【 #観るべき100本】 視点狂『#ボディ・ダブル』。 大抵の人にとって最大の関心事は自分であることは疑いようがありません。 #ブライアン・デ・パルマ の複数の視点によって感じる”虚構の世界”
映画『ボディ・ダブル』
大抵の人にとって最大の関心事は自分であることは疑いようがありません。
自分から見た自分。他人から見た自分。自分から見た、他人が見た自分。まるで合わせ鏡のようですが、でもこの鏡は平坦はなく、歪んでたり、色がついてたりするから、同じものはどれ一つとしてない。自分は他人のようになって増えていく。
そして自分はいろんな自分を想像し、期待もし、不安にもなり、さらに自分を歪めて見る。
考えるだけで忙しい。
ブライアン・デ・パルマはそういう複数の視点が変質的に好きだったようで、4つとか5つのカメラが同じ現象を同時に捕らえる。主人公の視点、犯人の視点、目撃者の視点、、、。
だから、見てるだけで忙しい。
サスペンスの臨場感は高まる一方、じゃ、残りのカメラは何視点なのかというと監督視点だったり、いわゆる神の視点だったりして、観客としてはのめり込む一歩手前で、目の前の映像が映画という虚構の世界であることを強烈に意識させられます。
それでいいのか?
忠告してやろうと思いましたが(できるわけないんですが)、そんなことはわかってやってるんだと言いたげなタイトルが「ボディ・ダブル」でした。何重にも折り重なる視点と劇中劇で、自ら合わせ鏡の世界に入ってみましたという感じです。見る方は決して安心できない。それこそサスペンスなわけです。
メガヒット「アンタッチャブル」「ミッション・インポッシブル」以来、巨匠の道を歩み、そのテの趣味は鳴りを潜めてましたが、「ファム・ファタール」で再びやって大失敗してたな。わざわざ劇場まで見に行って、またそれやるのかと思って、呆れながらもわくわくしてしまいました。
でも、あれは彼のテーマなんでしょう、懲りずにやり続けてほしいもんだと思います。
【ブライアン・デ・パルマ過去作】
『ファントム・オブ・パラダイス』
『ミッション:インポッシブル』
『アンタッチャブル スペシャル・コレクターズ・エディション』
『ファム・ファタール』
『ボディ・ダブル』
『悪魔のシスター』
『殺しのドレス』
『キャリー』
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『ボディ・ダブル』