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『リチャード・ジュエル』イーストウッドが私たちに問うマスコミの在り方

◆公開中の注目作 
『リチャード・ジュエル』

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御年89歳のクリント・イーストウッドは21世紀に入り、特に監督業で素晴らしい成績を残している。『ミスティック・リバー』、『ミリオンダラー・ベイビー』、『チェンジリング』、『インビクタス』、『アメリカン・スナイパー』・・・いずれもジャンルも違えば扱うテーマも異なっている。しかし、どの作品も素晴らしい作品であり、代表作を出すことが逆に難しいぐらいだ。そんな彼の新作が本作『リチャード・ジュエル』だ。

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本作は実際に起こった事件を基に描かれている。1996年のアトランタ五輪の最中に爆破事件が起こり、その時会場の警備をしていたリチャード・ジュエルという男性は、当初は彼のおかげで多くの人の命が救われたとされた。しかし、後日彼は容疑者としてFBIからの取り調べを受けることになってしまい、マスコミの執拗な追及に追われてしまう。

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本作で描かれているのはマスコミの暴走だ。まだ容疑者の段階で、リチャードが犯人であると決まっていない段階で彼を極悪人であると糾弾し、英雄であるはずの男を精神的に追い詰めた。いわゆるメディアリンチを描いた映画で、イーストウッドはメディアの在り方やその危険性を厳しく追及している。これは現代にも通じる重要なテーマだ。特に今の時代はSNSというツールがあり、誰もが情報の発信者になり得て、それが真実になり得てしまう恐ろしさをはらんでいる。

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ちなみに本作はもともとレオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒルのコンビで主演が予定されていたが、彼らは諸般の理由でプロデュース業に専念。キャスト陣はサム・ロックウェルを始め実力派俳優が勢揃いし、見事な演技を見せてくれた。特に本作の演技でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたキャシー・ベイツの演技は素晴らしかった。

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誰しもが容易に情報を扱えるようになった今の時代。先程も述べたが、誰しもが情報の発信者になる事が出来、それが真実として世に拡散されやすい時代である。しかしそれは同時に個人個人の情報リテラシーをより高める必要性があることの裏返しだ。何が真実で、何が虚偽なのか。ただ情報を鵜呑みにするだけではダメなのだ。イーストウッドは今を生きる私たちに大きなテーマを問いかけている。

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【あらすじ】
1996年、アトランタで開催されたオリンピックで爆破テロ事件が発生する。警備員のリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)が爆弾の入ったバッグを発見したことで、多くの人々の命が救われた。だがFBIは、爆弾の第一発見者だということを理由に彼を容疑者として逮捕。リチャードを担当する弁護士のワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)が捜査に異議を唱える中、女性記者のキャシー・スクラッグス(オリヴィア・ワイルド)の記事をきっかけに容疑の報道は熱を帯びていく。

【キャスト】
ポール・ウォルター・ハウザー、サム・ロックウェル、キャシー・ベイツ ほか

【スタッフ】
監督:クリント・イーストウッド

公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/richard-jewelljp/

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