MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』ラインナップ会見イベント開催!総勢16名の監督たちが自らの作品をアピール!

TBSテレビやTBS系列の各局の記者やディレクターたちが、歴史的事件や今起きている出来事、市井の人々の日常を追い続け、記録し続け、熱い思いと共にドキュメンタリー映画として世の中に発信し続けるブランド「TBS DOCS」。テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続けるこれらの本気のドキュメンタリー作品に出会える場として、2021年より開催されてきた「TBSドキュメンタリー映画祭」が、東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌と、全国6都市で3月15日(金)より順次開催となる。

本日、映画祭の上映作品を手掛けた総勢16名の監督たちが集結するラインナップ・プレゼンテーション会見イベントが開催された。

本映画祭のエグゼクティブプロデューサーを務めるTBSコンテンツ戦略室の大久保竜は本映画祭について、「4年前にかなりスモールにスタートした映画祭でしたが、このような広がりを見せて大変感慨深い気持ちです。」と挨拶。さらに「ここにいる監督たちは、本業ではそれぞれの現場でエース級の人たちが集まっています。『どうしてもこれを作品にしたい!』という熱量が半端ではなく、企画の話を聞く前から物凄い圧で話してくれる監督ばかり。普段はテレビの放送コードでお行儀良く作品が出来ていますが、映画にした場合は、表現の幅が広がって取っ払われ、本当の意味で監督の心の声がドキュメンタリーに投影されていますので、是非とも注目して頂きたい。」と、今回上映される15作品に自信を見せた。

昨年に続き、今回も映画祭のアンバサダーを務めるLiLiCoは、ドキュメンタリー映画祭の魅力を聞かれると、「去年も観させて頂きましたが、人生観が変わります。どんなテーマの作品でも、自分と向き合う時間になるんです。“自分がこの人の友だちだったらどうしよう”、“自分がこの立場だったらどうしよう”、“もしかすると自分がそうなるかもしれない”、そういうことを考えさせてくれます。」と語る。「私は色々なところで人生相談を受けるんですが、この1年は去年の(映画祭の)作品を例題に挙げたぐらい、この映画祭で出会った作品は自分の中で生き続けています。今年のラインナップも普段考えないようなことを考えさせられる作品ばかりだし、さまざまな状況に置かれている人たちの姿を知ることが出来ます」と熱弁した。

続いて、このイベントのメインである上映作品15タイトルの紹介へ。今回の映画祭では、「ソーシャル・セレクション」、「ライフ・セレクション」、「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って15作品が選出されている。まずは、家族の形や身体的な障害など、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品を選んだ「ライフ・セレクション」から4作品を紹介。

2019年に特別養子縁組で迎えた新生児の娘を通して家族の在り方を見つめる『私の家族』久保田智子監督は、「ちょっと変わった家族のスタートだったので、家族の絆ってなんだろうとずっと意識していました。それがこの映画の主題になっています。映画の中では、娘に出自について話をしていく“真実告知”を一つのキーワードにしています。私たち家族の姿を通して、皆さんも家族を新鮮に見つめる機会になったら嬉しいです。」と語った。

 

1980年代に世間を騒がせた謎の集団「イエスの方舟」を追った『方舟にのって〜イエスの方舟45年目の真実〜』佐井大紀監督は、「約40年前に千石武義という男性が、家出した20歳ぐらいの女の子たちを連れて、聖書の勉強しながら全国を逃げ回った騒動がありました。その後も家出少女たちは自分たちで水商売をしながら生計を立て、45年くらい一緒に暮らしています。今はさまざまな家族の形がありますが、彼女たちの力強さや生き様を貫き通す姿を、ぜひ自分事として捉えて見ていただきたい」とコメント。

 

皮膚が魚の鱗のように硬くなり、剥がれ落ちていく難病「魚鱗癬(ぎょりんせん)」にかかった男性の人生を追った『魚鱗癬と生きる─遼くんが歩んだ28年─』大村由紀子監督は、「この映画は、福岡県の北九州市に住んでいる梅本遼さんを28歳になるまで、地元の放送局のRKBがずっと追いかけたという記録的なドキュメンタリーです。魚鱗癬という難病患者とその家族の思いが詰まっています。一人の男性が、進学や就職などの節目で、困難を乗り越えて成長する様子を描きました。観終わった後に温かい気持ちで心が溢れてくると思います」と語った。

