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『ドント・ブリーズ2』 死にたくなければ、息を殺せ。あの最恐の作品が刺激を増して劇場にカムバック!

◆公開中の注目作 
『ドント・ブリーズ2』

前作『ドント・ブリーズ』は、主人公である3人の若き強盗と、盲目の老人ノーマンの死闘を描いたフレッシュなスリラーだった。ノーマンの後ろ暗い過去が明らかになるにつれ、「強盗vs老人」から「チョイ悪vs極悪」という構図に。「盲目」の「老人」のため“か弱い”はずの彼が暗闇を駆使し、尋常でない聴力と戦闘力で相手を圧倒するという捻りの効いた設定と先の読めないストーリー、そして絶妙なタイミングで繰り出されるショック描写で前作は好評を博し、さすがのノーマンもかなりの痛手を負う形で物語は幕を閉じた。

あの衝撃から5年、まさか続編が作られるとは!前作の事件から8年後、なんと彼は生きており、“娘”として謎の少女を育てていた……。少女の名はフェニックス、まさにノーマンは不死鳥のようにスクリーンに蘇った。「息を殺せ」というタイトル通り、強盗も観客も気が張り詰めた前作だったが、今度のノーマンは“娘”に優しく話しかける。「ブリーズ(息をしろ)」と……。彼は改心したのだろうか?

本作でのノーマンの敵は“娘”を誘拐しようとする暴漢たちだ。脚本を担当したのは、監督のロド・サヤゲスと前作の監督であるフェデ・アルバレス。実はこの2人は前作の脚本も務めていたので、ノーマンがどうやって敵の位置を把握し、撃破していくのかというシリーズの醍醐味はきっちり引き継がれている。お馴染みの二転三転するストーリー展開も健在だ。フェニックスも単なる“囚われの姫君”になっておらず、彼女のパートも中だるみせず楽しめる。

前作を凌駕しているポイントは主に2つ。残酷描写の強烈さと、キャラクターの掘り下げの深さだ。前作はPG12だったが、本作はR15+。ホラー映画好きで恐怖シーンのタイミングが予期できる方でも、そのあまりに痛そうな刺激たっぷりのバトルシーンを楽しめるだろう。キャラクターの掘り下げの点では、シリーズのアイコンながら、前作である非道な行いに手を染めたノーマンを主人公にするのは、妥当ではあるがリスクのある選択でもあった。しかし前作から適度な期間が空いており、少女の保護者というポジションを与え、さらにその少女を誘拐するさらなる悪を登場されたために、彼にヒーロー的な一面を背負わせることに成功している。この場で一つだけ言えるのは、悪人にも善い行いはできるということだ。嘘つきの狼少年は最後に真実を口にした。飢えた狼のようなこの老人もまた……?

 

文:屋我平一朗(ホラーが主食の映画ブロガー)

【ストーリー】
人気のない郊外の古びた屋敷に住む、ある盲目の老人。彼はその屋敷で一人の少女を大切に育て、二人だけで静かに暮らしていた..。その男こそ、8年前、強盗に押し入られた被害者として生きているが、実は強盗団を惨殺した過去をもつ、あの盲目の老人だった…。ある日、謎の武装集団が老人の屋敷に静かに忍び込む。その目的は少女――。暗闇の中、全てを知り尽くした屋敷内で全員の抹殺を試みるも、訓練されていた集団は老人を襲い、火を放つ。命からがら炎の中から逃げ出したが、そこに少女の姿はない。目覚める狂気の怒り。老人は己の手で大切に育てた少女を取り戻すため、武装集団の後を追う……。その集団はなぜ少女を狙うのか、少女はいったい何者なのか、老人はなぜ少女に固執するのか。全ての真実を知ったとき、前作を超える衝撃に息が止まる――。

【キャスト】
スティーブン・ラング、ブランドン・セクストン3世、マデリン・グレース

【スタッフ】
監督:ロド・サヤゲス

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