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第34回:『461個のおべんとう』|アレンジ卵焼きが美味しそう!蓋を開けるのが楽しみなお弁当たち!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアター「KIQ STATION」のキャスターとしてもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

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■今回の映画:『461個のおべんとう』(2020)

今回は、現在劇場公開中の映画「461個のおべんとう」(2020年11月6日公開)兼重淳監督作品です。

映画と食のコラムを書いてる身としては題名を観た瞬間に「これは書かなければ!」と使命感を覚えました!もう題名からして美味しい映画ですよね。 実は、ちょっとだけ撮影にも参加させていただいた作品で、私を発見するのは「瀬田を探せ!Lv.10」くらい難しいかと思いますが、それは置いておいて。美味しいご飯を食べた後のような、なんだか気持ちを満たしてくれる素敵な映画ですので、ぜひご覧ください!(お弁当が美味しそうなのでお腹は減ります!)

今作は父と息子のお弁当の話です。実話を綴ったエッセイが原作となっており、映画のモデルとなった原作者は、音楽ユニット「TOKYO No.1 SOUL SET」の渡辺俊美さんです! 井ノ原快彦さんが主人公一樹を演じ、その息子、虹輝をなにわ男子の道枝駿祐さんが演じています。

ミュージシャンである一樹は、妻と中学生の息子、虹輝との三人家族。ですが妻と離婚することになりました。虹輝の多感な時期に離婚することになってしまい、それが原因か、虹輝は高校受験に落ちてしまいます。一樹は、浪人したのちに一年遅れで高校に入学することになった虹輝とある約束を交わします。それは、これから三年間毎日お弁当を作る事。虹輝も休まず毎日学校に行くことを約束します。 そして、一樹のお弁当作りの日々と、年下の同級生になかなかなじめない虹輝の学園生活がスタートするのでした!

とにかくお弁当がとんでもなく美味しそうです。手の込んだ手づくりおかずは彩りもばっちりで、お弁当箱の蓋を開けるときはこっちまでワクワクします。 オクラの肉巻きやエビの炒め物が印象的でした!中でも美味しそうなのが出し巻き卵です。この映画に出てくる卵焼きはバリエーション豊かで、紅生姜入り、塩昆布入り、ネギ入り、、、といろんな卵焼きが出てきます!卵焼きは、甘い派かしょっぱい派かの二択だと思っていたので(笑)アレンジ卵焼き、とっても食べてみたくなりました。

本当にどのお弁当も美味しそうなんですが、あまりに手が込んでいて、朝からこんな手の込んだお弁当作れるわけあるかい!しかも毎日なんてできるわけがない!と思ってしまうんですが、原作者の渡辺さんのインスタグラムに、実際の毎日のお弁当の記録が残っているんです! 見てびっくりしました!圧巻です!素敵なお弁当の写真がズラーっと並んでます。ぜひ見てみてください。映画は決して誇張していなかった、、!!この実際の写真を見て、改めて、毎朝作るって大変なことだなと思い、父と息子の約束が決して軽いものでなかったことを感じました。

そんな素敵なお弁当ですが、映画のなかで虹輝は素直に喜べなかったりします。一樹がインスタグラムにお弁当の写真をアップしていることもあり、「弁当作りは父親が勝手に楽しんでやっているだけ、自分はそれに付き合ってやってる」と感じてしまいます。もちろんそれもなくはないのでしょうが、親の愛や努力って子供になかなか伝わらないものだなぁと思いました。そういう私も、学生時代に母が作ってくれていたお弁当を当たり前のように思っていた節があるので、虹輝の気持ちもちょっと共感できちゃいました。

一樹がミュージシャンで有名人ということもあり、虹輝としては複雑な気持ちもあったんだと思います。一樹は自由で、自分の好きなことをやって生きていて、虹輝に対しても「父親」として接する、というよりも一人の人間としてありのまま過ごしているように感じました。そこが素敵なところなんですが、何か相談しても「なんでもお前の好きなことを好きなようにやりな」という、考え方の一樹は、息子からするとイライラしちゃうのかもしれませんね。

