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『ファーザー』映画ファン必見、御年83歳アンソニー・ホプキンス史上最高の演技!

◆公開中の注目作 
『ファーザー』

2025年には高齢者のうち5人に1人がかかるとも言われる「認知症」。自分と親しい人が自分のことを次第に忘れていくことは、正直怖い。しかし、この映画を見ると普段は知ることのない“認知症にかかった側”にも、切ない想いや忘れてしまう恐怖があることが分かる。

原作は日本を含め世界30か所以上で上演された舞台「Le Pere 父」。認知症を扱った物語の多くは、忘れていくことを悲しむ周囲の人間側が描かれる。しかし、本作は画期的な表現と見事な脚本で認知症の父親の視点を描くことを成し遂げた。例えば、主人公の住む家。劇中で微妙な変化をするが変化させたのは「家具」と「色」のみで、構造からドア、窓、幅木に至るまで同じにした。また「娘」と名乗る人物も、劇中で何度か違う人物を使うなどしている。そうすることで観客は、主人公と同じように過去の自分の記憶と全くリンクしない事実に、何が現実か、幻想か、出口のない答えを探す気持ちを体感させられるのだ。

そしてその気持ちに説得力を持たせるのはやはり<アンソニー・ホプキンスの圧巻の演技>である。大方の予想を覆し、第93回アカデミー賞で2度目の主演男優賞を受賞した演技は、息を飲むほど凄い。娘を忘れ、他人はまだしも自分さえも分からなくなっていく恐怖を観客は彼の目だけで知ることができるのだ。またそこに先ほどの映像も重なり、自分自身もまるで認知症を体感しているような気持ちにさせられる。

そのアンソニー・ホプキンスを支える娘を演じるのは「女王陛下のお気に入り」で主演女優賞を演じたオリビヴィア・コールマン。実力も経験も映画界で突出している2人の演技は、映画ファンには見ごたえのあるものとなっている。是非、アンソニー・ホプキンスの<史上最高の演技>とまで言われた演技を劇場でご覧ください!

【ストーリー】
ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニーは記憶が薄れ始めていたが、娘のアンが手配する介護人を拒否していた。そんな中、アンから新しい恋人とパリで暮らすと告げられショックを受ける。だが、それが事実なら、アンソニーの自宅に突然現れ、アンと結婚して10年以上になると語る、この見知らぬ男は誰だ? なぜ彼はここが自分とアンの家だと主張するのか? ひょっとして財産を奪う気か? そして、アンソニーのもう一人の娘、最愛のルーシーはどこに消えたのか? 現実と幻想の境界が崩れていく中、最後にアンソニーがたどり着いた〈真実〉とは――

【キャスト】
アンソニー・ホプキンス、オリビヴィア・コールマン ほか

【スタッフ】
監督:フロリアン・ゼレール

公式サイト:https://thefather.jp/

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