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75年目の終戦記念日 僕らは太平洋戦争(第二次世界大戦)の何を心に刻むべきか? 『日本のいちばん長い日』を2020年的に考える④

今回の特集コーナー「今夜何観る」では、今年で75年目の終戦記念日を迎えるにあたり、日本の戦争を終わらせた男たちを描いた映画『日本のいちばん長い日』について4回に分けてお送り致します!

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「聖断」天皇の政治介入
ちなみに天皇は日本の元首ですが政治的実権はありません。実行者である政治家の言うことを承認しなければならない立場なのです。満州事変の発端に際して昭和天皇は謀略の匂いを嗅ぎつけ政治に意見してしまったことを悔い、それ以来沈黙したといわれますが、2度だけ憲法の制約を飛び超えた行動に出てます。一度は自分の信用する重臣が殺された陸軍のクーデター、二・二六事件(鈴木貫太郎も殺されかけた)。二度目がこの太平洋戦争の終戦間際での「聖断」であったと言われます。

「日本のいちばん長い日」は、岡本喜八版が首脳陣の全体的な群像劇なのに比べて、原田眞人版は昭和天皇、首相鈴木貫太郎、陸相阿南惟幾の3人がクローズアップされています。原田監督は「いろいろ当時の文献を調べると、以前宮中で一緒だったこの3人の人間関係が日本を終戦に導いた最大の原動力だと思った。3人は兄弟のようなものだった」と言っています。


特に、すべてを背負って自決した役所広司演じる阿南惟幾の姿は胸に迫ります。実際、彼の自決の与えた衝撃は非常に大きく、本土決戦かクーデターか、というムード沸き立つ陸軍の雰囲気を一気に沈静化し、戦争は終わったことを印象付けました。現職閣僚の自殺はほぼ唯一の例です。

ともかく、この3人をはじめとした国を思う人たちの終戦間際のぎりぎりの動きによって、「どう負けるか」という戦いでは、国としての体裁をそのまま保ちえて、日本を守ったといえます。

あれから75年も経ちますが、現代に生きる我々は依然として「彼らが守った日本」で生きているのです。

〈ストーリー〉
太平洋戦争末期の45年7月、連合国軍にポツダム宣言受諾を要求された日本は降伏か本土決戦かに揺れ、連日連夜の閣議で議論は紛糾。結論の出ないまま広島、長崎に相次いで原子爆弾が投下される。一億玉砕論も渦巻く中、阿南惟幾陸軍大臣や鈴木貫太郎首相、そして昭和天皇は決断に苦悩する。

〈キャスト〉
オリジナル版:三船敏郎、志村喬 ほか
リメイク版:役所広司、本木雅弘、松坂桃李 ほか

〈スタッフ〉
オリジナル版監督:岡本喜八
リメイク版監督:原田眞人