

公式サイト：sunsetsunrise-movie.jp
公式X：@sunsunmovie2025
公式ハッシュタグ： #映画サンセットサンライズ