あるトゥレット症のウーバーイーツ配達員との出会いから生まれた『劇場版 僕と時々もう1人の僕 ~トゥレット症と生きる~』柳瀬晴貴監督は、「自分自身も取材を始めるまでは、街で声を上げる人を、変な人だなと思ってしまっていましたが、本作の主人公と出会って彼らの見方が変わったので、この映画を自分と同じようにトゥレット症を知らない人にも届けられたらと思っています。トゥレット症患者は静かな場所がとても苦手で、その一つが映画館です。今回の上映の際は声出しOKにするので、トゥレット症患者の皆さん大歓迎の映画になってますので、多くの人に来ていただきたいです」とアピールした。

続いて、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える作品を選んだ「カルチャー・セレクション」5作品を紹介。

2022年10月に放送された「情熱大陸」のスピンオフ映画となる『映画 情熱大陸 土井善晴』沖倫太朗監督は、「取材したのは2022年の夏から秋、コロナ禍の最後の時期で、土井さんの「一汁一菜」という考え方が改めて注目されている時期でした。取材してく中で、土井さんの料理は“型にはまらない生活哲学”が込められていることが分かってきました。ご覧になって頂ければわかると思いますが、ぶっ飛んでいます。でも何か癒される、という映画になっている思います」と土井善晴さんの独特な魅力をアピールした。

世界的なロックバンドMR.BIGの最後の日本ツアーを追いかけた『最後のMR.BIG ~日本への愛と伝承〜』川西全監督は、「MR.BIGの日本に対する気持ちは、まぎれもない愛だと思いこのタイトルを付けました。阪神大震災、東日本大震災、いずれの時もMR.BIGは日本に来てチャリティーライブをしてくれたりしました。逆にバンドのメンバーがパーキンソン病になったときは日本のファンが支えたり、両者の愛が作品の核だと考えています。MR.BIGのファンだけでなく、初心者でもわかるよう、二兎を追ったつもりで作りました」と映画をアピールした。

HIPHOPシーンから突如姿を消した“伝説のラッパー”紅桜を追った『ダメな奴 ~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』嵯峨祥平監督は、「彼が覚せい剤の使用で4年間服役して、刑務所から出てくるところから密着させてもらいました。彼と接していると、可愛くて良い奴で好きになっちゃうんです。でも覚せい剤をやったことで、悪い人というレッテルが貼られてしまう。紅桜は、日本のスラム街のような所で育ったんですが、同じような環境で生きてきた子達に彼の音楽が刺さっている。彼の言葉が唯一の救いになるという意味で、愛情を持ってこの“ダメなやつ”というタイトルに付けさせてもらいました。ダメな奴賛歌になっていれば良いなと思っています。」と語った。

義足の人、見えない人、聞こえない人、車椅子の夫婦、ダンスが得意な人、7人のメンバーで構成される“Mi-Mi-Bi(みみび、未だ見たことのない美しさ)の活動に密着した『旅する身体 ~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』渡辺匠監督は、「僕にはもうすぐ4歳になる長男がいるんですが、低酸素脳症で生まれたので、身体をうまく支えられないんです。すごくそれで悩んでる時に、このMi-Mi-Biに出会ってハッとさせられました。自分の息子が手を必死に上げてる姿とか、首を上げている姿を見て、これが彼の個性、独自性なんだと思い希望を持つことができました。この作品を通して前向きな気持ちを与えられたらと思います。」、志子田勇監督は「この作品は、他者の身体感覚を通して、こんな風に世界が見えるのか、こんな風に感じているのか、といった違いを知り、もう一つ世界が広がるような感覚を発見するドキュメンタリーです。バリアフリー版もあるので、どなたでもご覧いただけます。」とコメント。

名古屋を拠点に活動する2023年デビューしたボーイズグループに密着した『カラフルダイヤモンド ~君と僕のドリーム~』津村有紀監督は、「彼らが仲間たちと一緒に一生懸命歌って踊って笑って悩んで泣いて、それでも前進する姿は、慌ただしい毎日を過ごしている私たちが何か忘れがちな大切な物を思い出させてくれる気がします。青春がいっぱい詰まったこの映画を観てくださった方が、少しでも今生きているこの瞬間ってとても宝物のように尊いんだなと、そんな風に感じていただけると嬉しいです。青春は永遠です!」と力強く語った。

 

最後は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品を選んだ「ソーシャル・セレクション」6作品を紹介。