でも私はこの親子の関係性がとても好きでした。一なぜそこに家を買ったのか、なぜ離婚したのか息子に質問されたとき、一樹は答えになっているような、なっていないような、でもとても素直な理由を答えます。一応「もっとちゃんと説明したほうがいい?」と付け加えるのですが、虹輝は決まって「いや、よく分かった」と答えるのです。感覚的に生きている一樹のアーティスト感が良いし、その答えにうんざりしながらも短い言葉だけで「よく分かっちゃう」虹輝をみて、いい親子だな、と思いました。

映画の冒頭で、「これは毎日のお弁当の物語。それ以上でもそれ以下でもない」と説明が入ります。まさに!それ以上でもそれ以下でもなく、語りすぎない所がとても好きでした。お弁当と共に親子の日々の暮らしが描かれているので、感じ方も人それぞれなんじゃないかと思います。子供目線で見るか、親目線で見るかによっても感じ方が違うと思うし、なんというか、押しつけがましくなくてとても心地よかったです。

あと、びっくりしたのが虹輝を演じた道枝駿祐さんのエンドロールでの歌唱シーンのギャップでした!劇中は、なんだか頼りなさげで、静かで内気なよくいる高校生そのものなのですが、エンドロールで井ノ原さんと共に歌う姿がめちゃくちゃかっこいいんです! ここで歌われる主題歌も、映画の中で一樹たちが歌う挿入歌も原作者の渡辺さんが作詞作曲しているのでそこも楽しめる映画でした!

さて今回はもちろんお弁当を作ろうと思うのですが、映画のお弁当は中身が美味しそうな他に、お弁当箱がいちいちお洒落なんですよね!というわけで、これを機に私もお弁当箱を買ってしまいました!前々から欲しいと思っていた憧れの曲げわっぱ弁当箱!器も用意したので、さっそく作っていきます!印象的だったおかずを作ってみます。 

まずはパプリカとエビの炒め物。エビは背ワタを取って、酒と片栗粉をまぶしておきます。パプリカを一口大に切ってエビと一緒に炒めます。味付けはシンプルにハーブソルトとレモンだけ! 

次はオクラの肉巻きです!オクラをお肉で巻く前に、スライスしたニンジンで巻いているのがこの映画風。まずはオクラを洗って産毛を取り除きガクの部分を切り落とします。ニンジンはピーラーで薄くスライス!さっとゆでたら水気を切って、巻いていきます。ニンジンを巻くのがとてもめんどくさいですが、このひと手間が美味しそうな彩りお弁当につながると信じてがんばって巻いていきます。

上からお肉も巻き終わったら塩コショウを振り、片栗粉をまぶして焼いていきます。照り焼き風の味付けにしました!

そして卵焼きです。塩昆布入りで作ってみました。三回に分けて卵を巻いていきます。 見で端っこを食べてみましたが、塩昆布と卵、合いますね!美味しいです。

あとはおまけにほうれん草の胡麻和えを作って準備完了です! 

ご飯とおかずを詰めていきます。お弁当作りは詰めていく時が一番好き。最後にご飯に梅を乗せて完成です! 

映画では一樹が、どんなお弁当だったら午後からのやる気につながるかなぁと考えるシーンがありました。そんな風に考えて作ってくれてるなんて、お弁当って本当に作る人から食べる人への思いの詰まったメッセージなんだなぁと思いました。

私の作ったお弁当は父の明日のお弁当になりそうです。 蓋を開けた時「おお!美味しそう!」って思ってもらえたらうれしいなぁ。

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今回取り上げた作品はコチラ!

【キャスト】
井ノ原快彦、道枝駿佑、森七菜、若林時英、工藤遥、阿部純子、野間口徹、映美くらら、KREVA、やついいちろう、坂井真紀、倍賞千恵子

【スタッフ】
監督:兼重淳
原作・音楽:渡辺俊美 (TOKYO No.1 SOUL SET)『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』

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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
今後の公開予定作品:映画「種まく旅人〜華蓮(ハス)のかがやき〜」
その他:共感シアター「KIQ STATION」でキャスターとしても活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/

 

※瀬田ミナコが出演中の「KIQ STATION」アーカイブ動画はこちら!