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井上真央「一筋射す光になってほしい!」映画『大コメ騒動』公開御礼イベントレポート

井上真央 主演最新作
『大コメ騒動』
公開御礼イベントオフィシャルレポ―ト

1918(大正7)年、富山県の貧しい漁師町で起こった「米騒動」。日本の女性が初めて起こした市民運動ともいわれる出来事で、活躍したおかか(女房)たちにスポットを当てた“大痛快”エンタテインメント『大コメ騒動』が2021年1月8日(金)より公開をスタートした。

本作の公開御礼イベントが本日1月9日に東京・スペースFS汐留にて公開御礼イベントが行われ、キャストの井上真央、室井滋、鈴木砂羽、監督を務めた本木克英が登壇した。

イベント冒頭、配給会社の代表より、当初予定していた劇場での舞台挨拶が中止になった経緯と対応について報告が行われた(売り出し済みのチケットについては払い戻しの案内を出し対応中)。そしてゲストが呼び込まれ、井上真央、室井滋、鈴木砂羽、監督の本木克英が登壇すると、一気に舞台が華やぎ、公開御礼イベントのトークショーが開始した。

まずは、映画の全国公開が始まり、本日の形でのイベントを開催するに至った思いも含めての挨拶があった。井上から「本日は大変な中に集まっていただき有難うございます。昨日から公開していて、(作品を)観に行ってくれた人もいらっしゃると聞いて、感謝しています。今日の舞台挨拶が中止になって残念に思いますが、このような場を設けていただけて、思いがけずYouTubeデビューもできるので、今日は楽しんでいけたらと思います」、室井からは「富山県人がたくさんかかわっている映画です。緊急事態宣言が出る前だったため、検査して(1月1日から先行上映を開始している富山県の)舞台挨拶に行ってきました。(富山県は現在)豪雪に見舞われていて、劇場に来て欲しいとも言えず試練の日々を迎えていますが、映画をご覧いただいてわかるように、103年前の米騒動そのものが試練で、試練の中で打ち勝っていく、という話ですので、正しく恐れて劇場に来てくれると嬉しいです」、鈴木からは「映画一つ公開する、ということは大変なことで、作ってから公開するまで1年くらいはあるためハラハラする。今回も「公開するのかな?」と、井上さんとも話していたりしたのですが、こうして、映画をあきらめないで、エンターテインメントの必要性を考える機会だと思う。“負けんまい!”の精神で頑張っていきたい思います」、監督からは「仕上げの時が、第1回目の緊急事態宣言の時期で、スタッフとリモートで仕上げた。(今は)緊急事態宣言と、(北陸地方の)記録的豪雪と寒波に見舞われるという状況ではありますが、主演の井上さんが、こんな時期だからこそあえてメッセージを伝えたいとおっしゃってくださって。不要不急の外出をよびかけてしまうので、映画館へ来て欲しいとも言えないですが、映画館は開いています!ということを言いたい。」と、それぞれの思いを語った。ちょうど1月8日(金)時点で、富山県の公開劇場の観客動員数が1万人を突破したことが、伝えられると、一同笑顔を浮かべた。

今回のイベントは、ゲストによる完全フリートーク形式ということで、監督が「主演の井上さんから、今回の御礼イベントをしようと提案があったんですよね」と切り出されると、井上は「せっかくなら普段と違う舞台挨拶ができそうだな、と聞いてきたのに、来てみたら監督がやさぐれていて(笑)」と切り返し、それを受けた監督は「映画も演劇も次々と厳しいことになっている話を聞いていると、どうなるんだろう…という気持ちになってしまって…」と、やさぐれ感を出し始め、それを見た女優陣が「現場でお腹が出ているとかみんなで言っていたよね」など次々いじり、現場以来の仲の良さを見せつけた。

