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「菅政権にはビジョンが無い」『i-新聞記者ドキュメント-』再上映記念シンポジウム2日目レポート

「空虚な人」「ビジョンが無い」
『i-新聞記者ドキュメント-』
「菅政権が目指す日本の未来とは?」シンポジウム2日目レポート!

新感覚ドキュメンタリー映画『i-新聞記者ドキュメント-』が10月9日(金)から15日(木)の一週間限定で、新宿ピカデリーにて再上映される。この度、再上映を記念し、「菅政権の正体」に迫るシンポジウムが、テレビの報道番組やドキュメンタリーの制作を行なっているディレクターや映画監督らで立ち上げた映像制作チームChoose Life Projectとコラボでトークイベントを開催した。

シンポジウム詳細は以下の通り。
■日時:10月10日(土) 17:10~18:10
■場所:新宿ピカデリー シアター5
■登壇:町田彩夏(政治アイドル)、松原文枝(テレビ朝日「報道ステーション」元チーフプロデューサー)、三浦まり(政治学者)、南彰(朝日新聞政治部記者)
■MC:安田菜津紀(NPO法人ダイアローグ・フォー・ピープル副代表/フォトジャーナリスト)
■主催:Choose Life Project

まずは菅政権について現段階で思うことについて一言で語ってもらった。町田さんはメディアで見せる顔と望月さんに見せる顔の違いから「空虚」、松原さんはメディアに対する圧力と情報を出さない姿勢から「萎縮させる、知らせない」、三浦さんはコミュニケーションが成立しないことから「会話不成立」、南さんは安倍政権の負の遺産を覆い隠しながら、細い糸を使って這い上がっていったというイメージから「蜘蛛の糸」と語った。

町田彩夏(政治アイドル)

松原文枝(テレビ朝日「報道ステーション」元チーフプロデューサー)

三浦まり(政治学者)

南彰(朝日新聞政治部記者)

それを経て司会の安田さんより「菅政権の政策についてどう思うか」という質問が問いかけられ、南さんは「自助、共助、公助の自助がこの政権の本質的な特徴になってくると思う。その本質を見極める必要がある」と語り、三浦さんは「看板がないと思った。菅政権が何を目指しているかが見えない。政治家が自分は何をするんだってアピールするときに自助、共助、公助っていう昔からずっと言われていることを出したのに驚いた」と菅政権のビジョンのなさを批判した。

安田菜津紀(NPO法人ダイアローグ・フォー・ピープル副代表/フォトジャーナリスト)

松原さんも「どういう社会を作ろうとしているかが分からない。それを会見で説明することもしない。何をしたいのかを聴きたい」と同じく菅政権のビジョンの無さについてコメントした。町田さんは「自民党がやっている不妊治療や選択的夫婦別姓とかは、人権を守るためではなく経済的に役立つからとか、そう言う理由やっている。人権を守らないといけないと言う一番大事なところを見てほしい」と語った。

続いて安田さんから「ジェンダーという観点から、この政権をどう見るか」という問いかけがあり、三浦さんは「閣僚の女性の人数が減ったのは残念。安倍政権から継続的に取り組んでいるとは思うのだが、そこが見えてこない。ここ最近はMeToo運動もあって女性たちがたくさん声を上げてきて、それを聞こうとする人も増えている。それによって政府の政策も変わっていくと思う。政府が社会に応じざるを得ないこともある。それは私たちの力。それを認識しながら批判していくことが必要」と社会から政府を動かしていく必要性を語った。

町田さんは「与党も野党も含めて、現状を変える気がないと思った。どれだけ法律が変わっても、やる気がないと変わらない。日本の政治って予定を立てるだけで、やる気がないから変わらない。予定立てたなら結果を出してくださいと言いたい」と法律と一緒に人が変わることが重要であると語った。松原さんも「やる気がないから結果がついてこないと思う。野党も口ばかりで実行していない。安倍政権は女性が活躍する社会の看板を掲げたが、政府は動かなかったけど、それに対して民間が動いたところもあった。安倍政権が投げかけたことが、民間で根付いていることもある。政治はもっと積極的に取り組むべき」と語った。

