【 観るべき100本】『グラディエーター』有史以来数人しかいない「将」の才。 派手な剣闘士アクションに見せかけ「将」の才に迫った拍手喝采ムービー!
『グラディエーター』(2000)
自らの名を隠し、一介の剣闘士としてコロッセウムに入場する男。
周囲には、走り回る戦車(ローマ式の馬車)の群れ。
絶体絶命の危機に怯える剣闘士仲間たちを前に、彼は無敵の将軍マキシマスに戻る。
「この中で、軍にいたものは?」
「おう!」
「おう!」
「北方戦線であなたの部下でした。」
「ふむ。お前たち、戦いはまとまってやった方が強い。」
「決して離れるな。」
「オレの言う事を聞けば必ず勝てる。」
映画「グラディエーター」の白眉ともいえるシーンですね。
このシーンによって、この作品は妻子を殺された男の復讐モノから、誇り高い男の物語に変質してると思います。
特に「北方戦線であなたの部下でした。」っていうのが、同じ仲間にいたのがすごい。彼はオリの中で一緒に幽閉生活を送るうらぶれた剣闘士の正体が、かつてローマ最強の将軍だというのを知っていた。それなのにずっと黙ってたということになります。
その男は明らかに、この時を待っていたんでしょうね。
「北方戦線であなたの部下でした。」
それを言いたくてしょうがなかったと思います。
また、闘い終わり、群衆を掻き分けての退場シーンで、昔の部下と遭遇するシーンも瞠目に値します。
「将軍!将軍!おひさしぶりです!」
「おおう、キケロか!部隊はどこにいる。」
「〇〇(都市名。忘れた)に5000名。」
「どれくらいで揃う。」
「将軍の為なら、明日にでも。」
余計なことは言わない。実に簡潔で意味深い会話です。だって、その元部下5000名は今や、将軍マキシマスの兵隊ではない、基本ローマ国家のモノなわけですから。
まるで私物のように兵を語るマキシマスの口ぶりも、当然のように答える副官キケロも普通に考えたらおかしい。おかしいけど実にかっこよい。
映像では派手な剣闘士アクションと見せかけて、その実「将」というものの正体に迫ったところに拍手喝さいなわけで、なんで今頃「グラディエーター」について言うのかなんてことは気にしないでください。
余談ですが、「将」の才というのは、他の才能に比べて実に出にくい才能だそうで、
この方面の天才は、有史以来数十名しか出てないとも言われます。
だからこそ、ある意味人殺しの親分であったとしても、それに対する潜在的な憧れがこういう映画を生み出すのでしょう。
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