『ランボー ラスト・ブラッド』孤独だった男が愛する娘のために最後の戦いへ!!

◆公開中の注目作 
『ランボー ラスト・ブラッド』

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御年74歳を迎えたシルベスター・スタローン。彼にとって、『ロッキー』シリーズと並ぶライフワークとなった『ランボー』シリーズの最新作にして完結編、『ランボー ラスト・ブラッド』がついに公開される。最初に言っておきたいのが、このシリーズは「ベトナム戦争の英雄が、戦場に舞い戻って敵を殺しまくる荒唐無稽なヒーロー映画」などでは決してない、ということだ。主人公のジョン・ランボーという男は、日本語で“乱暴”という言葉に揶揄されるような男ではない。むしろできれば戦いたくない男である。

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『ロッキー』は、ただのゴロツキではないことを証明するために、場末のボクサーが世界チャンプへ挑む姿を描いた。そしてシリーズを通して主人公ロッキー・バルボアは家族に恵まれ、弟子にも恵まれた。そんなポジティブな姿と比べて、この『ランボー』シリーズで描かれてきた主人公の姿は、常に孤独でネガティブな男だった。

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ベトナム戦争で国に尽くしたにもかかわらず、母国に帰れば不当な扱いをされ、そのうっぷんが爆発した1作目。されど母国のためならば、とベトナムに残された捕虜を助けたら、またしても国に裏切られ怒りが爆発した2作目。世話になった上官を助けるために、単身アフガンへ乗り込んだ3作目。そして3作目から20年。前作にあたる『ランボー/最後の戦場』では、ついに還暦を迎えたランボーがそれまでの自分の人生、そして自分自身を受け入れる。“戦いこそが自分の運命、母国でも誰かのためでもない、自分のために殺す”と悟りを開いたランボーは、凄まじい暴力描写で映画ファンの度肝を抜き、1作目から数えて30数年、ついにランボーは母国へと帰ったのだった。

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そんな完璧な結末を迎えたと思われたシリーズだったが、ランボーは最新作『ランボー ラスト・ブラッド』で、またしても戦いに身を投じることになる。孤独でネガティブだったランボーは故郷に帰り、牧場を営み、古くからの友人である女性マリア、その孫娘のガブエラとともに幸せに暮らしていた。しかし、自分を捨てた父親がメキシコにいると知ったガブリエラは、ランボーの反対も聞かずに一人でメキシコの危険地帯に足を踏み入れ、人身売買組織に拉致されてしまう。“人身売買組織に拉致された娘を父親が奪い返しに行く”と聞くと、リーアム・ニーソンの傑作アクション『96時間』を思い出す人も多いかもしれない。そして、これまでのシリーズを観ずにこの映画だけを観れば、その例に漏れない映画だと思ってしまうのも仕方がない面はあるだろう。

しかし『ランボー』シリーズのファンなら、これまでのランボーの歩みと心情に寄り添ってきたファンなら、この映画が『96時間』とは一味も二味も違うことに気づくはずだ。その要因をここで述べたいのだが、あまりにも結末に深くかかわることなので詳しくは書けない。しかしひとつ言えるなら、『ランボー』シリーズは、決して安易なハッピーエンドを迎える作品ではない、ということだ。

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戦争しか知らないネガティブな男が、祖国を恨み、戦い続け、そして前作ですべてを受け入れた。そんな中、ようやくつかんだ幸せが危機にさらされる。前作から最新作の間に、ランボーは何をしていたのか。家族の危機にランボーという男はどういう決断を下し、何をするのか。今作の『ラスト・ブラッド』というタイトルは、1作目の原題『First Blood』というタイトルのアンサータイトルになっている。そして1作目には原作があり、そのタイトルは「一人だけの軍隊」である。70歳を超えたジョン・ランボーが、愛する家族を奪った相手に仕掛ける“最後の一人だけの戦争”をぜひ劇場で見届けてほしい。

(文:稲生D)

 Rambo Last Blood

【あらすじ】
グリーンベレーの戦闘エリートとして活躍していたジョン・ランボーは、いまだベトナム戦争の悪夢にさいなまれていた。ランボーは祖国アメリカへと戻り、故郷のアリゾナの牧場で古い友人のマリア、その孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていた。しかし、ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致されたことで、ランボーの穏やかだった日常が急転する。娘のように愛していたガブリエラ救出のため、ランボーはグリーンベレーで会得したさまざまなスキルを総動員し、戦闘準備をスタートさせる。

【キャスト】
シルヴェスター・スタローン、パス・ベガ ほか

【スタッフ】
監督:エイドリアン・グランバーグ

公式HP:https://gaga.ne.jp/rambo/

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