2000年代に様々な形で坂本の活動に密着してきたTBS報道局の秘蔵映像で構成された『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』金富隆監督は、「TBS報道局は坂本さんと戦争をテーマにした様々な特別番組を作ってきました。その一部は、私自身が若い頃に担当したんですけれども、今回はその未公開映像まで調べ尽くして、坂本さんが戦争と平和についてどんな思いを持っていたのか、9.11、アフガン侵攻、イラク戦争と、危機感を強めていった戦争について何を言うか。坂本さんが亡くなった後、ガザ侵攻とかもっと酷いことがいっぱい世の中で起きていますが、この時代だからこそ改めて坂本さんの言葉を味わって頂けたらと思います。」とアピールした。

過激派組織イスラム国の“いま”を追いかけた『BORDER 戦場記者×イスラム国』須賀川 拓監督は、「もう忘れ去られてしまっているかのようにも感じますが、実はまだイスラム国の思想は生きています。このBORDERというタイトルをつけたのは、さまざまの戦争が今も世界中で起きていますけれども、だんだん忘れられてしまう。でも、そこには必ず刻み込まれた境界というものがあるんです。これからもそういった場所をずっと歩き続けて行きたいという思っています。」と意気込みを語った。

国土の約7割が森林に覆われる“森の国”日本で、森林が放置されさまざまなリスクが高まっている現状に警鐘を鳴らす『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』川上敬二郎監督は、「去年『サステナ・ファーム トキと1%』という映画を作りました。いろいろな反響があったんですが、その中の一つが「実は循環に課題があるのは農業だけでなく、林業にも課題があるんです。」と言われました。いま、森が放置され放っておかれ大変なことになっています。放置されている森を見守ってきた森人たちがいなくなっちゃっている。こういう根本的な問題を一緒に考えていただけたらと思います。」とコメントした。

大阪・西成で生活困窮者の方たちに居住支援を続ける坂本慎治さんの活動を追った『家さえあれば ~貧困と居住支援~』海老桂介監督は、「映画に出てくる登場人物の全員が家を失った人たちです。虐待、DV、借金、さまざまな事情がある方たちですが、2年くらい密着したんですが、日本大丈夫かなと鬱屈とした気持ちにもなりましたが、家さえあれば何とかなるという信念のもと、1人1人に寄り添う坂本さんの姿を見て日本も捨てたものじゃないと思わされました。映画を通して貧困というものが、すごく身近にあるものだということを感じてほしいなと思います。」と話した。

太平洋戦争直前、北海道旭川市で美術部の学生や教師ら20人以上が逮捕された「生活図画事件」を扱った『102歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~』長沢祐監督は、「この映画の主人公、菱谷良一さんは今102歳で、学生時代に書いた1枚の絵が治安維持法に違反しているというでっち上げを受けて、マイナス30度を超えるの冬の刑務所の独房に1年3カ月ほど投獄されていました。この歴史を繰り返してはいけないと、今も声を上げて訴えています。治安維持法に翻弄された一人のおじいちゃんが今の世の中をどう見ているのか、地元放送局として10年ほど負った作品になっています。」とコメントした。

無声映画の最高傑作と評される『イントレランス』からヒントを得て、現代日本の様々な“不寛容”を描いた『リリアンの揺りかご』神戸金史監督は、「私は障害を持つ子供の父親でもあります。相模原障害者施設殺傷事件で、障害者を殺傷した犯人と面会してみて、自分と相手の間に一線を引いて、線の向こう側の人々の尊厳を認めないという点が、どの不寛容にも共通しているように思うようになりました。」などと作品テーマについて語った。

各監督によるプレゼンテーションの後には、記者からの質疑応答に応える場面も。今回で4回目となる映画祭で、2回以上作品を出品している須賀川監督、佐井監督、川上監督、川西監督に「自分自身や作品の成長について」という質問が。

須賀川監督は「表現の幅が広がっているなと思います。テレビには無い映画独特の表現、映像のつなぎ方というのは少しずつバラエティーに富んできているのかなというふうには思います。特に今回作った『BORDER』という映画は、できるだけ若い人にも見てほしいなという思いもあって、編集方法を、本来は間をいっぱい使ったゆったりとした作りが好きなんですが、そうではない作り方でやってみたので、そういったところも感じて頂けたらと思います。」と回答。

川上監督は「松木さんという編集の方と今回もやらせて頂いたのですが、大体考えが合わないんですよね。僕はどうしても細かく言いたいんですけど、「そんなの伝わりませんよ、分かりませんよ」という風に言われながら渋々直していたというのが前回なんですが。今回も反対されながら修正してきたんですけど、どうせ反対されるだろうなと思いながらやれた心の余裕が少し出てきたなと思ってます。あんまり成長してないです(笑)」と会場の笑いを誘った。

