【海外ニュース】ジェームズ・ガンより重大発表!DCの今後の作品ラインナップが明らかに!
ここのところ、DCの映像作品は複雑な状況にある。先日、DCフィルムズはDCスタジオとして生まれ変わり、新CEOにジェームズ・ガン監督と映画プロデューサーのピーター・サフランが就任したばかりだ。そのために体制が大きく変化し、従来のシリーズを打ち切るという発表があったり、今後新たに作られる作品に関して不明瞭な状態だったが、ガンがその点について説明する動画がDCのYouTubeアカウントにて投稿された。米Deadline掲載の情報で補足しながら、動画の内容をまとめてみよう。
まず、DCユニバース(以下DCU)でこれまで別々になっていた映画・ドラマ・ゲーム・アニメは本格的に統合される。ひとりのキャラクターはその俳優が一貫して演じ、俳優は複数のキャラクターを演じない。これで、アクアマン役のジェイソン・モモアが別のヒーロー、ロボを演じるという噂は否定された。また、サフランはジェイソン・モモアに加えフラッシュ役のエズラ・ミラー、ワンダーウーマン役のガル・ガドット、シャザム役のザッカリー・リーヴァイの4人に関しては、「どのキャラクター、どの俳優もDCUの一員でない理由はない」と述べている。ただし、「過去のキャラクターを取り入れることはあるが、ほとんどの場合は改めてキャスティングする」とも。実際、スーパーマン役のヘンリー・カヴィルの続投はない。
新体制となる前のDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)にも属していなかったロバート・パティンソンの『THE BATMAN -ザ・バットマン-』やホアキン・フェニックスの『ジョーカー』及びそれらの続編・関連作、アニメの『ティーン・タイタンズGO!』はやはり別軸で、「DCエルスワールド(DC Elseworlds)」と呼ばれるくくりになるようだ。つまり、『THE BATMAN』の続編『The Batman Part II(原題)』(2025年10月3日)』とヴィランのペンギンを主人公にしたスピンオフドラマ『The Penguin(原題)』、『ジョーカー』の続編『Joker: Folie a Deux(原題)』もDCエルスワールド作品扱い。DCUがメインで、それと直接関係のないものがDCエルスワールドと捉えると良いだろう。また、以前からJ・J・エイブラムスがプロデュースする黒人スーパーマン映画の企画もあり、これもその中に入るかもしれない。
直近のDCU新作は『シャザム! ~神々の怒り~』(2023年3月17日に日本公開)で、これは直接フラッシュの初単独映画『The Flash(原題)』(2023年6月16日に全米公開)に繋がる。『The Flash』にはDCUをリセットする役割があるらしく、そのまま新ヒーロー、ブルー・ビートルを描く『Blue Beetle(原題)』(2023年8月18日に全米公開)、『アクアマン』の続編『Aquaman and the Lost Kingdom(原題)』(2023年12月25日)へと続いていく。2023年の映画作品はこの4本だ。これらはDCEU時点で発表されていたもので、DCUに引き継がれた形だ。
そして、ここから先がまっさらなDCU作品となる。ガンらは今後8~10年を見据えた構想を立てており、そのチャプター1を「Gods and Monsters」と呼んでいる。年に映画とドラマを2作品ずつ出していく予定だ。以下に実写映画5本、ドラマ・アニメ5作品の計10作品を挙げていくが、これすらチャプター1の一部に過ぎないらしい。
1. TVアニメ『Creature Commandos(原題)』
ガンが全話の脚本を執筆し、キャラクターがアニメと実写を行き来する異色の作品。クリーチャー・コマンドーという、吸血鬼や狼男などの超人からなるチームの物語で、ガンが監督した『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のキャラクター、ウィーゼルも登場する。
2. TVシリーズ『Waller(原題)』
『ザ・スーサイド・スクワッド』、『ピースメーカー』などに登場したアマンダ・ウォラーを主人公にしたHBO Max配信のスピンオフドラマ。ウォラー役はヴィオラ・デイヴィスが引き続き演じる。
