いよいよ明日!オスカーを手にするのは一体誰!?第94回アカデミー賞受賞予想!
いよいよ明日に迫った第94回アカデミー賞授賞式。コロナ禍になって二度目の授賞式。今年は誰がオスカーの栄誉を手にするのか!?候補入り作品を紹介しつつ、MOVIE MARBIE的受賞予想も行います!
作品賞
『ベルファスト』(7部門ノミネート)
『コーダ あいのうた』(3部門ノミネート)
『ドント・ルック・アップ』(4部門ノミネート)
『ドライブ・マイ・カー』(4部門ノミネート)
『DUNE/デューン 砂の惑星』(10部門ノミネート)
『ドリームプラン』(6部門ノミネート)
『リコリス・ピザ』(3部門ノミネート)
『ナイトメア・アリー』(4部門ノミネート)
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(11部門12ノミネート)
『ウエスト・サイド・ストーリー』(7部門ノミネート)
受賞予想:『コーダ あいのうた』
対抗:『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
大穴:『ウエスト・サイド・ストーリー』
前哨戦などの状況も考えると『パワー・オブ・ザ・ドッグ』と『コーダ あいのうた』のどちらかが受賞する可能性が高いと思われる。
当初は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』で決まりかと思われたが、SAG(アメリカ映画俳優組合賞)、PGA(アメリカ映画製作者組合賞)を『コーダ あいのうた』が受賞したことで一気に差を詰めてきた。このSAGを受賞したというのが特に重要で、アカデミー会員の構成で最も多いのは俳優だ。その俳優たちからの支持が強いというのは大きなアドバンテージだ。
ただ、『コーダ』は作品賞受賞の上で重要な監督賞、編集賞入りを逃している。加えて同作はフランス映画のリメイク作品。過去の歴史で外国映画のリメイクが頂点に輝いたのは『ディパーテッド』のみだが、果たして・・・?
両者の間に入ってくる可能性が一番高そうなのは『ウエスト・サイド・ストーリー』。誰もが知る往年の名作ミュージカルのリメイク。みんな好きそうな作品ではある。
監督賞
ジェーン・カンピオン 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(28年ぶり2回目)
ポール・トーマス・アンダーソン 『リコリス・ピザ』(4年ぶり3回目)
スティーブン・スピルバーグ 『ウエスト・サイド・ストーリー』(9年ぶり8回目)
ケネス・ブラナー 『ベルファスト』(32年ぶり2回目)
濱口竜介 『ドライブ・マイ・カー』(初ノミネート)
受賞予想:ジェーン・カンピオン 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
対抗馬:ケネス・ブラナー 『ベルファスト』
大穴:スティーブン・スピルバーグ 『ウエスト・サイド・ストーリー』
作品の勢いを見ても、前哨戦の結果を見ても、昨今の傾向を見てもジェーン・カンピオンが受賞する可能性が極めて高い。『ピアノ・レッスン』以来、実に28年ぶりの候補入りとなったカンピオンの演出に、誰もが魅了された。史上初めて2年連続で女性監督が受賞する瞬間が訪れようとしている。
その次に可能性があるのはケネス・ブラナーとポール・トーマス・アンダーソンだが、作品の勢い的にはケネス・ブラナーか。監督も俳優もマルチにこなすブラナーにとって、自伝的要素が強い『ベルファスト』。対抗の目はかなり厳しいと思うが、現状の候補者の中では対抗馬は彼だろう。
大穴はスピルバーグと予想。ただ、既に二度受賞しているので、投票を避ける人も多いだろうが、誰に入れようと迷った時に、この人なら間違いないという監督がいる安心感はあるのではないだろうか。
主演男優賞
ベネディクト・カンバーバッチ 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(7年ぶり2回目)
ハヴィエル・バルデム 『愛すべき夫婦の秘密』(11年ぶり4回目)
アンドリュー・ガーフィールド 『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』(5年ぶり2回目)
ウィル・スミス 『ドリームプラン』(15年ぶり3回目)
デンゼル・ワシントン 『マクベス』(4年ぶり9回目)
受賞予想:ウィル・スミス 『ドリームプラン』
対抗馬:ベネディクト・カンバーバッチ 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
大穴:アンドリュー・ガーフィールド 『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』
当初は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチが受賞間違いなしとまで言われていたが、ゴールデン・グローブ賞、そしてSAGをウィル・スミスが受賞したことで、この部門のフロントランナーはスミスと言える。3回目のノミネート。彼のキャリアを考えても、もう受賞してもいい頃だ。主演男優賞のここ最近の受賞者は全て作品賞候補入り作品から出ていることを考えてもスミスは当てはまるし、この部門は実在の人物を演じた俳優が有利な傾向にある。
さらに黒人俳優に関するジンクスもある。21世紀に入ってから黒人俳優がこの賞を受賞したのは3回。その3回全てに当てはまる傾向として、同部門に黒人俳優が2人以上候補入りしていることが挙げられる。今年はスミスの他にデンゼル・ワシントンも候補入り。ちなみに何の因果か、スミスが候補入りした過去2回はいずれも黒人俳優がオスカーを受賞している。今年は彼の番だ。
大穴ではあるもののガーフィールドも受賞経験もないし、作品評価も高いことからチャンスは残しているが、それでもスミスの勢いには勝てないだろう。ハヴィエル・バルデム、ワシントンは既に受賞経験があるため、今回の受賞はないだろう。
