第91回:『千と千尋の神隠し』|食べたら豚になるあの料理を完全再現!お父さんが食べてたブヨブヨの正体は!?【瀬田ミナコのシネまんぷく】
共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!
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■今回の映画:『千と千尋の神隠し』(2001)
2022年の幕開け作品は「千と千尋の神隠し」です。
私とジブリとの出会いはこの映画でした!公開当時5歳だった私はこの映画の世界にすっかり入り込んでしまい、両親や祖父にねだって、3回も劇場に観に行った記憶があります。ずっと「シネまんぷくで書いてみたい」と思いながらも、思い入れが強すぎてなかなか手をつけられなかったこの作品。年明け最初のコラムという事で気合を入れて選んでみました!
そんな「千と千尋の神隠し」ですが、改めて観ると本当に沢山の料理が登場します!「ジブリ飯」という言葉があるくらい、ジブリのアニメーションに登場する食べ物はどれも魅力的ですが、千と千尋の神隠しに登場する料理は、他のジブリ飯とは一線を隔していると思っています。というのも、人間の食べ物ではないので、普通に美味しそうなものから、得体の知れない食材のものまで多種多様!「どんな味がするんだろう?」と興味をそそられる物ばかりです。
その中から私が何を作るのか!?それも楽しみに、どうぞコラムの最後までお楽しみください^ ^
「千と千尋の神隠し」は2001年に公開されたスタジオジブリ制作のアニメーション映画で、原作・脚本・監督を、宮崎駿監督が務めています。日本の歴代興行収入第一位を更新し、その記録は20年近く破られる事はありませんでした。今年、橋本環奈さん、上白石萌音さんが主演の舞台化も上演されるため、今再び注目されている作品です!
物語の主人公は、千尋という名の10歳の女の子です。引っ越し先の家へ向かう途中、千尋と両親は道に迷ってしまい、その先で不思議なトンネルを見つけます。興味津々の両親と共に千尋がトンネルを抜けると、そこには、人間が足を踏み入れてはいけない神々の世界が広がっていました。
この不思議な世界の街を支配するのは、湯屋の経営者である魔女「湯婆婆(ゆばーば)」で、掟を破った千尋の両親を豚に変えてしまいます。家に帰ることも、両親を助け出すことも出来ずに、ただ一人この世界にほっぽり出されてしまうのですが、そこに手を差し伸べたのがハクという少年。そして千尋は湯屋「油屋」で働きながら、必死で「生きて」行くのでした。
あらすじを書いてみて思いましたが、起承転結にまとめて書くのが意外と難しい映画でした。
あらすじと言うより設定紹介のようになってます笑
ここから千尋は沢山の人(人間ではないが)に出会い、そこにはいい人も悪い人もいます。そしていつの間にか生きる力や元の世界に戻るヒントを知らず知らずのうちに身につけていくのですが、色々な事が起こるので、「どんなストーリー?」と言われても説明するのが難しいのです。
そんなよく分からないストーリーでありながらも、この不思議な世界に引き込まれてあっと言う間に観終わってしまうのが不思議です。世界に引き込まれる、という点で言うと、どのシーンを取っても、微妙に私たちの住む世界とは違う風景がとても魅力的です。湯屋の外観やお風呂はもちろん、従業員達の寝泊まりする部屋もノスタルジックな雰囲気で素敵です。怪しげなメニューが並ぶご飯屋さんも行ってみたいし、四季の花が入り乱れて咲く世界は、美しいけれど違和感が残るなんとも言えない景色です。
物語はもちろんですが、こう言う世界観が、千と千尋の神隠しの大好きな所です!
そして、名前を奪われると帰り道が分からなくなる「拘束力」だったり、働かないものは姿を変えられてしまう「掟」だったり、はたまた悪いものを浄化してくれる苦団子だったり、、いわゆる「厨二心」をくすぐる設定が盛りだくさんなところも良い所ですね!登場人物達の一人一人のキャラクターが濃すぎるのも、この映画の見どころです。
二重人格美少年のハク様、
二等身で顔面ド迫力の湯婆婆
伸びる腕がいっぱいついた釜爺
デカすぎる赤ちゃんの坊。
いい女の先輩に、しゃべるカエルなどなど、みんな一度見たら忘れられない個性を持っています。主人公顔負けのインパクトをお持ちの皆さん。性格が良いとは言えない人もいるのですが、なぜかどの登場人物も好きになってしまいます。(唯一ちょっと好きになれないとしたら千尋の両親ですね)
主人公顔負け、と書きましたが、甘ったれだった千尋が一生懸命生きていく姿はとっても応援したくなります!
いきなり知らない所で一人で働けだなんて、ただでさえ大変なのに、それが別の世界でなんて厳しすぎます。現実の世界で暮らすのもなかなか大変ですが(笑)、千尋の頑張りを見るとなんだかもうちょっと頑張れそうな気がします。
千尋もきっとこの世界で身に着けた「生きる力」は一生重宝するでしょう。。。
それでは映画メシのお時間です!
