MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

まさかの番狂わせ!「第93回アカデミー賞」結果発表まとめ!

本日26日、映画界最大の祭典である第93回アカデミー賞授賞式が行われた。例年は3000人以上が参列するこの式典であるが、今年は300人程に規模を縮小。例年のような派手なパフォーマンスは今年は無く、受賞者の名前が読み上げられていく。授賞式自体も非常にコンパクトで、お昼ごろには全ての受賞結果が発表された。例年に比べると淡白な印象を受けるが、それはもちろん新型コロナウイルスの影響であり、授賞式をプロデュースしたスティーブン・ソダーバーグの影響もあるだろう。

★受賞結果からも分かる「多様性」を押し出すアカデミーの意向
アカデミー賞は特にこの数年は「多様性」というものをより強く押し出していこうという方針を取っている。人種や出自、宗教に捉われず、幅広い映画人を讃えようという物ではあるが、その意向が受賞結果からも分かる。

例えばメイキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞したのは『マ・レイニーのブラックボトム』だったが、この部門を黒人チームが受賞したのは歴史上初めてだ。助演女優賞を受賞したユン・ヨジョン『ミナリ』は、韓国人女優としては初めての受賞だ。それに監督賞を受賞したクロエ・ジャオ『ノマドランド』はアジア人女性としては初の受賞だ。それに韓国人監督であるポン・ジュノから、中国人監督であるクロエ・ジャオに監督賞のバトンが繋がれるというのは何とも印象深い。

人種差別による事件が多く起きるアメリカではあるが、そのアメリカを象徴する娯楽であり文化である「映画」を作るハリウッドは「多様性」を尊重するという強いメッセージがより明確に表れた受賞結果となった。

★受賞結果そのものを振り返る
受賞結果を振り返ると作品賞を受賞した『ノマドランド』が最多3部門受賞。ちなみに作品賞に候補入りした8作品で、『シカゴ7裁判』以外はオスカーを手にするという結果となった。一つの作品が強さを見せたというよりは、いくつもの作品が平等にオスカーを分かち合ったという印象だ。

混戦が伝えられていた主演女優賞はフランシス・マクドーマンドの受賞となった。マクドーマンドはこれで3度目の主演女優賞。3年前の授賞式で彼女が叫んだ「Inclusion Rider」と言う言葉が今やハリウッドのスタンダードとなっているのは実に興味深い。ちなみに彼女は『ノマドランド』ではプロデューサーも務めており、作品賞受賞も受賞した。

ダニエル・カルーヤは見事助演男優賞初受賞。ブラックパンサー党の指導者フレッド・ハンプトンを演じての受賞となった。『ゲット・アウト』、『ブラックパンサー』で活躍した彼のオスカー受賞は多くの映画ファンが喜んだことだろう。

なお、今回アカデミー賞を受賞した作品の内『ファーザー』、『プロミシング・ヤング・ウーマン』、『Judas and the Black Messiah』以外は配信もしくは劇場で観れるので是非ともご鑑賞して頂きたい。

★最後の最後でまさかのサプライズが・・・
恐らくこの授賞式は多くの人に色んな意味で衝撃を与えただろう。今年の最後に発表されたのは作品賞ではなく主演男優賞だった。それ自体も大きな驚きだが、主演男優賞を受賞したのは大方が受賞すると予想していたチャドウィック・ボーズマンではなく、アンソニー・ホプキンスだったのだ。ホプキンスは会場に来ていなかったので、受賞スピーチなしで授賞式の幕が閉じるというまさかの結果に。

これはあくまで筆者個人の考えだが、主演男優賞を授賞式の最後に持ってきたのは恐らくチャドウィック・ボーズマンが受賞し、感動的に授賞式を終えるための演出だったと思う。実際、追悼コーナーで最後に取り上げられたのがボーズマンだった。辛い出来事が多かった2020年。それはもちろん映画界も同じで、そんな2020年の映界を総括するアカデミー賞で、感動的なフィナーレにしたい。それ自体は間違った考えではないと思う。

しかし、封筒を開けて読み上げられた名前はホプキンスだった。「何でボーズマンじゃないんだよ!」と思う人も多くいるだろうが、アカデミー会員が公平な投票をした上で選ばれたホプキンスを責めることは誰にもできない。実際、ホプキンスの演技は2度目のオスカーに相応しいとずっと言われていたのだ。
『羊たちの沈黙』以来、実に29年ぶりの主演男優賞受賞。史上最高齢での受賞だ。おめでとう!

★最後に
例年とは全く雰囲気の違ったオスカーではあったが、それでもやはり授賞式当日はワクワクするし、1映画ファンとして、楽しむことが出来た。どうしても例年に比べて地味な印象は拭えないが、それでもグレン・クローズがダンスを披露してくれて大いに盛り上げてくれたし、トマス・ヴィンターベアのスピーチは非常に感動的だった。来年のアカデミー賞がどうなるか、この先の映画産業がどうなるか、まだ誰にも分からないが、最後にフランシス・マクドーマンドの感動的なスピーチを皆さんにご紹介したい。

「出来るなら私たちの映画を大きなスクリーンで観てください。そしていつか、きっとすぐ、映画館のあの暗い空間に肩を寄せ合い、今日ここで発表された全ての映画を観ましょう」

◎主男優賞を受賞したアンソニー・ホプキンスがインスタでコメント!

「おはようございます。故郷のウェールズにいます。83歳でこのアワードを受賞するとは思っていませんでした。本当に。アカデミーには感謝しています。ありがとう。そしてチャドウィック・ボーズマンに敬意を表したいと思います。彼はあまりに早く去ってしまった。そしてすべての人に、ありがとうございます。本当にこれは予想していませんでしたよ。すごく栄誉なことだと感じています。ありがとう。」

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Anthony Hopkins(@anthonyhopkins)がシェアした投稿

 

受賞一覧は以下の通り!

■主演男優賞
アンソニー・ホプキンス『ファーザー』

■主演女優賞
フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』

■作品賞
『ノマドランド』

■主題歌賞
“Fight For You”『Judas and the Black Messiah(原題)』

■作曲賞
ジョン・バティステ、トレント・レズナー、アティカス・ロス
『ソウルフル・ワールド』

■編集賞
ミッケル・E・G・ニルソン『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
Amazonプライムで配信中!⇒こちら

■撮影賞
エリック・メッサーシュミット『Mank マンク』
NNetflixで配信中!⇒こちら

■美術賞
ドナルド・グレアム・バート『Mank マンク』

■助演女優賞
ユン・ヨジョン『ミナリ』

■視覚効果賞
『TENET テネット』

■長編ドキュメンタリー賞
『オクトパスの神秘 海の賢者は語る』
Netflixで配信中!⇒こちら

■短編ドキュメンタリー賞
『Colette(原題)』

■長編アニメーション賞
『ソウルフル・ワールド』

■短編アニメーション賞
『愛してるって言っておくね』
Netflixで配信中!⇒こちら

 

■短編実写映画賞
『隔たる世界の2人』
Netflixで配信中!⇒こちら

■音響賞
『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
Amazonプライムで配信中!⇒こちら

■監督賞
クロエ・ジャオ『ノマドランド』

■衣装デザイン賞
アン・ロス『マ・レイニーのブラックボトム』

■メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『マ・レイニーのブラックボトム』

■助演男優賞
ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah(原題)』

■国際長編映画賞
『アナザーラウンド』(デンマーク)

■脚色賞
クリストファー・ハンプトン、フロリアン・ゼレール『ファーザー』

■脚本賞
エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』