3. 映画『Superman: Legacy(原題)』 2025年7月11日公開
ガンが脚本を担当するスーパーマン映画で、本作がDCUの本格的な始まりとなるらしい。監督は未定だが、サフランはガンを希望しているようだ。オリジンストーリーではないが、クリプトン人として生まれ人間として育てられたスーパーマンがその間のバランスに悩むという内容。これまで同役を演じたヘンリー・カヴィルではなく、新たな俳優がキャスティングされる。
4. TVシリーズ『Lanterns(原題)』
宇宙警察機構グリーン・ランタンのハル・ジョーダンとジョン・スチュワートを主人公にしたHBO Max配信ドラマ。同じHBOのミステリードラマ『TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ』に近いテイストになるようだ。ライアン・レイノルズ主演の実写映画『グリーン・ランタン』とは(もちろん)関係ない。
5. 映画『The Authority(原題)』
まずは最も大規模な大作映画となる。ガンがかなり入れ込んでいる企画で、政府の言うことを聞かず問題解決のためには手段を選ばないスーパーヒーローチーム「ジ・オーソリティー」の物語。スーパーヒーローものとしてはかなり変わった味わいの作品のよう。
6. TVシリーズ『Paradise Lost(原題)』
ワンダーウーマンの故郷である「セミッシラ」ことパラダイス島を舞台にしたHBO Max配信ドラマ。同じHBOのドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のように政治的陰謀を描くシリーズで、ワンダーウーマンが生まれる前の物語となる。
7. 映画『The Brave and the Bold(原題)』
『THE BATMAN』とは無関係のバットマン映画。そのため、バットマン役はロバート・パティンソンとは別の俳優になると思われる。DCEUでバットマン役だったベン・アフレックの再起用もないようだ。バットマンことブルース・ウェインの息子ダミアン・ウェインが相棒ロビンとなるが、ブルースがダミアンの存在も、また幼くして暗殺者として育てられていることも知らない状態から始まる。
8. TVシリーズ『Booster Gold(原題)』
未来世界で負け犬の男がテクノロジーを利用して現代に戻り、スーパーヒーローのふりをするというプロットのHBO Max配信ドラマ。ガンによれば、主人公ブースター・ゴールドはインポスター症候群(周りからの高評価と自分自身に対する低評価の齟齬から、自分が周りを欺く詐欺師であるように感じてしまう精神状態)であるという。
9. 映画『Supergirl: Woman of Tomorrow(原題)』
スーパーマンと同じクリプトン人のスーパーガールを主人公にしたSF超大作。ただし、スーパーガールはスーパーマンとは違い、幼少期はクリプトン人に育てられ、恐ろしい方法で彼らが死んだり殺されたりするのを見たという壮絶な過去を背負っている。
10. 映画『Swanp Thing(原題)』
人間が植物と同化した怪物スワンプシングのオリジンを描く。他のDCU作品を比べても異色なダークなホラーとなるが、確かに他作品とも関係している。
以上が現時点で判明しているDCU作品の全てだ。ガンとサフランによれば、これらは“ガンバース(ジェームズ・ガン・ユニバース)”ではないのでガンのカラーが統一して反映されるわけではなく、それぞれのフィルムメーカーの作家性を尊重し作品ごとにトーンが全く異なってくるという。しかし、それらは確かに将来融合していくようなので、大きな見どころと言えるだろう。とりあえず、今年は前々から予定されていた映画たちを見ることができる。ガンらには、それらの作品の当初の意図とはおそらく違うものの、今後のDCU作品に自然に繋がっているように見せられる自信があるのだろう。体制の大幅な変更によりDCの行く末を心配していた筆者のような人も多いだろうが、この発表で一気に期待が膨らんだのではないだろうか。
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