佐井監督は「前の作品は割と概念的な話というか、何か1個の取材対象に対してググッと入っていくというよりも、街中に質問を投げ込むみたいな形の割と抽象的なイメージの作品でしたが、今回はイエスの方舟という明確な取材対象がいて、その人たちとの信頼関係の中で作っていく。それと同時にその宗教という主観的なテーマを主観的なメディアであるドキュメンタリーでやるという難しさもありました。それを一つの作品に一応の形で着地させたという意味においては、成長点っていうのもちょっと分かるんですけれども、今までと違うかなという風に思っています。」と回答した。

川西監督は「今回私は3回目になる訳ですが、まず1回目と比べると尺が伸びました。前は60分でしたが今回は80分になりました。取材対象は同じなんですけども、撮り溜め分が増えているので、それを表現しようとする時に映像が多くなったので余計なことを語らなくてよくなったかなというのがあります。要はナレーションが減ったと言うか。今回の作品も基本的にノーナレーションでやらせて頂きましたけれども、ありのままを見ていただいて、それが伝わればいいなと。そういうところを意識するようになったのが成長かは分かりませんが、手法の違いなのかなと感じています。」と答えた。

また、「東京だけではなく、全国のTBSローカル局も参加できる本映画祭の意義」について現場ではどう感じているかを聞かれた、MBS所属の海老監督は、「私は普段は大阪に根を張って記者活動をしているんですけれども、ローカルのドキュメンタリー番組がうちの局の場合は月に一回、「映像」シリーズという番組がございまして、ただその発信というのが関西に限られているという中で、この映画祭があることによって、若い記者、若いディレクターの目標になっているところがあるのかなと思います。こういう出し場があることにすごく意義があるんじゃないかなと、現場で感じてました。こういうチャンスを頂けたことは非常に光栄でうれしく思っています。」とコメントした。

さらに、イベントには映画祭の学生フェローが参加しており、代表者からは映画祭アンバサダーのLiLiCoに「もしLiLiCoさんがドキュメンタリー映画を監督するなら何を題材にしたいですか?」という質問が。LiLiCoは「私を題材にすると思います。実は8年くらい前に『情熱大陸』に自分から売り込んだんです。(オファーは)いまだに来ません・・・。」とコメントすると、担当の沖監督からは「すいません、前のプロデューサーの時の話なので引継ぎが出来てなかったです」と返しで会場を笑わせた。さらにLiLiCoは「タレントって表に出てる部分が2、裏で頑張っているのが8だと思うんです。楽しそうにやってていいよなってよく言われるますけど、映画を紹介するときとか、どういう風にそれを紹介するかとか、自分が作ってる訳ではないのですごく難しい。私じゃなくてもいいけど、頑張ってるタレントやアーティストの方を密着してみたいと思ってます」と質問に答えていた。

最後にLiLiCoは、「今年の作品たちは、バチバチと生きている音がします。これがとても大切です。素晴らしいドキュメンタリー作品を見て考える、そういう時間を人生の中で持つというのがとても大切なこと。ガンガンとこの映画祭を大きくしていきたいですし、ずっと続けていきたいなと思っています。来年もここに立てるように、今回も協力させて頂きたいと思ってますので、皆さんよろしくお願いします!」と映画祭をアピールしイベントは終了した。

 

<開催概要>
★東京= 会場:ヒューマントラストシネマ渋谷|日程:2024年3月15日(金)〜3月28日(木)
★大阪= 会場:シネ・リーブル梅田|日程:2024年3月22日(金)〜4月4日(木)
★名古屋= 会場:センチュリーシネマ|日程:2024年3月22日(金)〜4月4日(木)
★京都= 会場:アップリンク京都|日程:2024年3月22日(金)〜4月4日(木)
★福岡= 会場:キノシネマ天神|日程:2024年3月29日(金)〜4月11日(木)
★札幌= 会場:シアターキノ|日程: 3月30日(土)~4月11日(木)

■公式サイト:https://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/
■公式X:@TBSDOCS_eigasai
■コピーライト表記:@TBS

◆「TBSドキュメンタリー映画祭 新たなる挑戦」
大久保竜エグゼクティブ・プロデューサー×佐井大紀ドキュメンタリー監督
特別対談インタビュー映像配信中!