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宣伝担当が語る「プペル 続編」宣伝予習と復習

続編は前作を越える宿命を背負っている

こないだ「えんとつ町のプペル」の原作者である西野亮廣さんとお話する機会がありました。西野さんと飲みながらお話する「スナック西野」というとっても贅沢な企画。

「えんとつ町のプペルの続編」が制作進行中ということで、前作を振り返りながら、続編への期待と不安などが話題の中心。

「えんとつ町のプペル」が公開したのが2020年12月25日、コロナ禍での公開であったけど、興行収入27億円を突破する素晴らしい成績でした。
この時は初めての座組みだったのと、どう立ち回ったら良いかも手探りな状態だったので、終始緊張感がマックスだったのを今でも思い出します。

プペル続編制作の話は時々耳にしていたけど、まだまだ先だろうと思っていたら、どうやら制作は順調に進んでいるとのこと。「どんな感じですかー?」と西野さんにお聞きしたところ、脚本にはかなり手応えがあるようで、脚本読むのがとっても楽しみになりました!
「楽しみ!」
といいつつも、実際はもうちょっと複雑な気持ちで、仕事が始まる時はいつも怖くて、不安しかないというのがリアルな本音。
過去に続編映画を何本か宣伝した経験から、続編宣伝の難しさも知っているし、気持ちと気合いを入れて今から準備してきたいなと思います。

続編はどんな企画であれ、「前作を越える宿命を持って生まれてくる」もの。

まずは、前作超えのために過去のシリーズ作品を分類してみると、作品により3つの興行収入パターンがあることがわかりました。

1、前作の8掛けパターン
2、V字回復パターン
3、うなぎのぼりパターン
 

の3つ。

1の8掛けパターンは、前作の続きのお話で、前作を見ていることを前提とした作品。どれだけの人が前作を見たのか?がキーになるが、当然「熱は冷める」ので、前作からどれだけの期間で公開しているのか?もポイント。だいたい前作の80%の興行収入になり、前作を越えることはあまりない。
特徴:タイトルに数字が入るパターンや前編・後編と表記することが多い

2のV字回復パターンは、1のパターンの延長線上にあって、「前作を超えない」続編の定義を打ち破るパターンで、「シリーズ完結」を声高らかに宣言することで、過去鑑賞者をしっかりと集客し有終の美を飾っている。
特徴:「ファイナルゲーム」「最終章」などの言葉がタイトルに入っている

3のうなぎのぼりパターンは、そもそもシリーズ前提で作られておらず、前作が大ヒットしたことで続編が企画されて、作られたパターン。大ヒットしたことを受けて進んでいるので、費用面でも内容面でも思い切ったチャレンジができるのが特徴。前作の続きではなく、前作を越える仕掛けが見どころ。何よりヒットしている限り作り続けられるのが最大のメリット。
特徴:タイトルに数字は入らず、どの作品からでも見れるハードルの低さがある。

では、プペルはどのパターンになるのか?絵本の内容は前作「えんとつ町のプペル」で描き切っているので、この中だと3のうなぎのぼりパターンに分類されるのかな?

でも、「えんとつ町のプペル」はこの分類に収まらないなーって思ってます。

プペルには、普遍的なテーマが描かれていて、映画ファンからファミリーまで幅広い方に見ていただけた。さらには、なんども劇場に足を運んでいただけた熱量の高いリピーターのお客様がかなりいたのが最大の特徴だったからだ。
さらには、絵本と映画だけではなく、ミュージカル、舞台から祭りまでさまざまな仕掛けが年中仕掛けられていて、どんどんプペルワールドが拡大しているのだ。そして、原作者でもある西野さん自身が仕掛け人でもあり発信者でもある。こんなプロジェクト世界中探してもどこにもないのだ。

この状況を考えると、過去作品のパターンに当てはめようとしても、どこにもハマるはずもなく、改めて<プペルらしいロケットブーストパターン>を生み出したいと強く思うのでした。

ただ、前作が大ヒットし、それに続く作品ではあるのですが、初心を忘れずにいたいなって改めて思ってます。

というのも、夜も更け帰り際に西野さんが見せてくれたのは、
<ボールペン1本で絵を描き始めた初期の1枚の絵>でした。
そこから始まった情熱が、今アニメーション映画になっているのかと改めて気付かされたのである。

「どれだけの不安を乗り越えて、自分を信じ続けて来たんだろう」

これは大ヒットしたアニメの続編なんかじゃない、一人の覚悟と情熱から始まった物語で、プペル続編完成で終わりではなく、まだまだ途中の1ページにすぎないんだ。って気付かされたのでした。
この気持ちを大切に、みなさまに届く宣伝をしていきたいなってキリっとした夜となりました。

 

映画 えんとつ町のプペル』宣伝担当

 

KITT RADIO#21「続編映画の当て方は?」

 


映画 えんとつ町のプペル』(2020)
製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣
監督:廣田裕介
声の出演: 窪田正孝、芦田愛菜、立川志の輔、小池栄子、藤森慎吾 他
配給:東宝=吉本興業
©西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会