【『グレタ GRETA』公開記念】いま世界が注目!フランスの誇る大女優イザベル・ユペールとは?

【今夜なに観る?】
『グレタ GRETA』公開記念
いま世界が注目!フランスの誇る大女優イザベル・ユペールとは?

いよいよ明日から公開となるサイコホラー『グレタ GRETA』。本作の大きな見どころは、なんと言ってもフランスの誇る大女優イザベル・ユペールとクロエ・グレース・モレッツの競演だ。

クロエについては、『キック・アス』で世界的なブレイクを遂げてから順調にキャリアを積んでおり、ハリウッドの若手女優の中でも特に高い人気を誇る女優へと成長したことはご存知の方も多いだろう。そして本作のタイトルロールである、未亡人グレタを演じるのがイザベル・ユペール。普段からフランス映画を観ている人にとってはお馴染みの女優だが、そうでない人にとってはあまり馴染みがないかもしれない。

そこでこのコラムでは、映画『グレタ GRETA』を観る前に、イザベル・ユペールという女優についてご紹介。

『グレタ GRETA』(2019)

『グレタ GRETA』(2019)

イザベル・ユペールは(全くそんな年齢には見えないが)、現在66歳。フランスのパリ出身で、1972年に19歳でデビューしてからというもの、そのキャリアで出演した作品は映画だけで120本以上。カンヌ映画祭、そしてベネツィア国際映画祭の女優賞はどちらも2度受賞し、フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞主演女優賞は史上最多の16回もノミネートされている。フランスやヨーロッパでの活躍が多いため、日本での知名度はそれほどでもないが、同世代の女優としてはメリル・ストリープと並ぶほどの高い評価を受ける、フランスの誇る大女優である。

『ヴィオレット・ノジエール』(1978)

『ヴィオレット・ノジエール』(1978)

『ヴィオレット・ノジエール』(1978)、『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』(1995)、『ピアニスト』(2001)、『愛、アムール』(2012)など、多くの代表作を抱える彼女だが、これだけの実績がありながら国際的な知名度がそれほど高くないのは、彼女が自分のステータスとなる作品ではなく、自分が関わりたい作品を優先的に選んでいることにほかならない。彼女の出演作の多くは、いわゆる一般受けを狙ったものではなく、監督の個性あふれる語り口が重視され、イザベルが独特なキャラクターとして登場するものが多いのだ。

『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』(1995)

『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』(1995)

そんなブレない作品選びで長きにわたり活躍してきた彼女だが、60歳を超えたあたりから、新境地にも挑み始めている。その一端が、アメリカで20年以上続く人気警察ドラマ『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』への出演だ。彼女ほどの知名度とキャリアがあれば、それこそハリウッド大作からのオファーはひっきりなしに舞い込んでいるはず。しかし彼女が選んだのはTVドラマ。普段映画で活躍する女優が、それも売れていてキャリアもある女優ならばなおさら、TVドラマのオファーというのは敬遠するもの。こういった姿勢もイザベルならではの作品選びといえるだろう。

『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』(1999)

『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』(1999)

そして、彼女の魅力が世界的に再評価され、64歳にして最高の演技と評されたのが、2017年に公開された『ELLE エル』だ。本作でイザベルが演じるのは、ビデオゲーム会社の女社長ミシェル。ミシェルは、ある日自宅に押し入った侵入者にレイプされてしまう。しかし彼女は警察には届けず、自ら犯人を探し始める。普通ならレイプされたことなど人には話さないが、彼女は友人たちにこともなさげに喋ってしまい唖然とさせる。そして、ストーリーが進むにつれてミシェルの屈折した人物像と生い立ちが明らかになっていく。

『エル ELLE』(2016)

『エル ELLE』(2016)

『ELLE エル』で監督を務めるのは、鬼才ポール・ヴァーホーヴェン。『ロボコップ』や『氷の微笑』など、数々のやりすぎ映画をヒットさせ、時には酷評されてきた人物だ。そんな監督の作品だからこそ、本作でのイザベルの演技力のすごさがよくわかる。前述したように、ヴァーホーヴェン監督の演出の特徴は良くも悪くも“やりすぎる”ことにあるのだが、それは時に下品で滑稽になってしまうことも否めない。しかし、イザベル・ユペールの圧倒的な存在感と演技力は、ヴァーホーヴェン監督のアクの強さをあっさりと凌駕し、それを見事にそして優雅にキャラクターに反映させてしまう。もちろん彼女の演技力を引き出したのはヴァーホーヴェン監督だろう。しかし、このミシェルという難役を、イザベル以外の女優が演じていたら、これほど評価されていなかったかもしれない。かくして、本作はイザベルの演技によって、外国映画にもかかわらず米アカデミー賞主演女優賞にノミネート。惜しくも受賞は逃したが、イザベル・ユペールの名は世界にとどろいたのだった。

そしていよいよ公開となる『グレタ GRETA』で、イザベルは『ELLE エル』のミシェルを超えるといってもいい怪演を披露している。ぜひ劇場でその怪演っぷりを堪能していただきたい。

 

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『グレタ GRETA』
11/8(金)TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

【キャスト】
イザベル・ユペール、クロエ・グレース・モレッツ、マイカ・モンロー、コルム・フィオール、スティーヴン・レイ

【スタッフ】
監督・脚本:ニール・ジョーダン

原題:GRETA/2018年/アイルランド、アメリカ/英語/98分/カラー/シネスコ/5.1ch/字幕:川又勝利
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
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公式サイト:greta.jp

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