主演女優賞
クリステン・スチュワート 『スペンサー』(初ノミネート)
ジェシカ・チャステイン 『タミー・フェイの瞳』(9年ぶり3回目)
オリヴィア・コールマン 『ロスト・ドーター』(2年連続3回目)
ペネロペ・クルス 『Parallel Mothers』(12年ぶり4回目)
ニコール・キッドマン 『愛すべき夫婦の秘密』(5年ぶり5回目)
受賞予想:ジェシカ・チャステイン 『タミー・フェイの瞳』
対抗馬:オリヴィア・コールマン 『ロスト・ドーター』
大穴:クリステン・スチュワート 『スペンサー』
当初は受賞間違いなしと言われ、前哨戦でも強さを発揮していたクリステン・スチュワートがSAGに落選する波乱があり、今年最も予想が難しい部門に。スチュワートが怪しい中SAG、放送映画批評家協会賞を受賞したジェシカ・チャステインがこの部門のフロントランナーか。実在の人物で、大胆メイクでの演技はオスカーの好みだ。
とはいえチャステインも安泰ではなく、オリヴィア・コールマンもその評価は高い。2年連続の候補入り。常連の風格すら出てきた。ただし、彼女の場合既にこの部門を受賞しているという点がネックになる。
そういう意味ではオスカーのノミネートは果たしたクリステン・スチュワートにも受賞の可能性は十分に残されている。ダイアナ王妃を演じるという話題性もあるし、批評家賞では圧倒的な強さを見せていた。SAGでの落選は気になるところだが、この部門唯一の初ノミネート。個人的にも彼女を応援したいところだ。
キッドマンとクルスはノーチャンス。既にオスカーを持ってるんだから、譲ってあげてね。
助演男優賞
トロイ・コッツァー 『コーダ あいのうた』(初ノミネート)
シアラン・ハインズ 『ベルファスト』(初ノミネート)
コディ・スミット=マクフィー 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(初ノミネート)
ジェシー・プレモンス 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(初ノミネート)
J・K・シモンズ 『愛すべき夫婦の秘密』(7年ぶり2回目)
受賞予想:トロイ・コッツァー 『コーダ あいのうた』
対抗馬:コディ・スミット=マクフィー 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
大穴:シアラン・ハインズ 『ベルファスト』
聴覚障害者であるトロイ・コッツァーがこの部門を制する快挙の瞬間が訪れようとしている。聾唖男優としては初の候補入りで、作品も気がつけば2021年最も愛された映画と言っても過言ではない程の熱狂ぶり。作品の勢いの頂点をこのタイミングに持ってきた『コーダ』から演技部門では唯一の候補入りとなるため、作品支持票も集まる。SAGも受賞。かつて聾唖役者としてオスカーを受賞したマーリー・マトリンも共演している。
対抗馬は前哨戦で勝利の山を積み重ねたコディ・スミット=マクフィー。子役から活躍してきた彼の初ノミネートに目を細める人も多いだろうが、今回は難しそう。同じ映画からジェシー・プレモンスが候補入りして、票が割れてしまう可能性もあるのもマイナスだ。
映画界に貢献し続けたベテランが受賞することが多いこの部門のことを考えればシアラン・ハインズの可能性も十分にあるが、流石にコッツァーに勝てるほどの勢いはないか。ただ、『ベルファスト』は作品評価も高いため、可能性は0ではない。プレモンスはスミットと票が割れるし、シモンズは既にこの部門を受賞しているためノーチャンスだろう。
助演女優賞
アリアナ・デボーズ 『ウエスト・サイド・ストーリー』(初ノミネート)
ジェシー・バックリー 『ロスト・ドーター』(初ノミネート)
アーンジャニュー・エリス 『ドリームプラン』(初ノミネート)
キルスティン・ダンスト 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(初ノミネート)
ジュディ・デンチ 『ベルファスト』(8年ぶり8回目)
受賞予想:アリアナ・デボーズ 『ウエスト・サイド・ストーリー』
対抗馬:キルスティン・ダンスト 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
大穴:アーンジャニュー・エリス 『ドリームプラン』
助演男優賞はベテランが受賞する傾向が強いが、助演女優賞は実はその作品が映画デビュー作だったり、受賞者の国籍もバラエティに富んでいるなど、どちらかというと新人が受賞しやすい部門だ。今年最も受賞に近いのはアリアナ・デボーズだ。彼女が演じたのは『ウエスト・サイド・ストーリー』のアニタ役。オリジナル版でリタ・モレノが演じ、オスカーを受賞した役だ。モレノも出演しているリメイク版で、同じ役柄の銃が受賞する。何とも美しいストーリーだ。ゴールデン・グローブ賞やSAGも受賞。オスカー像はほぼ彼女の手中にあると言っていいだろう。
次に可能性があるのはキルスティン・ダンスト。子役から活躍を続け、スパイダーマンのヒロインにもなった彼女の初ノミネートに多くの映画ファンは歓喜しただろう。映画ファン的に最も受賞してほしいのは彼女ではないだろうか。デボーズ程の勢いはないが、候補者の中では作品評価はダントツ。可能性は十分にある。アンジャニュー・エリスも可能性があるだろう。主人公の妻役はこの部門が最も愛する役柄の1つ。ただ、作品支持票はウィル・スミスに集中しそうなのが少し辛いか。
ジェシー・バックリーは今回が初ノミネート。近年最も勢いのある女優の一人。今後の活躍が楽しみだが、今回は厳しいか。ジュディ・デンチはジュでにこの部門受賞済みのためノーチャンスだ。
一体どの作品が、誰がオスカーの栄誉に輝くのか。第94回アカデミー賞授賞式は日本時間明日28日開催。
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