【#観るべき100本 】#ヘアスプレー その昔、怪物 #ディヴァイン と変態 #ジョン・ウォーターズ 監督が生み出したカルト映画が、世にもハートフルなファンタスティックコメディとして再臨!コレがおデブの生きる道!
おデブの生きる道〜『ヘアスプレー』
『ヘアスプレー』(07)
その昔、「ピンクフラミンゴ」という映画があり、これはもう露悪趣味の最たるもので、主人公を努めるディヴァインというおデブのLGBT俳優は、もうその存在だけで充分お腹いっぱいなのに犬のうんこ(失礼、)まで食って、これをどう受け止めたらいいのか私も困惑した覚えがある。
その映画の監督が変態・ジョン・ウォーターズ。
80年代、このテのネジの外れた、受け入れがたい前向きさを持つハレーション気味の映画をウォーターズは続々と発表し、いつしかそれはカルトとなり、ディヴァインは死んでしまうけど、その作品の中で何故かミュージカルとなって、一般ピープルに歓迎された作品があった。
それが『ヘアスプレー』。
元々映画だった「ヘアスプレー」は、ミュージカルとなって、さらに映画でリメイクされ、いい感じにヒットした。監督は違う人だがウォーターズのコンテンツがついにメジャーになった瞬間だった。
ただ、この「ヘアスプレー」やっぱり何気に変態エキスが漂っている。
主題はおデブ。
そもそもジョン・ウォーターズ自体のデブ専ぶりはハンパではなく、その伝統はこの新作にも息づいている。(スクリーンがすぐに人で埋まる。これホント。)
「ヘアスプレー」はデブはどう生きるべきか、涙が出るほど(もちろん笑いすぎで)問いかける。
デブを全く気にしない娘と、デブであることを恥じ、家からロクに出たこともない母親(なんとトラボルタが演じる!)の勘違いトークの応酬は、やっぱりネジが外れてて、思わず吹き出す。
でも、そのうち、この不可解な母子が他人に見えなくなって、その太もものような二の腕を慈しみ、思わず応援してしまう自分がいることに気付く。
自分の皮下脂肪を感じ、
自分のコレステロールを感じ、
人には見せられない自分の恥部を思い、
無様な自分の欠点と重ね合わせて、
このおデブ母子のブレイクスルーを願う。
なんと、不思議な高揚感が充満した映画だろう。変態親父ウォ-ターズの愛というのは随分深遠にできてるものだな、と図らずも今頃彼の作家性に気がついた映画でした。(チョカ)
『ヘアスプレー」
監督/脚本:ジョン・ウォーターズ
出演:ソニー・ボノ、ルース・ブラウン、ディヴァイン、デボラ・ハリー 他
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