MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

映画『空白』「9・89(くうはく)の日」にちなみ「白」演出でのトークイベント開催!

古田新太の狂気が、登場人物全員を追い詰める!
映画『空白』
「9・89(くうはく)の日」にちなみ「白」演出でのトークイベント開催!

主演・古田新太、共演・松坂桃李の映画『空白』が9月23日(木・祝)から全国公開となる。本作は、第43回日本アカデミー賞三冠を獲得した『新聞記者』(19)、現実の祖父母殺人事件にインスパイアされた『MOTHER マザー』(20)、その他、『ヤクザと家族』(21)など、意欲的・挑戦的なテーマの作品を次々と生み出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画、『ヒメアノ〜ル』(16)、『愛しのアイリーン』(18)、『BLUE/ブルー』(21)など衝撃とともにその才能を見せつけた田恵輔とタッグを組み、現代の「罪」と「偽り」、そして「赦し」を映し出すオリジナル脚本で挑むヒューマンサスペンス。

物語は、中学生の万引き未遂から始まる。中学生の少女がスーパーで万引きを疑われ、店長に追いかけられた末に車に轢かれて死亡してしまう。娘のことなど無関心だった少女の父親は、せめて彼女の無実を証明しようと、店長を激しく追及するうちに、その姿も言動も恐るべきモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていく。そして、日本映画史に残るであろう感動のラストシーンは、田監督史上最高傑作との呼び声が高い。

観る者の心臓をあわだてる悪夢のような父親・添田充に、劇団☆新感線の看板役者で、世界にただ一つの存在感を打ち立てた古田新太、7年ぶりの映画主演作に挑む。土下座しても泣いても決して許されず、人生を握りつぶされていくスーパーの店長・青柳直人に、『新聞記者』でアカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた松坂桃李。本作が初共演となる古田新太と松坂桃李の息もつかせない圧巻の競演が襲いかかってくる。


 
今回、映画の公開に先駆け、作中で強烈なバトルを見せた古田新太、寺島しのぶ、そして吉田恵輔監督が登壇するプレミアトークイベントが実施された。9月8日9日をもじり「9・89の日(くうはくのひ)」と名打ち、この二日間では全国試写会や配信などさまざまなプロモーション展開を実施。本イベントでは、映画『空白』にちなみ会場や衣装を「白」に統一し、くもりなき「空白」の空間で、松坂桃李さんの土下座が大きく映されたスクリーンをバックに作品について語り合いました。またMCには、赤ペン瀧川ならぬこの日限りの白ペン瀧川を迎え、スライドを使用し作品を徹底解説しました。

映画本編を見て「大号泣した」という熱のこもった白ペン瀧川のプレゼンが一気に終了し、一息ついたところで感想を求められた監督は「宣伝スタッフが作っているものよりも出来がいいね!笑」と大絶賛。寺島も「…観たくなりますね!」と気に入った様子だったが、古田だけは「観終わった気分。」とつぶやき会場の笑いを誘いました。
 
出演のきっかけは「たまたまスケジュールが空いてたから」
そんな古田に、本作の脚本を読んだ感想と出演を決めた経緯を聞くと、「脚本を読んだ時、なんで俺〜?と思った。ひとつも作品(の中で)でふざけてないから。」と冗談ともつかず語ると赤ペン滝川に、「なんで出演を決めたんですか?」とつっこまれ「たまたまスケジュール空いてたからね。」とニコニコ。反して寺島は「すごいキャラクターだからあんまりやりたくない役だったけど(笑)監督のお話を聞いて、やはり本がとても良かったのでそれでやる気にさせられました。」と当時を振り返った。

日本のソン・ガンホ
そんな古田と寺島を起用した監督は、「この脚本を書いているとき、韓国ノワールっぽさを感じたんですよね。ソン・ガンホが頭に浮かんで、日本の俳優でいうと…あ!古田さんだ、とハマったので、イメージしながら書きました。あとは、古田さんのスケジュールが空いていたからです(笑)」と、古田をイメージして当て書きをしていたことを明かす。そんな監督は前作『愛しのアイリーン』で組んだスターサンズ・河村プロデューサーとの再タッグについて聞かれると「チームがすごい良かったので、アイリーンの撮影中に(新作の)プレゼンをしようと思ったんです。どういうふうに折り合いをつけるか、をまず脚本に落としたら、河村さんは話4割くらいで「最高じゃん!!」と言ってくれて(笑)。」と、“アイリーンチーム”に全幅の信頼を寄せつつも、早めに脚本を書き上げて再タッグを狙ったという、『空白』が生まれた瞬間のエピソードを披露した。

スーパーの店長、青柳を演じた松坂桃李に古田と寺島がぼやく
本日は、登壇が叶わなかったスーパーの店長、青柳を演じた松坂桃李について話題が及ぶと、古田は「『パディントン』でご一緒して、その時から交流がありました。素直なお芝居をする人だなあと、イメージ通りで安心していました。ただ、撮影中にみんなでお酒を飲みに行ったりするんですけど、桃李だけは誘っても来てくれなかったなあ。多分役に入り込んでたからかな。と思ったけど、結局オールアップしてからも来てくれなかった…。」とぼやくと、寺島も監督も大笑い!

