MOVIE MARBIE|映画バズ 〜映画のネタで一日をハッピーにしちゃうメディア〜

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

『i-新聞記者ドキュメント-』TIFF2019でワールドプレミア上映を実施!森監督「よくぞこの作品を映画祭でかけてくれた」

 

i新聞記者_002

第32回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門に出品されている『i-新聞記者ドキュメント-』のワールドプレミア上映が東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、監督を務めた森達也とプロデューサーの河村光庸が上映後のQ&Aに出席した。

本作は、オウム真理教を題材にした『A』やその続編『A2』、そしてゴーストライター騒動の渦中にあった佐村河内守を題材にした『FAKE』などを手掛けた森達也が、東京新聞社会部記者・望月衣塑子の姿を通して日本の報道の問題点、ジャーナリズムの地盤沈下、ひいては日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫った社会派ドキュメンタリー作品。

登壇した森監督は「これまで東京国際映画祭に呼ばれたことはなくて、死ぬまで縁がないだろうと思っていたのですが、よくぞこの作品をこの映画祭でかけてくれたと。感謝しております。」と映画祭スタッフに感謝の意を述べたが、続けて「これまではずっと小さな劇場ばかりで、非常に居心地が悪いです」とコメントし、会場を笑わせた。

i新聞記者_004

観客からの質疑応答で、「日本では半沢直樹などの勧善懲悪な作品が受けるのに、いざ現実で望月さんや伊藤詩織さんが行動をとると、嘲笑したり揶揄する人たちもいるという現状についてどう思うか?」という質問に、森監督は「僕は分けるの好きじゃないんです。こっちは正義、こっちは悪、映画ってわりとそういうことで成り立っているものだけれど現実はそうじゃない。黒とか白とか、右とか左とかも全部そうです。そんな簡単にわけられるものじゃない。最近、特にメディアが発達すればするほど、これを二分化しようとする。その結果として、それぞれが互いに批判し合ったり、攻撃し合ったり。いまそういうとても傾向が強くなっていて嫌だなと。それに対して僕自身は、非常に居心地が悪い思いをしているので、そういう気分は映画に出てきているかもしれないですね。」と答えた。

河村Pも「誰に向かって攻撃している映画かということではないんです。官邸やマスコミだけが悪いと言いたいわけでもなくて、私たちにも問題があるのではないかと、この映画は訴えようとしているんです。最も怖いのは、実体のない同調圧力や忖度によって世の中が動いているということです。そういうものが蔓延するとどういう事態が起きるのか。そういう事態が起きるということは、そもそも私たちに問題があるのではないかと思います。」とコメントした。

i新聞記者_005

タイトルの「i」の意味について聞かれた森監督は「iの意味わかりましたか? ・・・ラブです。まあそれは冗談ですけど(笑)。これまでの映画のタイトルがアルファベットと数字しかないと誰かに言われて、そうだなと思ったんです。だから今回は最初は『衣塑子が来た!』みたいなタイトルにしようと思ったんですけど、なんかいきなりそういうタイトルも気恥ずかしいし、これまでの作品と同じようにアルファベットにしようかと。衣塑子の『i』というところから始まり、アイアムやアイデンティティになっていったんだと思います」とタイトルの由来を振り返った。

また、森監督は劇中でアニメーションを使用したことについて聞かれると、「そもそもドキュメンタリーだけに限定してるわけではなくて、たまたま続いてしまってますがいつでもドラマも撮りたいと思っています。日本のドキュメンタリー映画は、音楽やナレーションを使わず淡々と撮るダイレクトシネマが多いですが、何本かそれでやってきたので今回は違うものをやろうかなと。そんなに緻密な戦略とかではなく割と軽い気持ちでやってます。かなり周りから反対されましたけど、やりたかったので入れました」と説明。河村Pも反対したのかと聞かれると「いやいや全然!でもお金が掛かるのは止めてほしいです(笑)」とコメントし会場を笑わせた。

i新聞記者_001

本作のような作品を若者にまで届かせるアイデアや展望を聞かれると、河村Pは「いつも考えています。『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしましたが、あれは中年の音楽ファンが固まって支持し、それが若者にもつながっていった。この映画も最初は中高年の方が来ると思いますが、森監督は若い人にも人気がありますので、段々と若い人につながっていくような形に持っていきたい。なので本来は独立系の映画館で上映して広げていくパターンですけど、この映画は新宿ピカデリーや丸の内ピカデリーというデッカイ映画館でもやります。どういう結果が出るか、是非とも注視してもらいです。」と本作を強くアピールした。

また、会場には映画でも取り上げられている森友学園の前理事長、籠池泰典被告と妻・諄子被告、そしてフリージャーナリストの伊藤詩織さんも来場しており、イベントの終わりに河村Pから紹介される場面もあった。

新聞記者ドキュメント

企画・製作:河村光康
エクゼクティヴ・プロデューサー:河村光康 
監督:森達也
出演:望月衣塑子
配給:スターサンズ
©2019『i –新聞記者ドキュメント-』製作委員会

公式サイト:https://i-shimbunkisha.jp/

11月15日(金)より、新宿ピカデリー他、全国順次公開