映画『TATSUMI~マンガに革命を起こした男』
この映画は、つまり―
  • 1. マンガに「劇画」というジャンルを創り、手塚治虫さえもその才能に嫉妬したというマンガ家:辰巳ヨシヒロの自伝。
  • 2. 短編マンガ作品を動かしてストーリーを描き出しす、“動くマンガ映画”という不思議な映像世界
  • 3. 国内で知名度が低い世界的クリエーターの日本人を、シンガポールの監督が取り上げたという異色作。

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◆公開中の注目作「TATSUMI~マンガに革命を起こした男」

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漫画は誰が、いつ、作ったのか?

世界に冠たる日本の漫画。「スパイダーマン」や「バットマン」などのアメコミと も、「ポパイ」や「トムとジェリー」などのドタバタ&お笑いのカートゥーンとも違う、「スヌーピー」や「ミッフィー」など単にかわいいイラストレーションでもない。子供からいい大人まで、夢中にさせ、今や世界を巻き込んだ一大潮流となった日本の漫画。笑いも、ワクワクドキドキも、泣きも全部ある、日本が生み出した総合エンタテイメントといっていい。この漫画は誰が作ったのか?
「TATSUMI~マンガに革命を起こした男」は、戦後日本が何もない焼野原から復興 する過程で、 漫画を子供向けのドタバタギャグものから、様々な表情や情感にあふれた大人向けのエンタテイメントに仕上げようとする一人の男が描かれる。彼の名は辰巳ヨシヒロ。辰巳は、それまで平坦的で直接的だった漫画表現の世界に、時間と空間の感覚を持ち込んだ。哀しみも屈辱も感動も、人間の感情の奥底まで紙面で表すことにも成功した。彼はそれを劇画と呼んだ。現代の我々が何気なく読んでいる漫画は、まさしくこの時代に、辰巳ヨシヒロをはじめ、その世代のクリエーターたちが切磋琢磨し、血のにじむような努力の末生み出されたものだということを 忘れがちだが、この映画は思い出させてくれる。びっくりするのは、日本人が最も気づかなくてはいけない、ジャパニーズカルチャーの原点を描いたこの映画がアニメファンでもなんでもない、シンガポール人の映画監督によって作られたことだ。日本人は恥じねばなるまい。そして、この映画から日本のマンガの正体を、昭和ニッポンのエネルギーを、学び取らねばなるまい。何より「創作というもの」がいかなるものなのか、感じてほしい映画である。

◇スタッフ

監督:エリック・クー
製作:エリック・クー、フレディ・ヨー
原作:辰巳ヨシヒロ
音楽:クリストファー・クー
キャスト(声の出演):別所哲也、辰巳ヨシヒロ

配給:スターサンズ
公式サイト:tatsumi-movie.jp

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