有村架純・志尊淳・森ガキ侑大監督登壇！ドキュメンタリー映画『人と仕事』完成報告会トークイベントを実施！

2021.09.16

有村架純・志尊淳・森ガキ侑大監督登壇！
『人と仕事』
完成報告会トークイベントを実施！

『新聞記者』（19）、『パンケーキを毒見する』（21）など、話題作を世に送り出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画、有村架純と志尊淳という、名実ともに今最旬の2人を迎え、コロナに打ちひしがれた日本の職場で、「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる保育士、介護士などの人々、声なき仕事人達の現状をレポートするドキュメンタリー映画『人と仕事』が10月8日(金)より全国3週間限定で劇場上映される。

今回、映画の完成報告トークイベントが実施され、本作に出演した有村架純、志尊淳、メガホンを取った森ガキ侑大監督が登壇した。

当初は、有村と志尊で保育⼠をテーマにした劇映画として制作される予定だった本作だが、新型コロナウイルスの影響で企画は中止に。しかし、河村プロデューサーのアイデアでスタッフはそのままでドキュメンタリー映画として制作されることとなった。企画の変更について有村は「こう言った状況で、日々順応しなきゃいけないという覚悟はあるんですけど、実際に撮影できなくなったのは当然ショックでした。心の準備はしてたけど、それをドキュメンタリーにしないかと言われたときに、不安でとても悩みました。事務所の方や、森ガキさんたちと沢山話をしました。」と素直な気持ちを語った。さらに「話し合いを重ねて、自分本位なドキュメンタリー映画ではなく、きっと皆さんに寄り添うような作品になるのかなと感じて、一緒に頑張りたいという気持ちになりました」と心境の変化を語った。志尊も「作品を絶やしたくないという思いがありました。ドキュメンタリーは筋書きが無くて未知の部分がありましたが、河村さんの作品を絶やさないという思いに、少しでもお力添えできることがあればと、精一杯取り組たいと思いました。」とオファーを受けた当時を振り返った。

劇映画から一変、ドキュメンタリー映画を撮ることになった森ガキ監督は「正直、途中くらいまでこれ成立するのかなってドキドキで。有村さんと志尊君に『どういう方向に⾏くんですか』と最初の段階で聞かれたんですけど、『正直まだ分からない』としか言えませんでした。でも記録的にしていけば嘘偽りないものになるのではないかなと思って、僕も探りながら作っていきました。色んな展開が枝葉のように進んで行ったとき、これはちゃんとしたドキュメンタリー映画になると確信を持てるようになるまでは時間がかかりました。」と監督自身も迷いながら撮影し完成させた作品であることを明かした。

映画では有村と志尊が様々人々の話を聞いていく。志尊はインタビューを振り返り「僕が表面的に想像していた苦悩よりも、皆さんはるかに深い所でそれぞれ苦悩を抱いていました。一人一人が感じられていることは本当に大きくて、それを知ることができてよかったです。」と語った。有村も「一人の人間対人間で話すことが出来た気がします。表面的な悩みや葛藤の奥にあるものを一部分でも知ることができたのが大きくて。改めて人と会って話すことを大事にしなきゃいけないと思いました。人の温もりも会わないと感じられないし、実際に会って顔を見ないと分からない事っていっぱいあるなと思いました。」と語った。

本作で有村と志尊はコロナ禍によって苦境に立たされた「エッセンシャルワーカー」に取材、その仕事を実際に体験している。その体験について志尊は「色んな職業の方が持っている悩みを聞いて、正解はないですけど、聞いて感じたことを劇中でお話しさせていただきました」と語った。有村も保育⼠の体験を振り返り「とても楽しい時間を過ごさせていただいて、子供と触れ合ってすごいエネルギーをもらって元気になって帰りました。」と振り返りながらも「毎日朝からお子さんが帰られるまで、帰ってからの事務作業までされていると、より大変なんだろうな。好きって気持ちがないと仕事は続けられないなって思いました。」と仕事について感じたことを語った。

緊張したシーンについて聞かれると志尊は「渋谷でゲリラで⾏こうって森ガキ監督と思いついたんですけど、映ってませんけど10人くらいに無視されてるんですよ。もう心が痛くて。そういう気持ちで、街頭インタビューされてる方っているんだろうなっていうことがわかりました。森ガキさんも『メンタルもたないんで帰りたいです』といってましたね（笑）」と渋谷でのシーンを振り返った。有村は「私はゲリラには参加しませんでしたけど、皆さんと会う時はやっぱり緊張します。喋りはそんなに得意じゃないので、監督にも心配事言いながら。皆さんと喋る時は緊張してました。」とコメント。

映画では有村と志尊が2人きりで語り合うシーンがある。監督はこのシーンについて「職業柄もありますが、2人ともカメラを向けると構えてしまうので、どういう方法なら2人が緊張せずに本音を語ってくれるのかなって。そこで実験的にカメラだけ置いて、撮れない可能性も全然あるので、ハラハラしながら2人に託しました。その時に2人が真摯にテーマについて向き合ってる映像を見たときに河村さんと、新しい映画ができたかもねって話をしました。」と語る。一方このシーンについて志尊は「森ガキ監督からは『全然カットするから何話してもいいから気にしないで！』と言われたんですよ。それなら本音でぶつかってみてもいいかなと思ったんですけど、すんごい使われてました（笑）」と笑いを交えながら振り返る。有村も「結構使ってんなって思いました（笑）」と会場を笑わせながらも、「この作品では志尊さんと数回しか会ってなくて、その短い時間の中で腹を割って本音で話すってハードルが高いと思ったんですけど、一回話してみたら意外と言葉が出てきて。きっと志尊さんは『こんなこと思ってるのかよ』って思ったかもしれないですけど（笑）」と、本音の言葉が溢れたシーンを振り返る。

イベントの最後には3人から映画を楽しみにしている方へメッセージが。有村は「仕事という存在は私にも無くてはならないもので、とても自分自身に影響を与えている存在です。皆さんと一緒に仕事という意味や価値を咀嚼しながら考えていけたら嬉しいなと思います。」と本作への想いを語った。志尊は「普段関わることがない人たちがどう感じているのか精一杯聞いてきました。僕自身、価値観であったりとか考え方、色んなことを感じることが出来ました。それを皆さんと共有したいと思っています。今だから表現できる作品になっています。」と語った。森ガキ監督は「生き方を通じて仕事ってなんなんだろう、仕事を通じて人ってなんなんだろうっていう、原点に帰る映画になっているのかなと思います。このコロナ禍で一人でも⾟い思いをしてる人が、ちょっとでも何かを考えるきっかけになればこの映画を作った意味があるし、希望の光が多くの人に届く作品になったと思っています。若い方から年配の方まで、沢山の人に見ていただけたらと思っています。」と熱い思い語り、トークイベントは締めくくられた。

取材：ウメ氏（スチールブック愛好家）