【独占入手!】『パーフェクト・ケア』J・ブレイクソン監督インタビュー
賛否両論の話題作!
『パーフェクト・ケア』
ロザムンド・パイクをゴールデン・グローブ賞に導く!
J・ブレイクソン監督インタビュー独占入手!
映画『パーフェクト・ケア』で、ロザムンド・パイクが第78回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞したものの、映画が公開されると批評家と観客の間で評価が真っ二つに割れるなど賛否両論を巻き起こしている注目作だ。ロザムンド・パイクの他にエイザ・ゴンザレス、ピーター・ディンクレイジ、ダイアン・ウィーストなど実力派の俳優たちの共演も大きな話題を集めている。
そんな本作の監督を務めるのはJ・ブレイクソン。長編監督デビュー作品『アリス・クリードの失踪』(09)でトロント国際映画祭、ロンドン国際映画祭、トライベッカ国際映画祭、英国インディペンデント映画祭など、数多くの映画祭で脚光を集めた、気鋭の映画監督だ。その後クロエ・グレース・モレッツ主演の『フィフス・ウェイブ』(16)の監督を務め、本作『パーフェクト・ケア』が長編監督3作目となる。
今回、ハリウッドも熱い視線を送る気鋭の映画監督J・ブレイクソンが映画への熱い想いを語ったインタビューを独占入手した。
Q.この映画のアイデアはどこから来たのですか?
J・ブレイクソン:成年後見制度システムを利用し被後見人から搾取している、そういう略奪的な後見人たちに関する報道を見たことから始まったんだ。とても恐ろしかったよ。それがとても現代的な問題に思えたんだ。それに僕はずっと野望についての映画を作りたいと思っていた。だから成功と金が大事で、野心的で強固な後見人についての物語、というアイデアから始めたんだ。
Q.この映画の主人公であるマーラはお金と言った利益や権力を強く求めていますね。
J・ブレイクソン:マーラは自分の願いや欲望のことばかり考えている。自分の欲しいものを手に入れるためにシステムを利用するけど、厳密には法の範囲内にとどまっていて、その中で権力と利益のために弱者を虐待する。マーラは僕にとってある種、合法なギャングスターなんだ。
Q.世界が高齢者介護の重要性に注目している時代に、この映画でどんなことを明るみにしたいと思っていますか?
J・ブレイクソン:僕たちの社会は、老人を無視し、見下しがちだと思う。今の老人たちを、いつか年老いる未来の自分の姿と結びつけられないんだ。僕らは「老人」を解決すべき問題か、視界から消したい問題のように思っていて、彼らがユニークな個人だということを忘れている。例えばジェニファーは初め典型的な“素敵なおばあちゃん”に見えるけど、マーラと同じくらい意外性があり、モラルに関して複雑な人物なんだ。
Q.確かに自分が年老いていくという現実は、中々直視しにくいテーマではあります。
J・ブレイクソン:僕らも自分が歳を取る心構えをすべきだって事実に光を当てられたらと思っている。老人は詐欺や搾取の絶好のターゲットだ。僕らは彼らの保護に気を配り、対策を講じていくべきだなんだ。それは単に僕らにとっての老人たちのためだけでなく、自分たち自身のためでもあるんだ。
Q.登場人物について少しお聞かせください。この映画にはマーラやローマンのような、悪人なんだけど、一方で人間味溢れるキャラクターも多く登場しますね。
J・ブレイクソン:映画の冒頭でマーラが言うんだ。“いい人なんてものはいない”って。僕が思うのは、悪い人なんてものもいないってこと。僕らはみんなただの人なんだ。いいことをすることも、悪いことをすることも可能なんだ。尊敬する人が悪事を働いたり、逆にひどいやつだと思っていた人がすばらしいことをしたりする。ある意味、それくらい奇妙なことなんだ。
Q.マーラは確かに応援したくなる野心を持っていますが、一方でそのやり方は賞賛できるものではないです。
J・ブレイクソン:僕たちは歴史や社会によって、成功した人たちを敬い、称賛するよう教えこまれている。だから僕が思うに、観客はマーラのそういう賞賛すべき側面に夢中になるかもしれない。彼女の野心とか、粘り強さや力強さ、怖いもの知らずなところにね。でも、その後で、観客は少し不安を感じるんじゃないかな。
Q.この映画からどんなことを感じ取ってほしいと思いますか?
J・ブレイクソン:まず何よりもこの映画を楽しんで欲しい。そして友達や家族にどれだけ楽しんだか伝えてほしい。そして、この映画が提起している問題についてもね。当たり前のことに聞こえるだろうけど、今もいたるところで人々がお金のために搾取されているように思うから。そして、僕らはそれに対して何も行動していない。自分たちの身に直接起こるまで、無視するのが楽なんだ。でも無視すべきじゃない。この映画が、そういう問題を少しでも無視しづらくなるきっかけになればといいなと思うよ。
【ストーリー】
法定後見人のマーラ(ロザムンド・パイク)は、判断力の衰えた高齢者を守り、ケアすることが仕事だ。常にたくさんの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラだが、実は彼女は裏で医師や介護施設と結託して高齢者たちから資産を搾り取る悪徳後見人だった。パートナーのフラン(エイザ・ゴンザレス)とともにビジネスは順風満帆。まさに“アメリカン・ドリーム”を手に入れたマーラだったが、突如その目前に暗雲が立ち込める。新たに獲物として狙いを定めた資産家の老女ジェニファー(ダイアン・ウィースト)をめぐって、次々と不穏な出来事が発生し始めたのだ。そう、身寄りのないはずのジェニファーの背後にはなぜかロシアン・マフィア(ピーター・ディンクレイジ)の影が!!迫りくる生命の危機、まさに絶体絶命。「私に“負け”はない」と豪語するマーラの運命は果たして―!?
【キャスト】
ロザムンド・パイク(『ゴーン・ガール』)
ピーター・ディンクレイジ(「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ)
エイザ・ゴンザレス(『ゴジラvsコング』『ベイビー・ドライバー』)
ダイアン・ウィースト(『ブロードウェイと銃弾』『運び屋』)
【スタッフ】
監督: J・ブレイクソン(『アリス・クリードの失踪』)
配給:KADOKAWA
2020/英語/118分/シネスコ/カラー/5.1ch/原題:I Care A Lot/日本語字幕:牧野琴子
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