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75年目の終戦記念日 僕らは太平洋戦争(第二次世界大戦)の何を心に刻むべきか? 『日本のいちばん長い日』を2020年的に考える③

今回の特集コーナー「今夜何観る」では、今年で75年目の終戦記念日を迎えるにあたり、日本の戦争を終わらせた男たちを描いた映画『日本のいちばん長い日』について4回に分けてお送り致します!

前回の記事はこちら➡PART②

AmazonPrimeで観る ⇒2015年版1965年版

Netflixで観る⇒2015年版

天皇ヒロヒトの国際感覚

天皇「国体の護持について、私は確信がある。」

これは、昭和天皇が陸軍大臣阿南に向かって「心配してくれるのはうれしいが。。」と言った後に出た言葉ですがどういう意味でしょう?阿南が終戦に反対した理由はまさしく「国体の護持」でした。それほど大事な「国体」とはなんでしょう?国体とは日本の国柄(くにがら)のことで、万世一系の天皇が日本に君臨する国家の体制のことです。

「敗戦になれば、天皇は死刑に問われ、皇統は断絶するかもしれない。そんなことになったら、千年に渡り、天皇を守ってきた多くの先人たちに詫びても詫びきれない。ならば潔く皆死のう。」当時は、そんな極端なことをいう輩が普通に幅を利かせていたのです。異常な感覚としか言いようがありませんが、現代の日本もその延長線上にあります。普段は意識しないかもしれませんが、誰にも汚されたくない国家のアイデンティティを強烈に持っているのが日本という国です。

一方で、昭和天皇は冷静に終戦の機会をうかがっていました。天皇はきれいごとの反戦論者や平和主義者ではなく、現実的なリーダーであったと思います。彼はアメリカのラジオ放送の情報、永世中立国のスイス公使や王室のつながりがあるスウェーデン公使の手紙などを木戸内大臣や東郷外務大臣とつぶさに検討して、ポツダム宣言にある「無条件降伏」は日本の軍部に限定した無条件降伏であり、そこに暮らす庶民や皇室の隷属を意味するものではないことを読み取ります。

もちろん確証はないですが、そんなもの求めたところで手に入るわけもなく、一方でトルーマン大統領の新たな敵はソ連と共産主義になるのは間違いないので、アメリカが日本の赤化を恐れるならば天皇制を維持した方が得策だと判断するという計算もあったでしょう。「確信がある」という言葉はインテリジェンスを駆使した天皇の総合的判断だったのです。

さらに戦争責任を問われて自分は処刑される可能性も考えたと思いますが、それならそれでいい、個人の生命は「国体」の前ではちいさなものだと考えたと思います。

次回は昭和天皇の政治介入についてお届けします。

次回の記事はこちらから➡8/15更新

〈ストーリー〉
太平洋戦争末期の45年7月、連合国軍にポツダム宣言受諾を要求された日本は降伏か本土決戦かに揺れ、連日連夜の閣議で議論は紛糾。結論の出ないまま広島、長崎に相次いで原子爆弾が投下される。一億玉砕論も渦巻く中、阿南惟幾陸軍大臣や鈴木貫太郎首相、そして昭和天皇は決断に苦悩する。

〈キャスト〉
オリジナル版:三船敏郎、志村喬 ほか
リメイク版:役所広司、本木雅弘、松坂桃李 ほか

〈スタッフ〉
オリジナル版監督:岡本喜八
リメイク版監督:原田眞人