寺島は、青柳のスーパーでパートをしている店員の役どころだが、松坂との共演について聞かれると「正直、もう少し違う役で出会いたかったかなあ。彼を守るために頑張っている人で、そこに嘘はなかったけど、熱量が過剰すぎて、ちょっとアプローチかけても(松坂が)ひゅうっと引いていく感があったので…。」と切ない気持ちでお芝居していたことを明かした。そんな古田と寺島のシーンはスクリーンではスリリングに描かれているが、監督は「桃李君は、古田さんと寺島さんを相手に、ゴジラとコングに挟まれてる気持ちでしたよね。」とその状況を映画に例えて表現すると、古田が「監督、怯えている桃李くんを見ているのがすごく楽しそうだったよね。(現場の雰囲気は)和やかだったけど、怯えているのは桃李だけ。」と、改めて松坂を楽しそうにいじった。

「全員被害者。全員加害者。」というコピーにちなみ、「こんな誤解されたことがあります。」というエピソードを聞かれると「パンツにスカートを挟み込んだ女性を駅で見つけて、(教えてあげようと)声をかけたら「ひゃぁぁぁ」と驚かれて逃げてしまった。」と誤解されたエピソードを古田が披露すると、寺島は「私はシャイなので、ぶっきらぼうに冷たい言葉を発してしまうことがある。初対面の人には誤解されてしまうこともあるので、無闇にキツい言葉を言ってはいけないなと思う。」と自戒を込めて語った。

本作『空白』の登場人物をみて、自分にもこう言うところがあるなあ、もしくはあったなあ、という質問に対して監督は「自分が一番正しいと思っている人が映画にはたくさん出てくるんですが、自分も無意識に映画の話をしているとマウントとっていることがあって、帰りの電車で後悔する。」古田は、「わざと「お前のためにやっているんだぞ」って態度をとることがある。」寺島は、「(自身が演じた)草加部のように、絶対こうだよ、と子どもにも植え込もうとする瞬間があって、いかんいかんと感じる。」と語った。

最後に、『空白』の登場人物の中で一番怖い人を聞かれると、古田は「麻子(寺島)一択!ああいう親切の押し売りする人、普通にいるじゃないですか。でも麻子さんはそれに気づかないまま生きていくんだろうなあとも思った。」と言い切り、監督も「妙なリアリティを寺島さんから感じて余計に怖かった。」と草加部麻子のキャクターと寺島の演技力について「一番怖い」認定をすると、寺島は「チャーミングに演じたんだけどなあ。」といいながら「私が一番怖いと思ったのは古田さん。だって撮影前にタバコを吸っている姿と、撮影始まった古田さん、全く変わらないんだもの!」と言うと「何も足さない、何も引かない、美味しいタバコのようなもの。」と懐かしいフレーズに会場の笑いを誘った。

9月23日の映画公開に向けてのメッセージ 
古田「面白い作品になりました。あまりこういうことを言わないんですけど、沢山の人に見ていただきたい。答えが一つじゃないので、本来なら居酒屋で見終わった後に語ってほしいところです。色んな人に見て頂いて、色んな意見を聞きたい、老若男女みなさまに見ていただきたい作品です。」

寺島「和気あいあいとした現場でしたが、出来上がりはとても緊張感のある作品になりました。評判も上々で演者として嬉しい限りです。スカッとする映画ではないが、少しでもみなさまの心に火がつけばいいなあと思います。宜しくお願いします。」

吉田監督「上手い人たちだけを呼びたいと思って作品を作りました。芝居ってこういうことなんだ、という経験したことのない“奇跡“をこのお芝居で感じました。それは映画の中に宿っているので、是非みなさまに感じて欲しいです。」

現場の雰囲気さながらに、古田新太、寺島しのぶ、そして田恵輔監督の楽しいトークイベントが終了しました。『空白』は9月23日(木・祝)より、全国公開。

【キャスト】
古田新太、松坂桃李、田畑智子、藤原季節、趣里、伊東蒼、片岡礼子、寺島しのぶ

【スタッフ】
監督・脚本:吉田恵輔
音楽:世武裕子
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
プロデューサー:佐藤順子
撮影:志田貴之
制作プロダクション:スターサンズ
撮影協力:蒲郡市
配給:スターサンズ/KADOKAWA
製作:2021『空白』製作委員会
(C)2021『空白』製作委員会
公式HP:kuhaku-movie.com

9月23日(木・祝)全国公開