【『グレタ GRETA』公開記念】「映画史に残るサイコ女映画」特集

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『グレタ GRETA』公開記念
「映画史に残るサイコ女映画」特集

フランスの大女優イザベル・ユペールと若手実力派クロエ・グレース・モレッツが初共演にしてW主演を果たすサイコスリラー『グレタ GRETA』が11月8日(金)より全国ロードショーとなる。拾ったバッグをきっかけに、一度は育まれた未亡人グレタと若い女性フランシスの友情。しかし、その絆は、やがてストーカーのようなつきまといに発展し、さらに仰天の展開へと突入していく。

いつの時代も映画や小説などの題材として扱われる反社会的人格者=サイコパス。しかしながら圧倒的に男性として描かれることが多いのも事実だ。そこで今回は、最新のサイコ女が登場する映画『グレタ GRETA』公開を記念して、「映画史に残るサイコ女映画」をご紹介します!

 

『ミザリー』(1990)

Misery

「ミザリー」シリーズで有名な人気作家ポールは雪道で事故に遭い、瀕死の状態を元看護婦のアニーに救われる。ポールの小説の熱狂的愛読者だった彼女は、彼を手厚く介護する。だが、新作「ミザリーの子供」でヒロインが死んだことを知り逆上した彼女はポールに心理的・肉体的拷問を加え始め、自分が望む内容の小説を書くよう脅迫する。

映画に登場するサイコパス女と言えば、真っ先に本作のアニー・ウィルクスを挙げる人が多いだろう。今も色褪せることのないサイコパスの基本表現、最初は親切でやさしい人でスタートし、徐々に狂気を見せ始め、最終的にテンションMAXで襲い掛かってくるという非常に肝を抑えた確かな演出が見どころ。

演じているキャシー・ベイツの顔面力も見事で、狂気の演技が評価されアカデミー賞主演女優賞を獲得した。やさしさからの狂気という流れは『グレタ』にも通じるところがある。


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『黒い家』(1999)

黒い家

大手生命保険会社の若槻は、菰田夫婦の家で子供が首を吊った状態で死亡しているのを発見する。事件の疑いが濃厚なうえ、菰田家には以前にも自傷とも疑われる不可解な保険金請求があったことから、会社では保険金の支払いを保留していた。菰田夫婦と関わってしまったことで若槻のまわりでは不審な出来事が頻発しはじめる。

サイコパスと言っても色々で、その片鱗も見せず普通に社会で生きているタイプもいれば、一目見ただけでヤバい匂いをプンプンさせるタイプもいる。本作のサイコパス、菰田夫婦は完全に後者だ。それも後天的なものではなく、子供のころからすでに異常性があるタイプだ。命を奪うという事について深く考えたりせず、自分たちが生きる上で「邪魔だから」という理由だけで次々と人を殺していく。

とにかく本作の見どころは、菰田幸子を演じた大竹しのぶだろう。登場してから最後までずっとヤバい。映画のキャッチコピーにある「この人間には心がない」が示すように、普段はぼんやりして何とも掴みどころがなく、淡々と恐ろしい言動を繰り返すが、一旦スイッチが入ってからの奇声を挙げながら執拗に獲物を追い詰める狂気の演技は圧巻だ。


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『オーディション』(1999)

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ビデオ制作会社を経営している青山は7年前に妻を亡くし、一人息子の重彦と寂しい日々を過ごしていた。そんなある日、青山の身の上を案じた友人の吉川は、映画制作と称したオーディションを開催し、その中から再婚相手を探すことを提案する。最初は乗り気ではなかった青山だが、オーディションに現れた女性、麻美に出会い魅了されていくが、麻美にはとてつもなく恐ろしい秘密があった・・・。

これまでの2作と異なり物静かなタイプのサイコパス。言動の端々に違和感を感じることはあっても、激昂したりはせず物腰は柔らかい。本作のサイコパス麻美は幼少の頃に両親が離婚し、預けられた伯父夫婦をはじめ周囲から虐待を受けて育ったため、歪んだ人間に育ってしまった。

映画の前半はなんてことのない「中年男の嫁探し」的ラブストーリーだが、麻美の本性が姿を現す後半から一変。スプラッター感満載の目を覆いたくなるような凄惨な場面のつるべ打ち。針やワイヤーを駆使して「キリキリキリキリ・・・痛い?」と楽しそうに声を出す麻美に震え上がること間違いなし。

本作は三池崇監督が海外で知られるきっかけになった作品。第29回ロッテルダム国際映画祭の上映では衝撃的すぎる内容に途中退席する人が続出したり、ショックで倒れてしまう人も多かったという。ちなみに、タランティーノを始めとする様々な著名人は本作を絶賛し、米タイム誌では2007年に「ホラー映画トップ25」を発表し、邦画で唯一本作を選んでいる。グロいだけでなく、切なさもある作品だが、観る際はご注意を。


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『エル ELLE』(2016)

ELLE

ゲーム会社の社長を務めるミシェルは、一人暮らしの自宅で覆面の男に襲われ暴行されてしまう。しかし彼女は事件の事を警察に届けず、何事も無かったようにいつも通りの暮らしを続ける。その後も、送り主不明の嫌がらせのメールが届いたり、誰かが留守中に侵入した形跡から犯人は自分に近い存在だと思い、ミシェルは自ら犯人を探し始めるのだが、次第に明かされていくのは、事件の真相よりも恐ろしいミシェルの本性だった。

グレタを演じるイザベル・ユペールが、『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』『氷の微笑』などで知られる名匠ポール・バーホーベン監督とタッグを組んだ異色作。本作でユペールが演じるミシェルはこれまでに紹介してきた、他者に危害を与えるようなタイプのサイコパスではない。過去に起きたある事件により、その事実と向き合いながら生きてきたミシェルは恐ろしく強い人間として育ったのだ。彼女の生き方、考え方、行動はもはや我々の理解を超えるところにあるため、公開時に観客はミシェルの異常な行動が理解できずパニックに陥る人が大勢いた。

この映画、ジャンル分けが非常に難しい。いちおう、サスペンスやミステリーに分類されるが実はそうではない。確かに事件は起きるし、ミシェルも犯人を捜そうとはするのだが、映画はそれを大きな事として描いてはいないのだ。映画を観ながら謎を解こうと思っているととんでもない肩透かしを食らうことだろう。しかもバーホーベン監督お得意のブラックジョークも満載なのでコメディとしてもめちゃくちゃ面白い。滅多にお目に掛かれない非常に濃い作品なのは間違いない、さすがバーホーベン。

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『グレタ GRETA』
11/8(金)TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

【キャスト】
イザベル・ユペール、クロエ・グレース・モレッツ、マイカ・モンロー、コルム・フィオール、スティーヴン・レイ

【スタッフ】
監督・脚本:ニール・ジョーダン

原題:GRETA/2018年/アイルランド、アメリカ/英語/98分/カラー/シネスコ/5.1ch/字幕:川又勝利
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
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公式サイト:http://greta.jp/

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