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”迷惑系YouTuberだと思われた(笑)”佐井監督が語る『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』トークイベントレポート

没後40周年、寺山修司が改めて問う“ニッポン”
観るものを圧倒する「むき出しのドキュメンタリー」が誕生。
『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』

ティーチイン付トークイベントレポート

1967年に放送され、放送直後から抗議が殺到し、閣議で問題視されたTBSドキュメンタリー史上、最大の問題作と呼ばれた作品が半世紀の時を経て現代に蘇る。『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』が2023年2月24日(金)より角川シネマ有楽町、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開となる。

公開に先駆けて行なったムービーマービー試写会では上映後に佐井大紀監督が登壇し、ティーチイン付きのトークイベントを開催した。

まず「日の丸」との出会いについて佐井監督は「2017年の入社した当時に今のテレビの形とは違う、いろんなテレビの形が昔はあったんだよということを学ぶ研修があったんですけど、本当に呪いのビデオみたいなものを観せられてですね…。」と答え会場からは笑いが。続けて「今なんでこういうことが出来ないんだろう?自分はなんで「日の丸」をみて嫌な気持ちになったんだろう?というのがずっと残っていて。ちょうどTBSドキュメンタリー映画祭というのが出来て、「日の丸」をもう1回、自分でやってみようかなと思いまして。」と『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』が出来るまでの経緯を語った。

 

劇中で行われた街頭インタビューについて問われると「ものすごく断られるんですよね、やっぱり。迷惑系YouTuberだと思われるので、お兄さん頭おかしいでしょ!って去っていく方が95%(笑)最後にTBSですって身分を明かすと、良かったー!ってみんな安心して態度が180度変わって(映像)使ってくださいって帰っていく方が多かったです。あと質問を覚えるのが大変でしたね、忘れちゃうんですよね(笑)」と撮影中の苦労を振り返った。

また、当時の「日の丸」と今作を比べてみていかがですか?という質問には「今と昔でおそらく大きく違うのは、カメラを向けられることへの認識。今は肖像権とかプライバシーとか、撮らないでくださいって跳ね返りが強かったんですが、昔はわりと向けられたら答えなきゃいけないと思うのか、素直にみんな答えてるんですよね。メディアの捉え方っていうのがかなり変わったんじゃないかな、と思います。」と回答した。

後半は観客からの質疑応答へ移行し、来場者から早速質問が。
「右翼とか左翼とかはっきりした意見をとると思ったら、あまりとらなかった。これは意図的なんですか?」と問われると監督は「イデオロギーの映画にしたくなかったので、それはやりたくないなと。街中にいるいろんな人に聞くことによって、大衆の中にある沈殿したものを浮かび上がらせていく。作っている過程ではそれがテーマということを理解しきれていなかったんですけど、体感的にそういうものにしたいな、と。」と回答し、続けて「考えを持ってる人だけを追いかけるんじゃなくて、考えを持っていない人にあたっていった時に考えを持っていないことが炙り出される、または沈殿していた自分ですら気づいていない考えが浮かび上がってくる、そこの面白さを優先したというか、そういうところはありましたね。」と作品への思いを語った。

続けて、監督と握手するために来ました!という来場者からは「次回作の『カリスマ』は今作を作っていく過程の中で撮らなければいけないという、何か核心めいたものが監督の中に生まれたのでしょうか?」と質問が飛び、「確かに『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』をやったことによって街中に出ていってインタビューをする、そこの空間が劇的な空間になるという、普段フィクションの世界で物を作っているので、現実とフィクションが交差する、寺山修司の言葉を借りると”ドキュラマ”(ドラマとドキュメンタリーの造語)という言い方をしているんですけど、ドキュラマ的なものに対する感度が高くなったんですよ。」と述べ、「日の丸的な発想をもう少し後の時期の寺山に寄せたというか、そこからイデオロギーを外したというか。国葬というイベントも行われ、徐々に『カリスマ』という企画になっていった、そういうような経緯はありました。」と次回作への意気込みも語り、ティーチイン付トークイベントは盛大な拍手で幕を閉じた。


次回作であるTBSドキュメンタリー映画祭2023『カリスマ〜国葬 拳銃 宗教〜』は3月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷で公開される。
詳しくはこちら:https://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/

【出演】
高木史子、村木眞寿美、金子怜史、安藤紘平、今野勉
語り:堀井美香、喜入友浩(TBSアナウンサー)

【スタッフ】
監督:佐井大紀
企画・エグゼクティブプロデューサー:大久保竜
チーフプロデューサー:松原由昌
プロデューサー:森嶋正也、樋江井彰敏、津村有紀
総合プロデューサー:秋山浩之、小池博
TBS DOCS事務局:富岡裕一
協力プロデューサー:石山成人、塩沢葉子
製作:TBSテレビ
配給:KADOKAWA
©TBSテレビ
公式サイト:hinomaru-movie.com

2月24日(金) 角川シネマ有楽町、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

 

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