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「スターサンズ映画祭」DAY5『ヤクザと家族 The Family』/『新聞記者』から始まった藤井監督と河村光庸プロデューサーの軌跡を語る!

監督、プロデューサーが集結、映画ファンとの交流を図る、ファン必見の
「スターサンズ映画祭」DAY5
『ヤクザと家族 The Family』
『新聞記者』から『ヤクザと家族 The Family』への軌跡
岩代太郎(音楽)が、『ヤクザと家族』に懸けた情熱の制作裏話を暴露!

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最終日を飾る『ヤクザと家族 The Family』上映会は満席。多くのファンの方々に受けつくされた会場を見て満面の笑みを浮かべる藤井監督と河村プロデューサー。MC から2 人の最初の出会いを聞かれると、藤井監督は「『新聞記者』がクランクインする4 ヶ月くらい前でしたね。急に電話がかかってきて宮益坂のパン屋で会ったんですけど、河村さんから『こういう映画やろうと思うんだよ!』とバンッと出されたのが『新聞記者』でした。タイトルを聞いて、その帰り道でマネージャーさんに『やりません』と断ったのが最初の出会いでした(笑)」と観客もビックリするような出会った当時を語る。一方の河村は「会って話してみたら、新聞を見たことがない、政治に全く興味が無いと言われましたが、『やって』と(笑)。彼なら上からでも下からの目線でもない、同一の目線でやれると確信を持ってました。それ以前に『青の帰り道』を見ていて、久しぶりに青春の息吹みたいなパワーを感じて、この監督ならなんでも出来るなと思ったんです。」と出会った当初から藤井監督に先見性みいだしていたことを明かした。

最初は断るところから始まった関係だが、『新聞記者』を経て、今では沢山の企画を相談し合う良いコンビと言える2 人。2 作目となる『ヤクザと家族 The Family』を作るきっかけについて聞かれると、「2018 年の12 月下旬ころに『新聞記者』がオールアップして、年が明けて最初にあった人が河村さんで『次なにやる?』と(笑)そこで話し合った企画の1つがヤクザ映画でした。間を開けずにどんどん作ってる感じはありますね。」と藤井監督は語る。

良いコンビのように見える2 人だが、創作の過程でぶつかり合うことはないのかと聞かれると、藤井監督は「脚本作り段階ではないですね。編集のときにムカっとくることはありますけど(笑)」。作品を良くするためなら思いついたアイデア即行動に移すという河村に「けっこう悪気無く来るんで現場は大変です」と語るが、「言ってることが合っているというか、『確かに!』と思えることをちゃんと言ってくれるので後腐れがないんですね」と河村氏との仕事を振り返る。河村も「閃きって大事だと思うんです。寝てるときに考えたりするんですが、パッと目が覚めて、『これ、こうしなきゃ!』ていうのはかなりあります。すぐ電話しちゃいます。」とコメントした。

『ヤクザと家族』では主演の綾野剛も閃きを大事にしていたという話を振られると、藤井監督は「そうですね。色々な閃きを受け止めるのが監督業の大変なところです(笑)」と会場の笑いを誘いつつ、「今までは自分ひとりの閃きで切り抜かなければいけなかったですが、プロデューサーや主演俳優がいろんなアイデアくれるのがすごい心強かったです。最終的な責任を持つのは監督ですが、みんなの思いを集約していく作業なのですごく助かりました。でも河村さんも剛さんも現場には入ったら口を出さないと決めている方なので、そこは信頼して自由にやらせてくれます。」とそれぞれの仕事に対する関係性を語った。

ここで『ヤクザと家族』にゆかりある人物として、『新聞記者』や数々のスターサンズ作品で音楽を手掛ける岩代太郎氏がスペシャルゲストとして登場した。

岩代は藤井監督と河村氏について聞かれると「この2人と仕事すると生活感みたいなものが感じられなくて、自分たちのメッセージを届けるということだけに専念しちゃうんです。『ヤクザと家族』でいうと、撮影が終わりいよいよ編集と音楽の作業に入るとき、こともあろうに藤井監督が音楽制作費も撮影に使ってしまい、予算が半分になってしまったんです(笑)」といきなりの暴露で会場を笑わせた。「音楽を付ける前の映像を見て本当に素晴らしい作品だと思ったんです。ちょうどその頃、『殺人の追憶』でご一緒したポン・ジュノ監督が『パラサイト』でオスカーを獲り、やっぱり才能のある監督を世界に出して育てる責任がプロデューサーにはあると思ったんです。僕はこの作品を見た時に、何としても藤井監督を世界に出したいと思ったんです。この2 人の情熱に負けないぐらいの情熱をもって河村さんに『この作品だけは妥協なく音楽をつけたい。お願いだから予算を倍にしてほしい』と、こんなこと作曲稼業30 年やってますけど初めてです。言われた予算でやるのがプロだと思いますが、この作品に関してだけは頭を下げました。そうしたら河村さんも『わかった!』と言ってくれて。これでスターサンズが潰れたらきっと僕のせいだと思いながらバンバンにレコーディングしたんです。」と本作にかける情熱を語ってくれた。藤井監督も「太郎さんは自分たちの粗削りなものを、上質なエンターテインメントに引き上げてくれるし、色々と気付かせてくれる。太郎さんの音楽で映画が息をしだすというのを毎度経験しています。本当に頭が上がらないです。」と感謝でっぱいの様子だった。

今後の藤井監督とスターサンズ作品について相談しているのかという質問がでると、河村氏は「毎回『次これやらない?』って自分で決めちゃうんです。今も企画しているのは2 作ありますので、楽しみにしていてください。」とまだまだも藤井監督との作品が控えていることを明かした。藤井監督も「今だから作りたいということが多いと思います。その心の声に嘘がつけない人たちなんです。体調を心配されたりもしますが、やらない後悔はしたくないので。今はこの3 人で作れることを楽しんで、今できる最高の映画をまた来年も作っていきたいです。まだ公開していない作品もあるので、それも楽しみに待って頂けたらと思います」とコメントしイベントは終了した。

 

取材:ウメ氏(新米スチールブック愛好家)

【開催概要】
タイトル:「スターサンズ映画祭byプレチケ」
開催時期:2021年 8月27日(金)~9月1日(水)
場所:KADOKAWAシネマ有楽町
主催:Filmarks
提供:スターサンズ
協力:KADOKAWA