今回作るのは、「食べると豚になっちゃう!?神々の食事」です!
そう、物語の序盤に千尋の両親が美味しそうにむさぼっていた食事です。よく見ると絶妙に観たことない料理だったり、何のお肉か不明だったり、好奇心をくすぐられるワンシーンです。
特にお父さんが食べていた白い塊。ブヨブヨで柔らかくて汁気の多そうな謎の食べ物は一体何なのか、長年謎でしたが、最近では「シーラカンスの胃袋」説が有力です。今日はライスペーパーを使って胃袋っぽさを再現します。
まずは中身作り。
市販のチャプチェの素に春雨を足して、スープ多めで作っていきます。
ライスペーパーをお湯で戻し、チャプチェを包みます。柔らかさは良い感じ!
醤油、砂糖、酒、水を火にかけて、水溶き片栗粉を足してあんかけを作ったら、上からたっぷりかけて完成です。
お次は謎の白い棒状の料理。
トッポッキをニンニクと鷹の爪入りの中華スープで煮込んで柔らかくします。
あまりものでチャーハンを作ったら、
山を作るようにお皿に盛って、上にトッポッキを並べて完成です!
お次は何かの骨?お父さんが豪快に齧っていたスティック状の食べ物です。
まずは小麦粉、片栗粉、塩、オリーブオイル、水を混ぜて骨の芯になる部分を作ります。
連載第54回で、映画「モンスターハンター」のこんがり肉を再現するときにも、この食べられる骨を作りました。オーブンで軽く焼いておきます。
みじん切りにした玉ねぎを弱火でじっくり炒め、水分を飛ばして甘みを引き出したら、
コンビーフ、調味料と片栗粉を合わせて混ぜ合わせます。
先ほどの骨クラッカーと一緒に春巻きの皮に包んで油で揚げれば完成です。
切ってみた断面もいい感じ!コンビーフの赤色も綺麗に残って良かったです。
そして最後はお母さんが食べていた、謎の鶏肉!
ニワトリにしては小さいし、骨まで柔らかいと言うその肉は一体!?(鳩の肉だとも言われています)
今回は鶏むね肉を醤油、酒、はちみつ、マヨネーズで漬けこみ、
丸めて焼くことで再現しました!
皮が表面に来るように丸めたら楊枝で固定し、オーブンでこんがり丸焼きにします。
「骨まで柔らかい!」は再現できませんでしたがいつか食べてみたいです。
四品完成です!
豚になる覚悟でさっそくいただきます。
まずは骨もどき春巻きから。
意外にもコンビーフのしょっぱさと骨クラッカーの相性が良く、ちょうどいいおつまみな味になりました!バリっとした皮も美味しいです。
次は綺麗に並べたトッポッキ。
白くてシンプルな見た目とアップのある、ニンニクの風味と唐辛子の辛さでパンチのある一品に仕上がりました。
そして鳩の!?お肉。
ムネ肉で作ったのですが、丸めてローストしたのが良かったのか、思ったよりパサつかず済みました!再現度は低めですが、お肉を手で持ってかぶりつくのは良いものですね!雰囲気出て楽しいです。
そして最後はあのブヨブヨ料理!
ちょっと透明すぎて中身が見えちゃってますが、お箸で持ち上げた時の質感や汁気の多そうな雰囲気は出せているのではないでしょうか!
食べてみると、、、
春雨にライスペーパーのもっちり感が加わってちょっと面白い食感です!
全部いただきましたが、豚にはならずに済みました!(笑)
良かった!でもちょっとだけあの不思議な世界に迷い込みたいなぁなんて今でも思います。
ごちそうさまでした!
※お知らせ※
【共感シアター】金曜ロードショー『千と千尋の神隠し』を同時視聴!おうちDeシネマ
https://bals.space/theater/274/
瀬田ミナコ出演!
新年1発目の1月7日(金) 20:45からは、金曜ロードショーで放映される宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』の同時視聴鑑賞会を実施!公開から20年以上が経過した現在、『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』に抜かれるまで映画興行収入歴代1位を死守し続けた、今なお愛される名作中の名作が、金曜ロードショーにてオンエアされます。是非みんなで同時視聴しながら、宮崎アニメトークで盛り上がりましょう!!
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今回取り上げた作品はコチラ!
【声の出演】
柊瑠美、入野自由、夏木マリ、内藤剛志、沢口靖子、上條恒彦、小野武彦、菅原文太
【スタッフ】
原作・脚本・監督:宮崎 駿
プロデューサー:鈴木敏夫
音楽:久石 譲
主題歌:木村 弓
配給:東宝
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
公式サイト:https://www.ghibli.jp/works/chihiro/
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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
『瀬田ミナコのシネまんぷく』
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