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【海外ニュース】配信作品のはずが劇場公開に!?スティーブン・キング原作『The Boogeyman(原題)』の予告編が解禁!

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

ディズニー映画の『ムーラン』のように、コロナ禍で劇場公開の予定が変更されネット配信となってしまった作品はいくつかある。しかし、米The Hollywood Reporterが伝えているところによると、逆に配信の予定だったのに試写の評判が良いので劇場公開に踏み切る作品も生まれているようだ。例えば、当初はパラマウントのビデオ・オン・デマンド(VOD)サービス「Paramount+」で配信予定だったのに、試写で好評だったので公開してみたら大ヒットしたホラー『Smile(原題)』。そして、20世紀スタジオの新作ホラー『The Boogeyman』もそのような作品のひとつである。

本作は、スティーブン・キングが1978年に発表した初の短編集『深夜勤務』に収録された「子取り鬼(原題『The Boogeyman』)」の映画化だ。元はHulu配信の予定だったが、試写の反応を受けて20世紀スタジオの配給で劇場公開される運びとなった。監督は、ロックダウン中のイギリスを舞台にして、全編がWeb会議サービスZoomを使用中のPC画面上で展開する挑戦的なホラー『ズーム/見えない参加者』で知られるロブ・サベッジ。同作は、海外ではホラーに特化したサービス「Shudder(シャダー)」で独占配信されており、映画批評サイトのロッテントマトでは配信から2年半経った今でも批評家支持率が驚異の99%を維持している。その彼が手がけ、実際に試写でも好評だったと聞けば、どうしてもそのクオリティへの期待が高まる。

ストーリーは、母親の死を引きずるセイディとソーヤーの姉妹と、セラピストでありながら悲しみのため2人を十分にサポートできていない父親ウィルの家族を主人公に、家に住み着き苦しみをエサにする超自然的な存在がもたらす恐怖を描くというもの。原題のブギーマンとはあの『ハロウィン』シリーズのアイコン、マイケル・マイヤーズの別称でもあるが、元々は悪い子どもをさらっていくと言われる決まった形を持たない恐怖の象徴を指す。『ハリー・ポッター』シリーズに、その人が一番怖がるものに化けられる真似妖怪ボガートが出てくるが、名前の元になったケルトの妖精ボガートはブギーマンと同語源とも言われている。予告編ではソーヤーの部屋のクローゼットから何かが飛び出しベッドの下に入り込むが、一瞬だけ顔が映るこの不気味なモンスターがブギーマンなのだろう。

キャストは『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』のクリス・メッシーナや『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』で体の一部を機械に改造しているドラッシュを演じたソフィー・サッチャー、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』でポルカドットマンをえんじたデビッド・ダストマルチャンなど。脚本は『クワイエット・プレイス』シリーズのスコット・ベック&ブライアン・ウッズ、そして『ブラック・スワン』のマーク・ヘイマンが務める。草稿の段階では『マリグナント 狂暴な悪夢』のアケラ・クーパーも関わっていたようで、かなり盤石な布陣と言えるだろう。

本作は2023年6月2日に全米公開予定。日本では同月、アケラ・クーパー脚本、ジェームズ・ワンとジェイソン・ブラム製作の『M3GAN/ミーガン』が公開となる。同作は本国ではすでに公開され大ヒットを記録、さらに続編企画も進行中だ。コロナ禍の映画業界を救うのは、意外にもホラー映画なのかもしれない。

ソース:https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/stephen-kings-boogeyman-movie-release-date-2023-1235304742/