室井から「公開のために縁起を担いで12万2千円の電気釜を買ったのですが、炊き上がりが素晴らしくて、103年前のおかかたちに食べさせてあげたいなあ、と思いながら、自分が太ってしまった(笑)」という話が出てくると“コメトーク”に展開。監督からは、「劇中の大正時代の仲仕たちは、男性は一日一升、女性は8合くらい食べていたくらい、お米がエネルギーで命の源だったんですよね」と、主人公たちの過酷な労働と米の大切さを語った。井上は、役作りのため撮影期間中は“米断ち”をしたといい、「お米を断ったら、体重がどんどん落ちていきました」と、時代を問わずお米の大切さを感じたという。そこへ監督がすかさず「でも、日本酒は飲んでいたんですよね」と突っ込みを入れると、井上は「日本酒と、室井さんが美味しい鱒寿司を差し入れくださって。日本酒と酢飯はOKということにしました(笑)白米だけ食べなかったんですよね」という“独自ルール”が明かされ、笑いを誘った。

 作品の見どころへ話が及ぶと、室井からは「(映画のご覧いただくと)富山の女性はあんなに強いのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、私や柴田理恵さん、左時枝さんなど、それほどおとなしいイメージではないキャストもいますが(笑)、本当は、男性を立てて控えめで、でも家族のために最後はきちんと意見いう、という人達が多い。一揆を起した、という黒い歴史という(説もある)ことで、県内の人間でも知らないで育った人も多い。今回映画になったことで、伝わるといいな、と思います」という富山県出身ならではの思いをにじませた。鈴木は、「監督の作品は群像劇、動きがある作品だなと思っている。本作でも最後にある、一致団結したおかかたちが集まってくるところなど、見所はありますが、生活に密着した表現も散りばめられているので女性たちにも見てもらえたらと思う。自分が演じる役について、どういうまわしをするのか、など監督と話をさせていただいて、コミュニケーションをとりながら演じられた良い現場でした」と現場の思い出も交えて話した。井上は「観終えた後、庶民の底力というか、監督も前におっしゃていた、“時代は繰り返されるんだ”ということが、あるんだなと思った。そのたびに、引っ張っていくリーダーがいると思うけれど、そういう大変な時に、名の無い人たちの頑張ろうとする力が大きく変えていくのだろうなと思う。この時代に勇気を与えられるような作品になっていると思います」と、今まさに、私たちを勇気づけてくれる力が本作にあることを語った。

 イベントの最後に、室井からは「不要不急の外出を避けないといけないけれど、心の栄養は必要だと思いますので、正しく恐れて様子をみて、周りの方とご相談して、安全に劇場にいらしてほしいです」、鈴木からは「コロナの状況について思うことはありますが、こういう世の中で生きているんだと考えるようにしている。そうすると、周りに左右されないで、自分自身を振り返れることができるチャンスでもあり、今は自分を振り返れるチャンスだと思っている。映画や演劇などをあきらめたくないですし、表現できることにチャレンジしたい。自分の意識の中では自由にできると思うので、映画館はやっていますので十分気を付けて楽しんでほしいです」、井上からは「こういう大変な状況が続くと、出口のないトンネルにいる気分になることもありますが、そこに一筋射す光に、映画や娯楽というものがなればいいと思うし、そう信じて、私も頑張っていきたいと思う。安全第一だけれど、頑張りすぎず、“もう我慢できん!”と思ったら、この映画を思い出してほしいです。映画館は開いてますので!」と、劇中で演じた“おかかたち”さながらに、まさに熱い熱い気持ちで、日本中にエールを送ってくれた。

【あらすじ】
1918年(大正7年)8月。富山の海岸に住むおかか(女房)たちは、毎日上がるコメの価格に頭を悩ませていた。夫や育ち盛りの子供達にコメを食べさせたくても高くて買えない。困ったおかかたちは、近くの米屋にコメを安く売ってくれと嘆願にいくが失敗。リーダーのおばばが逮捕されてしまう。コメの価格はますます高騰し、ある事故をきっかけに我慢の限界を迎えたおかかたちはついに行動に出る。

【キャスト】
井上真央、室井 滋、夏木マリ、立川志の輔、左 時枝、柴田理恵、鈴木砂羽、西村まさ彦、内浦純一、石橋蓮司

【スタッフ】
監督:本木克英
プロデューサー:岩城レイ子
プロダクション統括:木次谷良助
脚本:谷本佳織
音楽:田中拓人
配給/ラビットハウス、エレファントハウス
公式サイト:https://daikomesodo.com/ 
公式SNS: @daikomesodo