「河村光庸は、テレビ局の方を大きく描きたかった」スターサンズ 長井P登壇!『ミッシング』トークイベントレポート
河村氏企画の新たな問題作
『ミッシング』特別試写会を実施
スターサンズ 長井龍プロデューサーが登壇!
今回ムービーマービーでは、都内某所にて映画『ミッシング』をひと足先に鑑賞することができる特別試写会を開催。映画を鑑賞する前に、ゲストとして本作のプロデューサーである、スターサンズの長井龍さんを招いてトークイベントを実施した。
本作は、2022年の出産後、1年9ヶ月ぶりの芝居に臨んだ石原さとみが主演を務め、 『空白』(21)、『愛しのアイリーン』(18)、 『ヒメアノ~ル』(16)の吉田恵輔がオリジナル脚本でメガホンをとった最新作で、5月17日(金)に公開予定の作品だ。
本作は、『新聞記者』『ヤクザと家族 The Family』など数々の話題作を生み出してきた、今は亡きスターサンズの河村光庸氏が企画の作品である。企画の発端については「スターサンズで制作した、吉田監督の前作『空白』(2021)の撮影が終わった後に、吉田さんが『空白』の姉妹編みたいなものを作りたいと言って書いたのが『ミッシング』でした」と説明。河村氏が本作に込めた思いは「この作品は行方不明になってしまった娘の母親と家族の物語と、その家族を取材する地方のローカルテレビ局、という二つのブロックで大きく構成されているんですが、河村はマスコミや権力に興味がある人だったので、テレビ局の方をできるだけ大きく描けないかというのが本人の思いとしてはありましたね」と明かした。また、長井さん自身が吉田監督の脚本を読んだ際の感想について聞かれると「吉田監督は脚本“から”面白いんです!脚本の時点で面白いし、泣ける!というのが監督のすごいところで、映画監督で脚本をここまでうまくかける人って、実は少なかったりするんです。そのうえ、吉田監督はオリジナル作品をこれまで10本も作っているところが本当にすごい!」と大絶賛!さらに、「『空白』では娘を亡くしてしまった父親がどう心の折り合いのつけるのか、ということを描いているのに対して、今作では、子供が行方不明になった母親がどこに心を持っていくのか、ということが描かれており、『空白』のさらにその先をいっているようで面白いなと思いました」と脚本段階で既に感じられた作品のポテンシャルについて語った。
スターサンズはこれまで『愛しのアイリーン』『空白』と、今作を含めると吉田監督の作品を3作品も手掛けている。吉田監督作品の魅力については「“喜劇”と“悲劇”といいますか、面白いところとその裏腹に悲しさがある、笑ってたはずなのに泣けてくる、みたいな。そんな風に感情を遊ばれてる感じがするところです」と熱くコメントした。
長井さんがプロデューサーを務めた『月』(2023)をはじめ、スターサンズがこれまで現代社会に切り込んだ作品を世に送り届け続けることのできる理由については「河村光庸の存在もありますが、本作で主演を務めた石原さとみさんしかり、作品に向かって覚悟を持って演じてくれる俳優陣の存在が一番大きいのではないかと思っています。俳優の覚悟が、監督をはじめほかのキャストやスタッフにも伝わり、作品をより高みにあげるのではないかと、僭越ながら思います」と、日本のA24と呼ばれるほど、今スターサンズが大注目されている理由について分析した。
続いて、撮影時に印象的だった出来事については「今回は結構オーディションを行いました。吉田監督とも相談しながら、3,000通の応募者の中から実際に160人と会い、端役やエキストラまで全員しっかりキャスティングしたのがこだわりのポイントです。なので、画面の隅々までぜひ楽しみにしてください!」と制作の裏話について明かしてくれた。次に、吉田監督組の撮影現場ならではのことについては「吉田組は基本的に同じメンバーでやっている組なので、もう阿吽の呼吸ができるところもあり、撮影スピードがとにかく速いです!大体夕方には撮影が終わるので、その後はみんなで飲みに行くみたいな(笑)」と、プロデューサーとして助けられた部分があったことを話した。最後にこれまで既に何度か実施されている一般試写会の反響について聞かれると「人によって泣いたり、笑ったりするポイントが異なるところが、この作品の魅力の一つだなと思っています。みなさんがどこでグッとくるのか、ぜひ鑑賞後に会話したいです」とコメントし、トークイベントは終了した。
映画『ミッシング』は5月17日(金)全国公開!
『ミッシング』
5月17日(金)全国公開
【ストーリー】
とある街で起きた幼女の失踪事件。あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。そんな中、娘の失踪時、沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。その先にある、光に———
【キャスト】
石原さとみ、青木崇高、森優作、有田麗未、小野花梨、小松和重、細川岳、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純、 中村倫也
【スタッフ】
監督・脚本:吉田恵輔
音楽:世武裕子
企画:河村光庸
プロデューサー:大瀧亮、長井龍、古賀奏一郎
撮影:志田貴之
製作幹事:WOWOW
企画:スターサンズ
制作プロダクション:SS工房
配給:ワーナー・ブラザース映画
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公式HP:missing-movie.jp
公式X:@kokoromissing
公式Instagram:@kokoromissing #ミッシング
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