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【#特集】「アリータ」観ると見たくなる! おさえたいサイバーパンク映画の系譜5選 #アリータ :バトル・エンジェル

【サイバーパンク映画の系譜5選】
諸説あってややこしいが、サイバーパンクって80年代に生まれた言葉で、それまでの「スター・ウォーズ」や「スター・トレック」的SFファンタジー、スペースオペラなど【明るい未来】を描いたSFに対するカウンターカルチャー、つまり【明るくない未来】のSFのこと。大抵の場合、退廃的なスラムが舞台になっており、人は半ばサイボーグ化し、意識は電脳世界にプラグインして不思議な自己拡張や他人との距離感のなか、刺激的で倫理観をゆさぶるドラマが繰り広げられるというのがざっくりした展開イメージ。

そんなサイバーパンクの起点ともいえるのがウィリアム・ギブスンのSF小説「ニューロマンサー」。なんと舞台は未来の千葉!チバ・シティを舞台にした物語は読む者の想像力を刺激しまくってたちまちサイバーパンクのバイブルと化した。

ところが「ニューロマンサー」に先んじてサイバーパンクの世界を具現化していた、ただならぬ映画があった。映画興行は振るわなかったものの、一部熱狂的なファンを生み出しカルト化していた、早すぎたサイバーパンクの始祖『ブレードランナー』であった。

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『ブレードランナー』1982
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「これこそ、サイバーパンクの世界だ!」
世界のSF映画ファンは、酸性雨に濡れそぼった街角にライトが乱反射する2019年のロサンゼルスに感涙し、レプリカントとブレードランナーの追跡アクションに歓喜し、生命とは何か?を問いかける崇高なテーマ性に完全に打ちのめされた。

なんと原作は1968年の小説、フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。つまり監督のリドリー・スコットやプロダクションデザインのシド・ミードらはSFの古典を「サイバーパンクの世界はこうあるべき」という新時代の【事象の地平線】に仕立て上げたのだ。「攻殻機動隊」も『AKIRA』も『マトリックス』も『マイノリティ・リポート』も、『ブレードランナー』というビッグバンから生まれた子供なのである。

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『未来世紀ブラジル』1985

「あるあるリアルなダメ未来」
未来のひとつのカタチは名作「1984」に見られるような高度な管理社会。常に誰かに監視されていて、少しの自由もない息がつまるような世界。だが『未来世紀ブラジル』はこの分野のSFのカウンターカルチャー=サイバーパンクとして現れた。監督のテリー・ギリアムが描くのはむしろ高度管理社会の「落とし穴」。支配体制は腐食し、人々は不合理の中で生きることを余儀なくされるという未来予想図である。

テリー・ギリアムはコメディ集団モンティ・パイソンの一人。全編を英国流のブラックジョークが覆っており、コミカルで残酷な世界がとんでもない映像美の中で繰り広げられる。
なんと主人公は情報省に勤める役人でありながら、車(メッサーシュミット)を紛失した手続きを怠っただけで、社会から逸脱してしまうという、今の日本にも通ずるようなリアルさがある。本作のダメな未来は、あるあるなリアルな未来でもある。

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『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』1995
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「ハリウッドに真似されまくったサイバー日本代表」
押井守は『ブレード・ランナー』の影響を受けたと公言しているし、「攻殻機動隊」みたいな映画を作りたい」といって生まれたのがウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』である。つまり、サイバーパンクの系譜でみた場合「攻殻機動隊」は世界的にみても重要な位置にいるといっていい。

考えてみれば、サイバーパンク映画の中で、光り輝く広告サインや、芸者、人が凝縮した交差点、コンビナートの夜景などは、日本の風景なのである。それを、秋葉原や渋谷の交差点で写真を撮ってる外人の視点で増幅したのがサイバーパンクの世界観だといっていい。ならば日本人がそこを追求したらどうなるか?押井守はそこにのっかって、士郎政宗の原作の世界観をさらに作り込んだ。

でも実は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の最大の特徴は女体だ。主人公草薙素子が警察官でありながら、その辺歩いていたら捕まっちゃうんじゃないかくらいの恰好で露出する柔らかな女体と、その体にプラグインされる硬質な機械のイメージ。この振れ幅の大きさがサイバーパンクのテーゼを最もセクシーで魅力的なものとして作品の世界へ引きづり込む導火線の役目を果たしている。

 

『ダークシティ』(1998)

「ジェニファー・コネリー美を堪能するサイバー欧風代表」
サイバーパンク映画は東京型とヨーロッパ型にわかれるとすればこちらはヨーロッパ型。レトロで欧州風な重厚な世界観、ガジェットもどこか金属の鈍い光沢があってスチームパンクの匂いもする。東京型サイバーパンクと違って、キラキラも乱反射もしてない。なんならタイトルも『ダークシティ』ってくらいだから太陽が昇らない街の話。暗い風景しか出てきません。夜の12時になると人々は一斉に眠りに落ちてしまう。主人公は目覚めると殺人犯になっていた。過去の記憶もない。追ってくる謎の男達。もう出だしから一気に引き込まれます。抜群なのは、主人公の妻役ジェニファー・コネリー。ナイトクラブの妖しい光の中唄う姿が魅力的。彼女「アリータ」にも出てきますが、この『ダークシティ』くらいまでのお人形的な美しさは半端じゃない。このあと演技派になっちゃいましたから。

ダークシティはずっと夜のまま。町の外にも行けない。だけど昔行ったはずの太陽降り注ぐ砂浜の記憶ある、だけど行けない。よく考えてみると昨日のことが思い出せない。このあたりの夢でも見てるような不都合な不自由さがたまらないんです。はい。

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『ニュー・ローズ・ホテル』1998

ウィリアム・ギブスン「ニュー・ロマンサー」の燃えカス
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年代以降、様々にサイバー映画が進化する中、本命中の本命、サイバーパンクのバイブルといわれる、ウィリアム・ギブスンの「ニューロマンサー」は映画化の話が何回か出ているが未だに実現されていない。

そんな待ちきれないアナタが観るべき映画が『ニュー・ローズ・ホテル』。ギブスン原作のサイバーパンク映画である。監督は人面犬で有名な「ボディスナッチャーズ」のアベル・フェラーラ。主演はクリストファー・ウォーケン、ウィレム・デフォー。彼ら二人のコンビが演じるのは半ばヘッドハンター、半ば誘拐者という、企業人材の引き抜きの専門家。苛烈な企業戦争の中で科学者の脱出逃亡を手助けしたりする。科学者役で日本の世界的イラストレーター天野喜孝が出てたり、企業の役員役で坂本龍一が出てたりして独特のおもしろさはあるにせよ、全体としては、少しチープな印象はぬぐえない。

ま。『デッドプール』のティム・ミラー監督によって「ニューロマンサー」がついに製作されるらしいので、我慢強い人は待った方がいいかもしれない。

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坂本龍一

 
 

 

『アリータ:バトル・エンジェル』公開中!!

Rosa Salazar stars as Alita in Twentieth Century Fox’s ALITA: BATTLE ANGEL.

配給:20世紀フォックス映画

監督:ロバート・ロドリゲス

製作:ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー

原作:木城ゆきと

キャスト:ローサ・サラザール、クリストフ・ワルツ、ジェニファー・コネリー、マハーシャラ・アリ、キーアン・ジョンソン ほか

公式ホームページ:http://www.foxmovies-jp.com/alitabattleangel/

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