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映画『ノマドランド』サウンドデザインを務めたのは『ROMA/ローマ』の名匠! 『ノマドランド』の映画音響の世界を解説!

本年度アカデミー賞 主要6部門でノミネート!
ゴールデン・グローブ賞<作品賞><監督賞>主要2部門で受賞!
『ノマドランド』
サウンドデザインを務めたのは『ROMA/ローマ』の名匠!
『ノマドランド』の映画音響の世界を解説!!貴重な特別映像解禁!

賞レースを席捲する数多くの名作を世に送り出してきたサーチライト・ピクチャーズが贈る最新作『ノマドランド』が絶賛公開中。近年『ようこそ映画音響の世界へ』がヒットし、映画の音響効果において高い注目が集まっているが、本作においてもサウンドデザインの秘密に迫った製作陣による貴重な特別映像が到着した。

本作のサウンドデザインを務めたのは、2019年にアカデミー賞で監督賞を受賞したアルフォンソ・キュアロンによる『ROMA/ローマ』や、2018年に『シェイプ・オブ・ウォーター』で、同じくアカデミー賞監督を受賞したギレルモ・デル・トロによる『パンズ・ラビリンス』、さらには2016年『レヴェナント 蘇えりし者』、2015年『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥによる『バベル』など数々の名監督による名作を手掛けてきたメキシコ生まれの名匠セルジオ・ディアス。

劇伴が部分的に使用され、それ以外のパートでは録音された現場の音声でシーンを魅せていく本作において、サウンドデザインはかなり重要なポジション。そこでセルジオに白羽の矢を立てたクロエ・ジャオ監督だが「ファーンが本当の自分に出会う場所に鳴っている音像に忠実に劇伴をミックスして欲しかった。さらに、音の響きに観客の感受性を制限するような”過剰な演出”を入れないことをお願いしました。創造的に、実験的に音を鳴らしながら、同時にうそのない、正直な音でもありたいのです」と音の演出にかなりのこだわりをみせていたことを明かしている。

そんなジャオ監督の想いを受けたセルジオは「『ノマドランド』が描いているのは、ずばり”心のつながり”だ。それを音風景にいかに反映させるか、それが音響の最も重要な課題だった」と製作当時を振り返る。チームワークを重要視するジャオ監督の撮影はどの作品も少数精鋭で進行され、本作でも撮影クルーはたったの23名。録音技師と演者の距離が心理的、そして物理的にも近くなるため、他の作品とは一線を画したより臨場感のあるリアルな音が録音されるが、セルジオらはその立体感のある音に効果音やサウンドデザインを施すことで、さらに真実味を加えていったそう。鑑賞者から”まるでドキュメンタリーを観ているようだ”と評価されるほどリアルなシーンが切り取られている本作だが、セルジオは「画面に映らない人や物の何層もの音がシーンを包み込み、奥行きと没入感を与えている。だからフィクションにもノンフィクションにも感じるんだ」とサウンドデザインによる効果に自信を覗かせている。最後に「音響デザインとは”思いやり”がすべてだ。

音でメッセージを伝え、観客の感情に強く訴えかける」と持論を語っているセルジオだが、本映像で映し出される劇中シーンからも、効果音ひとつひとつが心地よく音を奏で、ファーンの生活感を印象的に彩る様子が見て取れ、セルジオがノマドたちの生活をリスペクトしながら音響をデザインしたことが窺える。その完成形を是非とも劇場の良質な音響環境でお楽しみいただきたい。

【あらすじ】
きっと希望は路上にある
町の経済破綻の後、一台の車とともに現代の”ノマド(遊牧民)”として路上に出た、一人の女性、フラン。西部の大自然を舞台に、旧来の社会の外側の新しい希望を探し求めるロードムービー。

【スタッフ】
監督:クロエ・ジャオ『The Rider』(17未)、『エターナルズ』(21)

【キャスト】
フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ ほか

原作:「ノマド:漂流する高齢労働者たち」(ジェシカ・ブルーダー著/春秋社刊)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
公式サイト:https://searchlightpictures.jp