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サプライズ続出に歴史的快挙まで!ゴールデン・グローブ賞受賞結果を振り返る!


本日、日本時間3月1日にゴールデン・グローブ賞の授賞式が行われました。今年は新型コロナウイルスの影響を鑑みて、例年よりも開催時期を遅らせ、候補者は会場に集まるのではなく、オンラインでの参加になりました。
アカデミー賞を占う上でも最も重要な賞であるゴールデン・グローブ賞。その受賞結果を振り返っていきます!

以下、今回の受賞結果です。
※テレビ部門は省きます。

〈ドラマ部門〉
作品賞:『ノマドランド』
主演男優賞:チャドウィック・ボーズマン 『マ・レイニーのブラックボトム』
主演女優賞:アンドラ・デイ 『The United States vs. Billie Holiday』

〈ミュージカル・コメディ部門〉
作品賞:『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
主演男優賞:サシャ・バロン・コーエン 『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
主演女優賞:ロザムンド・パイク 『I Care a Lot』

〈共通部門〉
監督賞:クロエ・ジャオ 『ノマドランド』
助演男優賞:ダニエル・カルーヤ 『Judas and the Black Messiah』
助演女優賞:ジョディ・フォスター 『The Mauritanian』
脚本賞:『シカゴ7裁判』
作曲賞:『ソウルフル・ワールド』
主題歌賞:「Seen」『これからの人生』
アニメーション映画賞:『ソウルフル・ワールド』
外国語映画賞:『ミナリ』
セシル・B・デミル賞:ジェーン・フォンダ

受賞結果の印象
順当に受賞したものもいるが、一方でゴールデン・グローブ賞ならではの結果になった部門があったというのが率直な感想です。ビッグサプライズとなったのは助演女優賞のジョディ・フォスター。彼女の演技の評判は非常に良いのですが、今回のアカデミー賞の前哨戦である各批評家賞ではそこまで目立っておらず、そこまで有力候補という感じではありませんでしたが、今回のゴールデン・グローブ賞ノミネート、そして受賞で一気に勢いづいた印象です。

ミュージカル・コメディ部門の主演女優賞もサプライズの一つ。批評家賞で勝利を重ねていた『続・ボラット』のマリア・バカローヴァが有力視されていましたが、受賞したのは『I Care a Lot』のロザムンド・パイクでした。ゴールデン・グローブ賞はより華やかなスターが好かれる傾向にありますが、それが表れた結果と言えるでしょう。

しかし、最大のサプライズは賞の終盤に待っていました。歌手であるアンドラ・デイが主演女優賞ドラマ部門を受賞したのです。彼女が演じたのは実在のジャズ歌手、ビリー・ホリデイです。作品はビリー・ホリデイの伝記映画で、彼女のパフォーマンスは非常に前評判は良かったものの、フランシス・マクドーマンド、キャリー・マリガン、ヴィオラ・デイヴィスにはさすがに勝てないだろうと思われていました。そんな彼女のまさかの大逆転。ジョディ・フォスター同様、彼女も一気に勢いを加速させる予感です。

監督賞を受賞したのはアジア系女性であるクロエ・ジャオ。MCUの新作『エターナルズ』の監督にも抜擢された彼女ですが、『ノマドランド』で見事受賞を果たしました。ちなみに女性監督の受賞は1983年にバーブラ・ストライサンドが『愛のイエントル』で受賞して以来38年ぶりの快挙です。もちろんアジア系女性としても初の快挙です。
今回のゴールデン・グローブ賞では女性監督が3人も候補入りするなど、そういう意味では歴史的な回になった印象です。『ノマドランド』はドラマ部門の作品賞も受賞し、監督賞との2冠を達成。アカデミー賞に向けてさらに勢いをつけた印象です。

実は今回のゴールデン・グローブ賞はドラマ部門の作品賞が全て白人主人公映画だったり、外国語映画賞を受賞した『ミナリ』に作品賞候補の資格が与えられなかったりと、賛否があったのも事実ですが、受賞結果を見ると実に多様性に富んだ結果になっていることが分かります。

サプライズに満ちた結果となった今回のゴールデン・グローブ賞。受賞者はアカデミー賞にも名乗りを上げるのか、この先にもっと大きなサプライズが待っているのか、ますます楽しみになる受賞結果でした。