南さんは「国会議員の報酬を減らしてでも男女の比率を変えていけばいい。歪みのないジェンダーバランスで意思決定をしていくべき。女性の候補者がいろんなハラスメンを受けていることを含めて、男性には無い多くのハードルがあることを考えていると、みんなで変えていかないといけない。社会の運動で根付いてきているものがあるので、それを取り込んで変えていく力はあると思う。」と大胆な行動に出て、変えていくことの必要性を語った。

最後に「私たちに今求められているものは何か?」と安田さんが投げかけ、町田さんは「この映画を受けて、一番大事なのは連帯だと思った。誰かが戦ってるから安心ってことではない。矢面で戦ってる人は辛い思いをしてる。後方支援でも戦ってる人を孤立させないことが社会で求められていると思う。それこそが社会を変える原動力になると思った。」と語った。

松原さんも町田さんのコメントを受けて「一人にしないっていうのが大事だと思う。自分の後輩によくいうのは、一人じゃできなくても3人でいけば出来ることもある。チームでやっていくことが大事」と語った。

三浦さんは「菅さんは何もビジョンを示さないから、私たちが描くしかない。ポストコロナの世界で私たちの尊厳をどう守れるか。安倍政権の時の女性手帳の時の様に、おかしいと思ったら、社会の側から抵抗することで撤回させることもできる。支え合うような社会、個人が大切にされる社会にしたいと思ってる人が多いと思う。そういったメッセージをもっと野党側から発信していくように応援していくことが必要かなと思う」と語った。

南さんは「暗いことも多いですけど、こういう時代だからこそ楽しく跳ね返して、仲間と連帯し合うことが大事だと思う。自分がやりたいことがない政権は、こちらがどんどん提案してやらせていくことも大事だと思う。それがより良い社会を作るために大事だと思う」と改めて「連帯」の大切さを語った。最後に安田さんが「楽しく打ち返すという中にはカルチャーの力であり、その一つが映画だと思います。是非皆さんこういう映画見たよ、こういうトークを聞いてこう感じた、そういう足元の輪を皆さんから広げて頂ければと思います」と締め括り、二日目のシンポジウムは終了となった。

三日目の11日(日)は、視界を津田大介さんが務め、元内閣審議官・経済閣僚、フォーラム代表の古賀茂明さん、本作の監督を務めた森達也さん、そして本日のシンポジウムに参加した南彰さんが登壇する。劇場初公開の再編集・ディレクターズカット版の『i-新聞記者ドキュメント-』は10月15日(木)まで新宿ピカデリーにて限定公開中。


『i-新聞記者ドキュメント-』一週間限定再上映

日程:10月9日(金)~15日(木) 会場:新宿ピカデリー(東京都新宿区新宿3丁目15番15号)
シンポジウム:10月9日-10日(主催:Choose Life Project) 10月11日(主催:スターサンズ)

10月9日(金):18:00~19:00トーク 19:10~21:05本編上映
MC:津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)

10月10日(土) 15:00~17:00本編上映 17:10~18:10トーク
MC: 安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People(D4P)副代表/フォトジャーナリスト)

10月11日(日) 15:00~17:00本編上映 17:10~18:10トーク
MC:津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)

※シンポジウム料金:上映料とのセット料金で2,200円
チケット発売:劇場販売のみ
URL:https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/index.html
発売日:9日(10月2日 24時より)、10日(10月3日 24時より)、11日(10月4日 24時より)

監督:森達也 
出演:望月衣塑子 
企画・製作・エクゼクティヴプロデューサー:河村光庸
2019年/日本/113分/カラー/ビスタ/ステレオ
制作・配給:スターサンズ 
©2019『i –新聞記者ドキュメント-』
映画公式HP:https://i-shimbunkisha.jp/