明るい気持ちになれる!“生きる原動力”になるコメディ映画20選/#20 この世は遊び場!『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)
映画・ドラマライターの伊藤万弥乃です。全20回に渡って「生きる原動力になるコメディ映画」をテーマに1本ずつ映画を紹介させていただきます!(※ネタバレを含みます)私がコメディ映画を観たいと思うのは、心が沈んでいるときや現実逃避をしたいとき。だからこそ、爆笑までしなくとも、観ている間だけでも楽しい気分にさせてくれる作品をテーマにピックアップしていこうと思います。
本連載は今回が最終回!最後にどんな作品をご紹介しようかと考えましたが、やはり第1回に紹介した『トゥルーマン・ショー』と同じ、ジム・キャリー主演の映画で締めたいと思いました。彼を見てコメディ映画の魅力に気が付いたようなもの。笑いだけでなく、学びを与えてくれるシーンも多いのです!
ジム・キャリー × ズーイー・デシャネル共演
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008年)
というわけで、今回は『イエスマン “YES”は人生のパスワード』をご紹介させていただきます。ジム・キャリーだからというだけでなく、個人的には“おすすめ映画リスト”などでもよく見るイメージがある本作。『トゥルーマン・ショー』や『ライアー ライアー』と同様に、ジム・キャリー自ら不思議な世界に入り込み、教訓を与えてくれます。
主人公は銀行の融資係で働くカール。失望されることを恐れて友人とも距離を置き、昇進も実現しない、変化のない日々を過ごしていました。近所のおばあさんに「朝食を食べに来ない?」と言われてもNO、パーティーに誘われてもNO、融資を頼みに来た人に対してもNOばかり。そんなある日、友人のニック(ジョン・マイケル・ヒギンズ)に「YESで人生が変わった」と言われたこと、孤独死をする夢を見たことをきっかけに、YESセミナーに参加することを決意します。
そして試しに今までNOと言っていたこと全てをYESにしてみると、まるで今までの人生が嘘だったかのように女性と運命的な出会いを果たし、仕事運も上がるように。しかし喜びもつかの間、なんでもYESにしてしまったことによる障害が発生し……。
■NOをYESに変えるだけで人生が激変!
ジム・キャリーの特徴は何といっても自由自在な顔面演技。本作は少し控えめではありますが、彼の存在自体もコメディ感を強くしており、全体的にポップな作品となっています。
また、ジム・キャリーが演じるカールは、友達に嘘をつきまくって会う約束をすっぽかすこともあるにも関わらず、それでも見捨てずに心配してくれる素敵な友達に囲まれています。NO時代のカールはそれに気が付かず、自分が傷つかないために人との関わりを避けていましたが、YESマンになることで友人のために喜ばせることをしたいという気持ちを持つようになります。
さらに刺激的な人生を謳歌するアリソン(ズーイー・デシャネル)に出会い、見える世界の幅も変わっていきます。韓国語教室に通ったり、ギターを習い始めたり、普段目に留まらなかったことに挑戦。大人になると、新たな興味を持つことすら億劫になりがちですが、前のめりにチャレンジしていくカールの姿はキラキラして見えました。普段変わりのない日々を送っている人たちにとって、このカールの姿勢と「この世は遊び場よ」というアリソンの言葉が心に沁みることでしょう。私も改めて本作を観て、アリソンの自由さと、それでいて怖さもあるという人間らしさが羨ましいと思いました。
そしてその新たな挑戦一つ一つが、思いもよらない瞬間に問題を解決してくれるということも教えてくれる本作。ぜひ無計画に飛行機に飛び乗って旅行をしてみましょう!知らなかった世界が広がっているかもしれません。
■最後に
昨年の7月から連載を開始、今回最終回を迎えました。ここまでお読みいただいたみなさん、ありがとうございました!
私の上手く生きる秘訣は、心が沈んだときや打ちのめされたときに、コメディ映画やシチュエーションコメディを観て、不安を吹っ飛ばすことです。今回は紹介できませんでしたが、王道の「フレンズ」はもちろん、「ママと恋に落ちるまで」「ビッグバン★セオリー」「ヤング・シェルドン」などコメディドラマもおすすめです。ご紹介した映画20作品とともに、ぜひご覧になってみてください!
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)
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【ストーリー】
銀行員のカールは3年前の離婚以来、すべての誘いや依頼に「NO」と言い続け、何もかもうまくいかない日々を送っていた。そんなある日、友人の勧めで自己啓発セミナーに参加した彼は、あらゆることに「YES」と答えるよう誓約させられてしまい…。
【キャスト】
ジム・キャリー、テレンス・スタンプ、ズーイー・デシャネル、ブラッドリー・クーパー ほか
【スタッフ】
監督:ペイトン・リード
脚本:ニコラス・ストーラー、ジャレッド・ポール、アンドリュー・モーゲル
原作:ダニー・ウォレス『Yes Man』
製作:ジム・キャリー、デヴィッド・ハイマン、リチャード・D・ザナック
製作総指揮:マーティー・ユーイング、ダナ・ゴールドバーグ、ブルース・バーマン
配給:ワーナー・ブラザース
伊藤万弥乃(いとうまやの)
海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。
大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。
シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。
執筆記事:https://linktr.ee/mayano
ブログ:https://ladybird99.com/
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