MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『いのちの停車場』感涙必至!“いのちのしまい方”を描くヒューマンドラマ

◆公開中の注目作 
『いのちの停車場』

医療モノの映画というと「いのちを助ける」ことに目が行きがちである。しかし、今回ご紹介する「いのちの停車場」が描くのは<停車場>のワードが表すように“いのちのしまい方”。尊厳死・安楽死などの医療制度のタブーに正面から静かに向き合いながら、見終わった後には観客自身が“生きる”希望の湧いてくるヒューマンドラマとなっている。

物語の主人公は東京の救命救急センターで働いていた、医師・白石咲和子(吉永小百合)。彼女はある事件の責任をとって救命救急センターを退職し、実家の金沢に帰郷し小さな診療所で在宅医として働くことになる。ところが、その診療所では<患者の生き方>を尊重する治療を行っており、今まで<助ける>ことを一番にしていた白石は考え方の違いに困惑する。しかし、様々な事情から在宅医療を選択し、治療が困難な患者たちと出会う中で、白石は次第に患者に向かい合い<いのちのしまい方>を考えていく…という物語となっている。

原作者は都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師の南杏子。作家として本作「いのちの停車場」に加え、「サイレント・ブレス」(2016 年刊行)や、NHKにてテレビドラマ化され話題を呼んだ「ディア・ペイシェント」(2018 年刊行)を世に送り出している。そんな現役医師の描く患者たちは、通常の医療ドラマ以上にリアルである。とりわけ、劇中に登場する小児癌患者の小さな少女には心打たれる。難病を抱えながらも、彼女は「海に行き、人魚を見る」夢を持ち続ける。そんな彼女と向き合うなかで、白石は助けるだけではない、彼女の<生きる道>を懸命に切り開いていく。

そしてこれら重厚な物語を支えるのは、日本屈指の俳優たち。主演の吉永小百合だけでなく、西田敏行、若手からは松坂桃李と広瀬すずが出演している。人生には何度も立ち止まってしまうことがある。その中で、自分自身がどう進みたいのか。限りある「いのち」だからこそ、他人の“当たり前”にとらわれずに“ありのまま”に生きることを考えさせられる。そんな<生きる>パワーをもらうことができる本作、是非劇場でご覧ください!

【ストーリー】
東京の救命救急センターで働いていた、医師・白石咲和子(吉永小百合)は、ある事件の責任をとって退職し、実家の金沢に帰郷する。久々に再会した父(田中泯)と暮らし、触れあいながら「まほろば診療所」で在宅医として再出発をする。「まほろば」で出会った院長の仙川徹(西田敏行)はいつも陽気な人柄で患者たちから慕われており、訪問看護師の星野麻世(広瀬すず)は、亡くなった姉の子を育てながら、自分を救ってくれた仙川の元で働いている。ふたりは、近隣に住むたった5名の患者を中心に、患者の生き方を尊重する治療を行っていた。そこへ東京から咲和子を追いかけてきた医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)も加わり「まほろば」のメンバーに。様々な事情から在宅医療を選択し、治療が困難な患者たちと出会っていく中で、咲和子は「まほろば」の一員として、その人らしい生き方を、患者やその家族とともに考えるようになってゆく。その時、父が病に倒れ・・・。父はどうすることもできない痛みに苦しみ、あることを咲和子に頼もうとしていた—。

【キャスト】
吉永小百合、広瀬すず、松坂桃李、石田ゆり子、田中泯、西田敏行 ほか

【スタッフ】
監督:成島出

公式サイト:https://teisha-ba.jp/

バックナンバー