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「スターサンズ映画祭」DAY4『宮本から君へ』/原作から映画へー 脚本制作から編集と制作秘話を語る!

監督、プロデューサーが集結、映画ファンとの交流を図る、ファン必見の
「スターサンズ映画祭」DAY4
『宮本から君へ』
スターサンズはインディーズのように
激しくて尖った感じで面白いことをやっている会社
原作から映画へー 脚本制作から編集と制作秘話を語る!

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「スターサンズ映画祭」4日目となる8月31日(火)は、2019年に公開され、その衝撃的な内容で話題となった『宮本から君へ』が上映された。上映後のトークイベントには本作でメガホンをとった真利子哲也監督、原作者の新井英樹氏、MCを務める映画評論家の松崎建夫氏が登壇し、映画の裏話やスターサンズの魅力について語った。

トークショー冒頭、MC から、新井がSNS で真利子監督に質問予告をしたことについて話が振られると、新井は港岳彦氏と監督が共同で書かれた脚本を読んだとき、原作漫画を踏襲しながらも時間軸が前後する流れに、「これ大丈夫なの?」と思いながらも完成した映画の出来栄えを見てとても驚いたという。最初から完成作を予想していたのか聞かれると、真利子監督は「最初は漫
画の流れのように脚本を構築していったんですが、全然映画の尺に収まらなかったんです。このままでは描きたいものが全然描けないと思って、感覚的なところですが、時間軸を区切って描くことに勝ち目があると思いました。脚本を組み替えて、プロデューサーや池松君に読んでもらったら『これは良い』と言ってくれました」と脚本制作の苦労を振り返った。

新井は「スタッフから編集してる段階で『カロリーがすごく高くて疲れる』って聞いてたんだけど、脚本の段階でこんなにエネルギッシュな作品になると予想して撮ってたの?」と質問が飛ぶと、真利子監督は「ストーリーよりも、感情で繋いでいった方が良い気がしてたんです。テンションみたいなものは1つずつ伝えたわけではないですけど、役者さんもそれを読み取って演じてくれたんだと思います。」と映画のテンションの高さの秘密を語った。

また、松崎氏は、映画の冒頭で宮本が歩いているところをカメラが後ろから追いかけるバックショット映像は、『イエローキッド』や『ディストラクション・ベイビーズ』など、これまでの真利子作品に多く見られるまさに真利子印と言える演出で、作家性みたいなものが刻印として出ていると指摘。原作にはない印象的なシーンを意識して冒頭に入れたのか聞かれると「あれは頭の画をどうしようか悩んでいた時に、池松君から真利子印みたいなことを何かやれないですか?と言われたんです。そこで出したアイデアがあれだったんですよ。漫画には無いシーンですけど、象徴的に1 個入れてそこから全体が進んで行くようにしました。」と印象的な冒頭シーンの裏側を披露した。

原作漫画が連載されたのは1990 年から1994 年。煌びやかな男女の恋愛が描かれるトレンディドラマなどが求められた時代に生まれた作品が、20 年以上経った平成・令和の時代で映画化され受け入れられている状況について、新井は「池松君がよく舞台挨拶とかで、『この映画で平成という時代に生まれて生きてきた自分なりの総括をしたい』と、30 歳になろうとする彼がそれを言ってたことが質問の答えとしては良いのかなと思います。」と回答。続けて「色んなすったもんだがあって本当に奇跡の映画化だったし、自分が関わることも多かったせいで、普通に映画化されたっていう以上に、すごいなーっていう思いが来ました。自分もちょうどその時に漫画家30 周年だったんで全部が被ってるような感じでした。」と感慨深げに語った。

また、作品の内容を現代に合わせてアップデートする際、人物の感情や社会背景をどういうふうに拾い上げたのかという質問に、真利子監督は「池松君が宮本と同じくらいの年齢の時に初めて会ったんですけど、原作漫画を自分の事のように話してたのを見て、今の時代でやっても響くものがあると感じました。実際に撮るとなると、仕事のやり方も含めてなかなかイコールには出
来ないですが、ドラマでも時代的に原作には登場しない携帯電話を入れたりしたんですが、そういう物を入れたとしても、『こうあるべきだ』、『こういう人っているよね』っていう所が、見た人が自分事として受け入れてくれたんだろうなと思います。」と語った。

本作『宮本から君へ』など、数々の挑戦的なタイトルを生み出すスターサンズという会社について聞かれると、真理子監督は「スターサンズ云々という認識じゃなく『かぞくのくに』(12)とかその頃から見てました。映画業界の大きな会社でありながら、インディーズのように面白い事をやろうとしている会社で、一緒に関われてよかったなと。いろいろあっての宮本ですけど、いいタイミングで出会えて良かったなという印象です」とコメント。新井も「自分の漫画で映像化があるとしても、これはないだろうと思っていた作品を映画にしたのが『愛しのアイリーン』で、また『宮本から君へ』が急転直下でスターサンズで作られることになり、なんかもう専属のような(笑)河村さんという人は世間を揺らしてやろうというのを楽しんでる人。スターサンズは立ち位置として、自分もそうでありたいという、激しくて尖った感じで面白いことをやっている会社だと思います。」と答えた。

イベントの終盤では、MC が希望を込めて新井とスターサンズのタッグの新たな展開として「『ディストラクション・ベイビーズ』を見た時に、(新井氏の作品の)『ザ・ワールド・イズ・マイン』をやれるのは真利子哲也しかいないと思ったんですが、いかがでしょうか!?」という質問を投げると、新井は「もう初っ端の柳楽(優弥)君が振り返った瞬間に、『このキャラ狂ってる』というのが分かる。ゴツゴツの極みのようでムチャクチャ好きな映画なんだけど、そこにもうトシモンがいました。あの年は『シン・ゴジラ』が公開された年で、トシモンとヒグマドンで『ザ・ワールド・イズ・マイン』がそこでもう見た感じがあった(笑)」と会場の笑いを誘ったところで残念ながらトークショーは時間切れになり、トークショーは終了した。

取材:ウメ氏(スチールブック愛好家)

【開催概要】
タイトル:「スターサンズ映画祭byプレチケ」
開催時期:2021年 8月27日(金)~9月1日(水)
場所:KADOKAWAシネマ有楽町
料金:1600円(税込み)
主催:Filmarks
提供:スターサンズ
協力:KADOKAWA

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