MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』進化を続けるマーベルが放つ異色で出色のア クション。これが新章の幕開けだ!

◆公開中の注目作 
シャン・チー/テン・リングスの伝説

マーベルは常にユニークな作品を発表してきた。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)とは、数々のヒーローたちを同じ世界にいるものとして扱った映画群だ。連続ドラマのように、作品を重ねる度にその世界で新たな歴史が紡がれていく。どれもコメディを基本とし、一貫したテイストがあるため、観客の頭には「マーベル映画」というある一定のイメージがあるだろう。しかしよく見ると、各作品にはそれぞれ色濃い特徴がある。

ちょうど1年前に43歳の若さで惜しくもこの世を去ったチャドウィック・ボーズマン主演の『ブラックパンサー』では、スタッフ・キャストのほとんどが黒人だった。夢の都のはずが桃源郷にはほど遠く、ハリウッドには長らく「白人俳優でないと客が入らない」という神話があった。ところがどっこい、現在同作の興行収入は世界で12位の位置にある。またマーベル映画ではないが、ラブコメ『クレイジー・リッチ!』はスタッフ・キャストをアジア系で固め大ヒットを飛ばした。ちなみに、中国での売り上げはあまり寄与しておらず、紛れもなくアメリカでのヒットだ。そして『シャン・チー』はマーベルで初めて、アジア系を橙…おっと、大々的にフィーチャーした作品である。監督は日系アメリカ人の母親を持つデスティン・ダニエル・クレットン。彼はドラマ映画の経験しかないが、マーベルはこれまでも同様の人選で作品ごとに独特の彩りを加えることに成功してきた。

本作には何とカンフー・武侠映画のエッセンスが含まれ、驚異的な身体能力とファンタジーが融合した、実に銀幕映えするアクションが拝める。キャストはカンフー映画『グランド・マスター』のトニー・レオン、武侠映画『グリーン・デスティニー』のミシェル・ヨー、さらに『クレイジー・リッチ!』のオークワフィナと最強の布陣。シャン・チー役のシム・リウは、本作の映画化決定時に冗談でマーベルに「話し合いしようか?」とツイートしたのがきっかけで、本当にこの役を手に入れてしまった32歳のシンデレラボーイだ。だが青二才だと茶々を入れるなかれ、世界の武術家から特訓を受けた彼が紫電のごとく素早く躍動する様を見れば、ただの運で選ばれたのでないのは明白だ。まだ無名だが、すぐに黄金に輝く星となり、黄色い歓声が飛ぶだろう。白い絵の具だけでは綺麗な絵は決して描けない。“白人神話”など真っ赤な嘘だと改めて証明する大ヒット作になるのを信じよう。

 

文:屋我平一朗(ホラーが主食の映画ブロガー)

【ストーリー】
アメリカ・サンフランシスコで平凡なホテルマンとして暮らすシャン・チー。彼には、かつて父が率いる犯罪組織で最強の武術を身に付け、組織の後継者になる運命から逃げ出した秘密の過去があった。しかし、悪に染まった父が伝説の腕輪《テン・リングス》を操り世界を脅かす時、彼は宿命の敵となった父に立ち向かうことができるのか?

【キャスト】
シム・リウ、トニー・レオン、ミシェル・ヨー、オークワフィナ

【スタッフ】
監督:デスティン・ダニエル・クレットン

公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/shang-chi.html

バックナンバー