【#観るべき100本】#かちこみドラゴンタイガーゲート このドラゴン(つまり #ドニー・イェン)は #ブルース・リー に近い符号を持って登場します。 ピンチも何もない、観るものの感情移入を受け付けない。ストーリーさえも壊しかねない圧倒的な強さはちょっと必見です。
ドラゴンの名を継ぐ者『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』
龍というのは、角は鹿、頭はラクダ、眼は鬼、体は大蛇、腹はハマグリ(?)、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛にそれぞれ似るという。また口辺に長髯をたくわえ、喉下には一尺四方の逆鱗があり、顎下に宝珠を持っていると言われる。秋になると淵の中に潜み、春には天に昇る。
言うまでもなく、これは想像上の動物なわけですが、ちゃっかり干支に混じってたりしても誰も不思議には思わない。「ないものをあるかのように扱う」中国人というのはさすがです。4千年の歴史というか知恵。累計にして何十億人という人間が、あたかもそれがあるかのように長年接してきているという事実から言えば、もう実在すると言ってもいいんじゃないか、くらいのもんです。
なんたって、皇帝のイメージキャラクター。天を突くばかりの権力と強さの象徴なわけです。
そして20世紀。
我々は想像ではなく、地上に降り立った最初のドラゴンを見るわけです。
李小龍、ブルース・リーはその肉体、動き、声から表情に至るまで全てが衝撃的で、写真をみるとわかりますが、実にソウルフルな表情で、これがマネする場合のポイントでした。
私は何人の友達を「アチョオオオオーーーーー!!!」という怪鳥音とともに殴りつけ、また反対に蹴られたかわかりません。
彼はつまり伝統的なカンフーというものを、実にエキセントリックにビジュアリスティックに何にも知らない世界の小僧どもに魅せた最初の人だったわけで、おかげでいきなり蹴ったり殴ったりと、幼少の頃、私の友人関係をボロボロにしてしまうほどの影響力を持っていたわけです。
ブルース・リーの映画が際立っている点としては、
(1)無敵である。
どんな強敵が現れても決してピンチは訪れない。逆に相手がかわいそうになってしまう。
(2)相手を殺してしまう
倒れた相手を踏みつけながら、実に悲しそうに歪んだ表情でうめく。(この表情も流行った。竹中直人が上手だった。。)
という点が挙げられます。
「そんなんじゃ残酷なだけでおもしろくないだろ!」と言う方もいらっしゃると思いますが、逆にそういう所に「強いやつは強い。」というガチな格闘技世界の厳然たるリアルを感じれるのがブルース・リー作品だったといえると思います。ただ、やっぱりそういう独特の暗さみたいなものは受け入れがたかったのか、その後、ジャッキー・チェンやジェット・リーあたりのカンフー・エンタテイメントではほとんどやらないパターンになってしまいました。
なんか、バカみたいな映画として捉えられてる「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」なわけですが、このドラゴン(つまり、ドニー・イェン)は、実に往年のブルース・リーに近い符号を持って登場しますね。
ピンチも何もない。観るものの感情移入を受け付けない。ストーリーさえも壊しかねない圧倒的な強さはちょっと必見だと思います。
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