『第9地区』ドキュメンタリーから一気に飛躍する傑作SF映画
この映画は、つまり―
  • 南アフリカを舞台にした傑作SF映画!
  • 監督のニール・ブロムカンプは何と本作がデビュー作!!
  • エビ!!エビ!!とにかくエビ!!

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『第9地区』(2009)

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この映画の予算は3000万円。ハリウッドで製作されたSF映画の中では決してその製作費は潤沢なものではない。特に同じ年に構想に長い時間をかけたSF超大作『アバター』が公開されたのだから、そう感じて当然だろう。しかし、本作を観て改めて思ったのが、クリエイターのアイデア一つで、予算が大きい映画以上に独創的でクリエイティブな映画を作ることが出来るのだということだ。

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『第9地区』を視聴する上で欠かせない知識はやはり「アパルトヘイト」だ。かつて南アフリカで行われた人種隔離政策で白人と非白人を分断するこの政策が、映画では白人=人間、非白人=エイリアンに置き換えられてストーリーが進行する。人間側は白人も黒人も関係なく、エイリアンに対して徹底的な隔離を求め、差別している。かつてアパルトヘイト政策で隔離の対象だった黒人が、同じ境遇にあるエイリアンを迫害するというのは何とも皮肉な行為である。

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このエイリアン、映画ではエビという蔑称で呼ばれているのだが、このエイリアンの造形も絶妙だ。動きも甲殻類っぽいのだけど、何となく地球上の生物とは明らかに違う感じが、絶妙に不気味だ。一方で、確かにおぞましい見た目ではあるのだが、一方でクリッとした目をしていて、よく見ると少し可愛い感じだったりする。まぁ可愛いと感じているのはもしかしたら私だけかもしれないが。

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エイリアンの造形もさることながら、観ていて全く飽きないストーリー展開は、監督のニール・ブロムカンプの非凡な手腕に他ならない。映画前半はドキュメンタリータッチでリアルに進むのだが、主人公ヴィカスの身に異変が起きるところから、一変して一気にSF映画タッチになる。このスピードアップは見事で、怒涛のように進む展開でありながら、観る者を置き去りにしない。

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前述のような、アパルトヘイトの思わせる社会派的な側面がありながら、娯楽精神もしっかりと持ち合わせている本作。筆者もSF映画は好きで結構な本数を観てきたが、『第9地区』はその中でもトップクラスの面白さだ。映画として非常に完成度の高い作品。外出自粛期間だからというわけではなく、常にオススメしたいSF映画だ。

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【あらすじ】
1982年、南アフリカ上空に突如UFOが飛来。政府は不気味な容姿をした異星人を難民として受け入れるが、やがて彼らの特別居住区「第9地区」はスラムと化す。2010年、難民のさらなる人口増加を懸念した超国家機関MNUは難民を「第10地区」に移動させる計画を立てる。

 【キャスト】
シャルト・コプリー その他

【スタッフ】
監督:ニール・ブロムカンプ

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